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 間文化の視点から東アジアにおける哲学の生成と発展

東アジアにおける哲学の生成と発展 間文化の視点から

廖欽彬:編著, 伊東 貴之:編著, 河合 一樹:編著, 山村 奨:編著
A5判 886ページ 上製
価格:9,900円 (消費税:900円)
ISBN978-4-588-15123-1 C3010
奥付の初版発行年月:2022年02月 / 発売日:2022年02月中旬

内容紹介

19世紀から21世紀の現在まで、異文化たる西洋の学問を翻訳し受容してきた東アジア各国の思索者たちは、近代との葛藤や伝統思想の批判的継承のなかでいかに苦闘し、自らの哲学を作り上げてきたのか。そしていま、先人たちの遺産をもとに、東アジアにはどんな〈世界哲学〉の構想が可能なのか。日中台韓越の研究者が集結し、国際日本文化研究センターで開かれた共同研究会の画期的成果。

著者プロフィール

廖欽彬(リョウ キンヒン)

( Liao Chin ping)
中国・中山大学哲学系准教授。日本哲学、東アジア哲学、比較哲学。著書:『宗教哲学の救済論──後期田辺哲学の研究』(台湾大学出版中心)、『近代日本哲学中的田辺元哲学──比較哲学与跨文化哲学的視点』(北京商務印書館)。訳書『日本哲学与跨文化哲学』(中山大学出版社)。編著:『洪耀勲文献選輯』、『近代日本の中国学』(台湾大学出版中心)ほか。

伊東 貴之(イトウ タカユキ)

国際日本文化研究センター教授、総合研究大学院大学文化科学研究科長・教授。中国近世思想史、東アジア比較文化交流史。著書:『思想としての中国近世』(東京大学出版会)、『中国近世的思想典範』(台湾大学出版中心)、共著に『中国という視座』(平凡社)、編著:『「心身/身心」と環境の哲学』『東アジアの王権と秩序』(汲古書院)、『治乱のヒストリア』(法政大学出版局)ほか。

河合 一樹(カワイ カズキ)

茨城工業高等専門学校非常勤講師。日本思想史。論文:「古事記伝と姓氏録──本居宣長における「ウヂカバネ」の成立」(『日本思想史学』51号)、「死者の名を呼ぶ──本居宣長における諱の問題」(『倫理学年報』67号)、著書:『大和心と正名──本居宣長の学問観と古代観』(近刊、法政大学出版局)ほか。

山村 奨(ヤマムラ ショウ)

国際日本文化研究センター共同研究員。日中比較思想・倫理学。著書:『近代日本と変容する陽明学』(法政大学出版局)、論文:「近代日本における「人格」の意味──修養と陽明学の関係性から」(『日本研究』62号)、「近代日本における陽明学観の変遷──大塩平八郎の評価との関連から」(『日本儒教学会報』2号)ほか。

上記内容は本書刊行時のものです。

■執筆者(掲載順)

藤田正勝(ふじた まさかつ)
京都大学名誉教授。哲学・日本哲学史。著書Philosophie und Religion beim jungen Hegel(ドイツ・ブヴィエ社)、『哲学のヒント』『日本文化をよむ』(岩波新書)、『日本哲学史』(昭和堂)、『人間・西田幾多郎──未完の哲学』(岩波書店)、『はじめての哲学』(岩波ジュニア新書)、編著:『思想間の対話──東アジアにおける哲学の受容と展開』(編著、法政大学出版局)ほか。

嶺秀樹(みね ひでき)
関西学院大学名誉教授。著著:『存在と無のはざまで──ハイデッガーと形而上学』『ハイデッガーと日本の哲学──和辻哲郎、九鬼周造、田辺元』『西田哲学と田辺哲学の対決──場所の論理と弁証法』(ミネルヴァ書房)、共著:『京都学派の遺産──生と死と環境』(晃洋書房)、共訳書:『時間概念の歴史への序説 ハイデッガー全集 第20巻』(創文社)ほか。

安部浩(あべ ひろし)
京都大学大学院人間・環境学研究科教授。哲学。著書:『「現」/そのロゴスとエートス』(晃洋書房)、共編著:『ハイデガー読本』『続・ハイデガー読本』(法政大学出版局)、Environmental Philo-sophy and East Asia(Routledge, forthcoming), 共著:Schellings Freiheitsschrift: Methode, System, Kritik(Mohr Siebeck), Hans Jonas-Handbuch(J. B. Metzler), Wozu Metaphysik?(Karl Alber)ほか。

