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ネットワーク観測による環境モニタリング首都圏の酸性雨

首都圏の酸性雨 ネットワーク観測による環境モニタリング

B7 256ページ 並製
価格:5,940円 (消費税:540円)
ISBN978-4-7664-0970-3(4-7664-0970-1) C3044
奥付の初版発行年月:2003年01月 / 発売日:2003年01月上旬

内容紹介

著者らは、 12年間にわたって首都圏9地点における降水試料からpH、導電率、化学イオン成分などの測定を継続的に実施。その結果にもとづき、首都圏における酸性雨の実態と長期的な動向を明らかにしている。
酸性雨の問題ばかりでなく、長期間継続して行われることに重要性を帯びる環境モニタリング。国や地方自治体による環境モニタリングに限界が見られるなか、それを補完する効率的・長期的なモニタリング活動の実例を提示。
本書を読めば、「ちょっとの雨なら傘なんかささなくても大丈夫」なんてこと言ってられない?!


慶應義塾大学理工学部応用化学科の田中茂教授の指導のもと、助手・学生らによって年間を通じて降水を採取し、その化学成分の測定を行っている研究グループ。
1990年6月より首都圏の教育機関、研究機関、民間企業の協力を得て1都4県(東京、神奈川、千葉、埼玉、栃木)の首都圏9地点に降水採取点を設け、首都圏における酸性雨の実態を明らかにしてきた。

目次


1. 酸性雨の歴史と生成機構
1.1 わが国における酸性雨の歴史と酸性雨対策調査
1.2 酸性雨の生成機構

2. 降水、乾性降下物試料の採取地点、採取分析方法および試料データの評価方法
2.1 降水、乾性降下物試料の採取地点
2.2 降水、乾性降下物の採取・分析方法
2.3 降水、乾性降下物試料データの評価方法
2.4 降水中のHCO3-イオン濃度の推定とイオンバランスに与える影響
2.5 降水中のイオンバランスの測定結果
2.6 降水の導電率の測定結果

3. 降水中化学成分の地域特性
3.1 降水試料の分析結果
3.2 降水中化学成分の発生源
3.3 降水中化学成分の組成および地域特性の検討
3.4 関東地方の局地風と大気汚染との関係
3.5 主成分分析による解析
3.6 降水中化学成分間の相関性

4. 降水中化学成分濃度のpHに対する寄与
4.1 重回帰分析による降水中化学成分の寄与
4.2 酸性度ポテンシャルと水素イオン濃度との関係
4.3 降水のpHと降水量の関係
4.4 降水のpHとpAiとの関係
4.5 降水時のpHおよび降水中化学成分の季節変化

5. 気象条件の降水中化学成分濃度に対する影響
5.1 降水時の気圧配置の類型化
5.2 降水時の気圧配置による分類結果
5.3 代表的気圧配置時の降水中化学成分組成
5.4 主成分分析による解析
5.5 降水時の気圧配置による影響の検討
5.6 降水中の金属元素の測定とCMB法による発生源の推定

6. 首都圏の酸性雨に対する三宅島噴火活動の影響
6.1 三宅島噴火活動の状況
6.2 神奈川県・東京都のSO2高濃度状況
6.3 後方流跡線解析による三宅島噴火活動の影響の検討
6.4 噴火前後の降水および乾性降下物中化学成分の比較
6.5 首都圏に沈着した火山性SO2ガス量の推定

7. 降水中化学成分濃度の長期的動向
7.1 移動平均分析による降水のpHの経年変化
7.2 回帰分析による降水中化学成分濃度の経年変化
7.3 降水量の影響を考慮した回帰分析による降水中化学成分濃度の経年変化
7.4 降水中化学成分濃度の変動傾向の検討

付録
1. 雨水中の化学成分濃度
2. 乾性降下量


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