大学出版部協会

 

輿(こし)

ものと人間の文化史156
輿(こし)

四六判 252ページ 上製
価格:3,080円 (消費税:280円)
ISBN978-4-588-21561-2 C0321
奥付の初版発行年月:2011年09月 / 発売日:2011年09月中旬

内容紹介

輿は天皇を初めとする貴人の乗用具として、古代から明治初期まで、千二百年以上にわたって用いられてきた。その延長としての神輿(みこし)は、神の乗り物として現在の祭礼にも受け継がれている。本書は、その種類と変遷を探り、天皇の行幸や斎王群行、姫君たちの輿入れ、さらには葬送における使用の実態を明らかにするとともに、輿を担いだ人々の生活や諸外国の人担乗用具にも言及する。

著者プロフィール

櫻井 芳昭(サクライ ヨシアキ)

1938年,愛知県名古屋市に生まれる.愛知学芸大学卒業,愛知県内の小中学校および愛知教育大学附属名古屋中学校,愛知県教育委員会義務教育課長を歴任.交通史研究会会員,名古屋郷土文化会理事.
著書に『尾張の街道と村』(第一法規出版,1997),『駕籠(ものと人間の文化史141)』(法政大学出版局,2007),『幕末の尾張藩』(中日出版社,2008),共著に『下街道』(春日井市教育委員会,1978),『ぼくらの愛知県』(ポプラ社,1984),『社会科基礎学力の指導』(明治図書,1985)などがある.

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

 まえがき

第1章 乗り物としての輿
一 日本での輿の変遷
  奈良時代まで/平安時代/鎌倉時代/室町時代/江戸時代
二 婚礼の輿
  姫君たちの輿入れ/東福門院入内行列/和宮降嫁
三 諸外国での人担乗用具
  中国/朝鮮/ヨーロッパ/インド/その他の国々

第2章 輿の種類
一 輿の特徴
  鳳輦(鸞輿)/葱花輦・葱華輦(華輿・華輦)/腰輿・手輿
  /板輿/網代輿/張輿/塗輿/小輿/塵取/女房輿/
  大井川での蓮台
二 輿の備品と通行
三 輿の所蔵

第3章 輿の使用実態  
一 天  皇
  行幸の成立/大王の「ミユキ」と奈良時代の行幸/平安時代
  の行幸/鎌倉・室町時代の行幸/聚楽第行幸/二条行幸/
  賀茂・石清水行幸/明治天皇の行幸
二 斎王群行と斎王代
  斎王群行/群行の道中/伊勢斎宮でのつとめ/帰京/
  賀茂斎院
三 諸家など
  公家/褒賞としての輿/武家/社僧/朝鮮通信使と琉球使節
四 輿を継承した使用例
  神輿/棺・龕/擔輿/雉輿/菖蒲輿/担架─現代の腰輿

第4章 輿を担ぐ人たち
一 駕輿丁
二 四府駕輿丁座
三 八瀬童子
四 洛中洛外図屏風にみる駕輿丁
五 近世の駕輿丁

第5章 輿と日本文化
一 明治以降への輿の継承  
二 交通史における輿
 
 あとがき
 参考文献
 輿関係年表
 索  引


一般社団法人 大学出版部協会 Phone 03-3511-2091 〒102-0073 東京都千代田区九段北1丁目14番13号 メゾン萬六403号室
このサイトにはどなたでも自由にリンクできます。掲載さ>れている文章・写真・イラストの著作権は、それぞれの著作者にあります。
当協会 スタッフによるもの、上記以外のものの著作権は一般社団法人大学出版部協会にあります 。