上原麻有子(うえはら まゆこ)
京都大学大学院文学研究科日本哲学史専修・教授。Journal of Japanese Philosophy(SUNY Press)編集長。編著:Philosopher la traduction/Philosophizing Translation(南山宗教文化研究所/知足堂)、共著:Contemporary Japanese Philosophy(Rowman&Littlefield International)、『近代人文学はいかに形成されたか』(勉誠出版)、『世界哲学史』8(ちくま新書)ほか。

杉村靖彦(すぎむら やすひこ)
京都大学大学院文学研究科教授。哲学・宗教学。著書:『ポール・リクールの思想──意味の探索』(創文社)、共編著:Philosophie japonaise. Le néant, le monde et le corps(J. Vrin)、『渦動する象徴──田辺哲学のダイナミズム』(晃洋書房)、論文:«Témoigner après la «fin de la philosophie»»(Studia Phaenomenologica, XXI)、訳書:ナベール『悪についての試論』(法政大学出版局)ほか。

亀井大輔(かめい だいすけ)
立命館大学文学部教授。哲学。著書:『デリダ 歴史の思考』(法政大学出版局)、共著:『現代フランス哲学入門』(ミネルヴァ書房)、『メルロ=ポンティ読本』『終わりなきデリダ』(法政大学出版局)、共訳書:デリダ『ハイデガー 存在の問いと歴史』『獣と主権者 I・II』(白水社)、ジェイ『うつむく眼』(法政大学出版局)、バリバール『ヨーロッパ市民とは誰か』(平凡社)ほか。

フォンガロ・エンリコ(Fongaro Enrico)
東北大学大学院文学研究科准教授。哲学。論文:「西田の時間論と白隠の「客」」(『比較思想から見た日本仏教』(山喜房佛書林)、訳書:Uno studio sul bene(『善の研究』)、Pensiero ed esperienza vissuta corporea(『思索と体験』)(イタリア語版西田幾多郎全集Vol. 1–2、Mimesis社、ミラノ)、Problemi fondamentali della filosofia(西田『哲学の基礎問題』Marsilio社、ヴェネツィア)ほか。

竹花洋佑(たけはな ようすけ)
福岡大学人文学部准教授。近代日本哲学。共編著:『渦動する象徴──田辺哲学のダイナミズム』(晃洋書房)、論文:“The Irreversibility of Time and the Momentary Present as a “Cut”──Tanabe Hajime’s philosophy of time”(Tetsugaku, vol. 3)、共著:『『善の研究』の百年──世界へ/世界から』(京都大学学術出版会)ほか。

浜渦辰二(はまうず しんじ)
上智大学グリーフケア研究所・特任教授。臨床哲学・死生学。著書:『フッサール間主観性の現象学』(創文社)、『可能性としてのフッサール現象学──他者とともに生きるために』『ケアの臨床哲学への道──生老病死とともに生きる』(晃洋書房)、訳書:フッサール『デカルト的省察』(岩波文庫)、共訳書:フッサール『間主観性の現象学 Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ』(ちくま学芸文庫)ほか。

谷徹(たに とおる)
立命館大学文学部・名誉教授・特別任用教授。哲学。著書:『意識の自然──現象学の可能性を拓く』(勁草書房)、『これが現象学だ』(講談社現代新書)、論文:「文明・文化と「四」」(『共生──そのロゴス、パトス、エトス』こぶし書房)ほか、訳書:フッサール『内的時間意識の現象学』『ブリタニカ草稿』(ちくま学芸文庫)ほか。

植村玄輝(うえむら げんき)
岡山大学学術研究院社会文化科学学域准教授。哲学。著書:『真理・存在・意識──フッサール『論理学研究』を読む』(知泉書館)、共編著:『ワードマップ現代現象学──経験からはじめる哲学入門』(新曜社)、共訳書:H.ドレイファス、Ch.テイラー『実在論を立て直す』(法政大学出版局)、T. E.タフコ編『アリストテレス的現代形而上学』(春秋社)ほか。

景山洋平(かげやま ようへい)
関西学院大学大学院文学研究科・文学部准教授。現象学、解釈学、近代日本哲学。著書:『「問い」から始まる哲学入門』(光文社新書)、『出来事と自己変容──ハイデガー哲学の構造と生成における自己性の問題』(創文社)、論文:「西田幾多郎と無位真人の世界」(『哲学雑誌』第135巻第808号)、共著:Heidegger in the literary world(Rowman & Littlefield)ほか。

倪梁康(げい りょうこう Ni Liang kang)
浙江大学哲学学院教授。西洋哲学、倫理学、現象学。著書:『現象学及其効応──胡塞爾与当代徳国哲学』『胡塞爾現象学概念通釈』(三聯書店)、『自識与反思──近現代西方哲学的基本問題』『心性現象学』(商務印書館)、Seinsglaube in der Phänomenologie Edmund Husserls(Kluwer Academic Publishers)、Zur Sache des Bewusstseins(Könisghausen & Neumann)ほか。

方向紅(ほう こうこう Fang Xiang hong)
中山大学哲学系教授。現象学を中心とした現代ドイツ・フランス哲学、中西比較哲学。著書:『生成与解構──德里達早期現象学批判疏論』『時間与存在──胡塞爾与海徳格爾現象学基本問題』(商務印書館)、『幽霊之舞──徳里達与現象学』(江蘇人民出版)、訳書:『転向中的現象学運動』(中山大学出版社)ほか。

朱剛(しゅ ごう Zhu Gang)
中山大学哲学系教授。現象学、現代大陸哲学、倫理学。国家社会基金重大項目「『列維納斯文集』翻訳与研究」研究代表者。著書:『本原与延異──徳里達対伝統形而上学的解構』『開端与未来──従現象学到解構』(商務印書館)、『多元与無端』(江蘇人民出版社)、訳書:列維納斯『総体与無限──論外在性』、徳里達『論精神──海徳格爾与問題』ほか。

張偉(ちょう い Zhang Wei)
広州中山大学哲学系教授、中国現象学会理事長、国際マックス・シェーラー協会学術諮議委員会委員、Orbis Phaenomenologicus編集委員。外国哲学、倫理学、跨文化比較哲学研究。著書:『質料先天与人格生成──対舎勒現象学的質料価値倫理学的重構』『心性与体知──従現象学到儒家』(商務印書館)、Prolegomena zu einer materialen Wertethik(Traugott Bautz)ほか。

鈴木将久(すずき まさひさ)
東京大学大学院人文社会系研究科教授。中国近代文学。著書:『上海モダニズム』(中国文庫)、訳書:賀照田『中国が世界に深く入りはじめたとき』(青土社)、梁鴻『中国はここにある──貧しき人々のむれ』(みすず書房)、孫歌『思想史の中の日本と中国 第Ⅰ部 歴史の「基体」を尋ねて』『同 第Ⅱ部 歴史と人間』(東京大学出版会)ほか。

王嘉新(おう かしん Wang Jia xin)
西安交通大学人文社会科学学院哲学系副教授。現象学、生命哲学、中西比較哲学。著書:Husserls Begriff der ,Hyle‘ aus der Perspektive der Lebensphänomenologie(Ergon Verlag)、論文:「朝向更完整的実在性概念──胡塞爾与舎勒論還原与実在」(『哲学研究』2020年第7期)、「論胡塞爾“質料”概念的生命意蘊」(『現代哲学』2021年第3期)ほか。

陳徳中(ちん とくちゅう Chen De zhong)
中国社会科学院哲学研究所研究員、中国社会科学院教授。西洋道徳哲学・政治哲学、西洋哲学史。著書:『政治現実主義的邏輯』(中国社会科学出版社)、『政治現実主義──威廉姆斯政治哲学研究』(知識産権出版社)、『威廉姆斯』(陝西師範大学出版社)、『政治正義──択善而從与抑制悪行』(広東教育出版社)ほか。

洪子偉(こう しい Hung Tzu-wei)
中央研究院副研究員。哲学。論文:“On the Sit-chûn Scholars of Taiwanese Philosophy”(Philosophy East and West, 69:4)、“Nonhuman Rationality: A Predictive Coding Perspective”(Cognitive Processing, 22:2)、編著:『存在交渉──日治時期的台湾哲学』(中央研究院・聯経出版)、共編著:『啓蒙与反叛──台湾哲学的百年浪潮』(台湾大学出版中心)ほか。

牧野英二(まきの えいじ)
法政大学名誉教授。哲学。単著『「持続可能性の哲学」への道』(法政大学出版局)、『カントを読む──ポストモダニズム以降の批判哲学』(岩波人文書セレクション)、『崇高の哲学』(法政大学出版局)、編著:『新・カント読本』(法政大学出版局)、訳書『判断力批判』(『カント全集』8巻・9巻、岩波書店)、『精神科学序説Ⅰ』(『ディルタイ全集』第1巻、法政大学出版局)ほか。

合田正人(ごうだ まさと)
1957年生。明治大学文学部教授。思想史。著書:『レヴィナス』『レヴィナスを読む』(ちくま学芸文庫)、『ジャンケレヴィッチ』(みすず書房)、『田辺元とハイデガー』(PHP新書)、『フラグメンテ』(法政大学出版局)、『思想史の名脇役たち』(河出書房新社)、訳書:『レヴィナス・コレクション』(ちくま学芸文庫)、J.グッドマン『ユダヤ哲学』(みすず書房)ほか。

秋富克哉(あきとみ かつや)
京都工芸繊維大学基盤科学系教授。哲学・宗教学。著書:『芸術と技術 ハイデッガーの問い』(創文社)、論文:「三木清における「構想力」の射程」(『倫理学年報』第七十集)、「科学技術(テクノロジー)と「空」」(『文明と哲学』第十三号)、共編著:『ハイデガー読本』『続・ハイデガー読本』(法政大学出版局)、共訳書:ハイデッガー『哲学への寄与論稿』(創文社)ほか。

植村和秀(うえむら かずひで)
京都産業大学法学部教授。日本政治思想史。著書:『「日本」への問いをめぐる闘争──京都学派と原理日本社』(柏書房)、共編著:『ハンドブック近代日本政治思想史』(ミネルヴァ書房)、共著:『近代日本宗教史 第四巻 戦争の時代 昭和初期〜敗戦』(春秋社)、論文:「『國體の本義』対『日本文化の問題』──國體論をめぐる闘争」(『産大法学』第五〇巻第一・二号)ほか。

志野好伸(しの よしのぶ)
明治大学文学部心理社会学科教授。中国哲学。共著:『何処から何処へ──現象学の異境的展開』(知泉書館)、『聖と狂──聖人・真人・狂者』(法政大学出版局)、論文:「張東蓀の生命哲学批判」(『日本中国学会報』第73集)、共訳書:F.ジュリアン『道徳を基礎づける──孟子vsカント、ルソー、ニーチェ』(講談社学術文庫)、A.チャン『中国思想史』(知泉書館)ほか。

林永強(ラム ウィンカンLam Wing Keung)
獨協大学国際教養学部准教授。日本哲学。共編著:『近代日本哲学と東アジア』(国立台湾大学出版中心)、Globalizing Japanese Philosophy as An Academic Discipline(V&R unipress and National Taiwan University Press)、『日本倫理観与儒家伝統』『東亜伝統与現代哲学中的自我与個人』(国立台湾大学出版中心)、『日本哲学の多様性』(世界思想社)ほか。

張政遠(ちょう せいえん Cheung Ching-yuen)
東京大学大学院総合文化研究科准教授。日本哲学、東アジア文学・思想、間文化哲学。Tetsugaku Companions to Japanese Philosophy(Springer)共同編集長、『希哲雑誌』編集長。著書:『西田幾多郎──跨文化視野下的日本哲学』(国立台湾大学出版中心)、共編著:『東亜視野下的日本哲学──伝統、現代与転化』(国立台湾大学出版中心)、『日本哲学の多様性』(世界思想社)ほか。

飯嶋裕治(いいじま ゆうじ)
九州大学基幹教育院准教授。哲学・倫理学、近代日本思想史。著書:『和辻哲郎の解釈学的倫理学』(東京大学出版会)、論文:„Über die hermeneutische Struktur der „Normativität“ der Ethik Tetsurō Watsujis──ausgehend von seiner Rezeption des Denkens Martin Heideggers“(Heidegger-Jahrbuch, Band 7)、共訳書:アルヴァ・ノエ『知覚のなかの行為』(春秋社)ほか。

太田裕信(おおた ひろのぶ)
愛媛大学法文学部・准教授。哲学・倫理学、日本哲学。論文 “Nishida Kitarō’s Philosophy of Time: With a Focus on Self-Determination of Eternal Now”(Tetsugaku, Vol. 3)、「西田幾多郎のポイエーシスの哲学──自然・技術・芸術・倫理」(『愛媛大学法文学部論集人文学編』46号)、共著:『『善の研究』の百年──世界へ/世界から』(京都大学学術出版会)ほか。

佐藤麻貴(さとう まき)
東京大学総合文化研究科・教養学部東アジア藝文書院特任准教授。環境哲学。共著:『フューチャーデザインと哲学──世代を超えた対話』(勁草書房)、共編著:『社寺会堂に探る 江戸東京の精神文化』(勁草書房)、共訳書:『子どものための哲学教育ハンドブック』(東京大学出版会)、ソロバイオリンCDに“J.S. Bach Sonata and Partita for Solo Violin”ほか。

中島隆博(なかじま たかひろ)
東京大学東洋文化研究所教授・東アジア藝文書院院長。中国哲学、世界哲学。著書:『危機の時代の哲学──想像力のディスクール』(東京大学出版会)、編著:『コスモロギア──天・化・時』(法政大学出版局)、『世界哲学史』全8巻+別巻(ちくま新書)、共訳書:白永瑞『共生への道と核心現場』(解説、法政大学出版局)、許紀霖『普遍的価値を求める』(監訳、同)ほか。

佐藤将之(さとう まさゆき)
国立台湾大学哲学系教授。著書:The Confucian Quest for Order: The Origin and Formation of the Political Thought of Xun Zi(Brill Academic Publishers)、『中國古代的「忠」論研究』『荀子禮治思想的源淵與戰國諸子之研究』『後周魯時代的天下秩序── 《荀子》 和 《呂氏春秋》 政治哲學之比較研究』(国立台湾大学出版中心)、『荀學與荀子思想研究──評析・前景・構想』(万巻楼)ほか。

井川義次(いがわ よしつぐ)
筑波大学人文社会系人文社会科学研究科。中国哲学。著書:『宋学の西遷──近代啓蒙への道』(人文書院)、論文:「十七世紀イエズス会士の「易」解釈──「中国の哲学者孔子」の「謙」卦をめぐる有神論性の主張」(『日本中国学会報』第48集、日本中国学会賞哲学部門受賞)、共訳書:カルタンマルク『老子と道教』(人文書院)ほか。

呉偉明(ウン ワイミン Ng Wai Ming)
香港中文大学日本研究学科教授、米国プリンストン大学哲学博士。香港中文大学比較日本研究センター所長。著書:Imagining China in Tokugawa Japan(State University of New York Press)、The I Ching in Tokugawa Thought and Culture(University of Hawai’i Press)、編著:The Making of the Global Yijing in the Modern World(Springer)ほか。

王青(おう せい Wang Qing)
中国社会科学院哲学研究所東方哲学研究室研究員、中国社会科学院大学哲学院教授。中華日本哲学会副会長。日本哲学、日本思想史。著書:『日本近世儒学者荻生徂徠研究』(上海古籍出版社)、共著『東方哲学史』(東方出版社)、論文:「西田哲学における老荘思想の要素──「純粋経験」と「絶対無」の概念を中心に」(『哲学動態』2021年第7期)ほか。

小倉紀蔵(おぐら きぞう)
京都大学大学院人間・環境学研究科教授。朝鮮半島の思想・文化、東アジア哲学、日韓関係。著書:『歴史認識を乗り越える』(講談社現代新書)、『創造する東アジア──文明・文化・ニヒリズム』(春秋社)、『朱子学化する日本近代』(藤原書店)、『朝鮮思想全史』『京都思想逍遥』『新しい論語』(ちくま新書)、共編著:『東アジアの尊厳概念』(法政大学出版局)ほか。

辛炫承(シン ヒョンスン 신현승)
井岡山大学外国語学部教授。著書:『蕺山学と宋明儒学』『明代末期劉宗周と知識人ネットワーク』(韓国 ソルグァハク)、『帝国知識人の逆説と歴史哲学』(韓国 太学社)、『韓国を再び問う』(韓国 モシヌンサラムヅル)、論文:「明末浙江における禅文化の盛況と儒教の対応」(『退渓学論集』第22号)、訳書:小島毅『宋学の形成と展開』(韓国 論衡)ほか。

阮南(グェン ナム Nguyễn Nam)
ベトナム・フルブライト大学上級講師。思想史。編著:Pre-Modern Representative Vietnamese Authors through Modern East Asian Scholars’ Research(Vietnam National University in Ho Chi Minh City Press)、共著:Confucian Perspectives on Learning and Self-Transformation ─ International and Cross-Disciplinary Approaches(Springer)ほか。

宮沢千尋(みやざわ ちひろ)
南山大学人文学部教授。文化人類学、ベトナム研究。編著:『社会変動と宗教の〈再選択〉──ポスト・コロニアル期の人類学研究』(風響社)、共編著:『西川寛生「サイゴン日記」 一九五五年九月~一九五七年六月』(風響社)、論文:「前近代ベトナム女性の財産権と祭祀財産相続──忌田を中心に」(『アジア・アフリカ地域研究』第15–2号)ほか。

目次

まえがき──東アジア哲学の形成をめざして 【廖欽彬】
凡 例

第Ⅰ部 日本哲学と西洋哲学

田辺元による日本における最初のハイデガー受容 【藤田正勝】
永遠の今 西田幾多郎と九鬼周造 【嶺秀樹】
和辻・マルクス・アリストテレス 和辻倫理学の生成 【安部浩】
九鬼周造 偶然‐必然の戯れとしての芸術と実存 【上原麻有子】
懺悔道のポエティクスに向けて 田辺元『ヴァレリイの芸術哲学』再読 【杉村靖彦】
九鬼周造とジャック・デリダ 偶然性をめぐって 【亀井大輔】
西田幾多郎の思想における「永遠」 概念の変遷をめぐる一試論 【フォンガロ・エンリコ】
歴史主義としての田辺哲学 【竹花洋佑】
三木清とハイデガー 基礎経験と公共圏をめぐって 【廖欽彬】
日本近代美学と「あはれ」 大西克礼を中心として 【河合一樹】
日本哲学史形成期におけるフッサール現象学の受容 【浜渦辰二】
新田現象学と西田哲学 【谷徹】
現象学者としての尾高朝雄 一九三〇年代の社会団体論を中心に 【植村玄輝】
日本のハイデガー受容における弁証法 田辺元の思想形成に即して 【景山洋平】

第Ⅱ部 中国・台湾哲学と西洋哲学

王陽明・王龍渓・熊十力における良知の問題と現象学 唯識学からの回答の仕方 【倪梁康】
モナド論における論理の飛躍と朱熹の理気論の現象学的再建 気の現象学の必要性と可能性も合わせて 【方向紅】
家の現象学 ハイデガー、レヴィナスから儒家へ 【朱剛】
静寂意識と万物一体 【張偉】
革命文学論争における彭康 【鈴木将久】
近代中国哲学の中のベルクソン像 彭康を例にして 【王嘉新】
「他者理解」と「自己認識」 ここ四十年の中国の哲学研究の趨勢と論理 【陳徳中】
台湾哲学概論 【洪子偉】

第Ⅲ部 日本哲学の多様な展開

ディルタイ哲学と京都学派 西田幾多郎のディルタイ評価を手掛かりにして 【牧野英二】
海と島々からの日本思想史 和辻哲郎『風土』『鎖国』から 【合田正人】
詩人としてこの大地の上に住む 西谷啓治『寒山詩』の世界 【秋富克哉】
一九四〇年代前半の日本哲学の激変 多面的展開から一元化へ 【植村和秀】
西田幾多郎の「物」をめぐる思想 源了圓論文を承けて 【志野好伸】
日本哲学史展開期におけるフッサール現象学の受容 【浜渦辰二】
新儒家としての西田幾多郎 人格実現説をめぐって 【林永強】
御進講と日本哲学 【張政遠】
和辻哲郎の倫理学の出発点 大正期のニーチェ解釈との関連性から 【飯嶋裕治】
西田幾多郎と柳宗悦 ポイエーシスの哲学と民藝の思想 【太田裕信】
音をめぐる、めぐる音 立ち現われ一元論的音の世界 【佐藤麻貴】
和辻哲郎の倫理学における中国 【山村奨】

第Ⅳ部 中国と日本の思想的邂逅

桑木厳翼と中国哲学 【中島隆博】
近代日本における中国哲学の誕生明治十年代に東京大学で行われた諸講義を中心に 【佐藤将之】
儒教を媒介とするヨーロッパ・日本・中国の近代化について 【井川義次】
近世における 「漢神」 の日本化について 【呉偉明】
『善の研究』 と老荘思想の関わりについて 【王青】

第Ⅴ部 朝鮮・ベトナム哲学と知の越境

霊性から哲学へ 近代日朝における超越性の問題 【小倉紀蔵】
近代韓国における西洋哲学の受容と展開 【辛炫承】
国境を越えて旅する知二〇世紀初頭のベトナム、そして日本と中国からの出版物 【阮南】
フランス植民地期のベトナム知識人ファム・クインの「言語・文化ナショナリズム」 と西洋哲学思想観 【宮沢千尋】
植民地期ベトナムの思想状況と哲学の受容 『南風雑誌』を中心に 【廖欽彬】

あとがき──東アジアにおける哲学の命運 伊東貴之
人名索引


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