大学出版部協会

 

読むことの現代的修辞に関する試論集批評的差異

叢書・ウニベルシタス1046
批評的差異 読むことの現代的修辞に関する試論集

四六判 290ページ 上製
価格:3,740円 (消費税:340円)
ISBN978-4-588-01046-0 C1310
奥付の初版発行年月:2016年07月 / 発売日:2016年07月下旬

内容紹介

脱構築批評の最も魅力的な実践として名高いバーバラ・ジョンソン(1947-2009年)の代表作が、30年の時を越えて待望の完訳! バルト、マラルメ、デリダなどの難解な著作を扱いながら、明晰にしてスリリングな思考が躍動する本書は、イェール学派が生んだ若き知性にのみ達成しえた輝きに満ちている。ジョンソンの師であるポール・ド・マン研究の第一人者による達意の訳文によって、世界に衝撃を与えた書物がついに全貌をあらわす。

著者プロフィール

バーバラ・ジョンソン(ジョンソン バーバラ)

(Barbara Johnson)
1947年、ボストン近郊に生まれる。オバーリン・カレッジからイェール大学に進み、1977年、ポール・ド・マン(1919-1983年)のもとでPh. D.を取得(フランス語・フランス文学)。イェール大学でフランス文学・比較文学を講じた後、ハーヴァード大学に移り、2009年に亡くなるまで教授を務める。ディコンストラクション批評をリードした「イェール学派」の第二世代を代表する研究者の一人。邦訳されている著書には、本書のほか、『詩的言語の脱構築――第二ボードレール革命』(原著1979年/土田知則訳、水声社、1997年)、『差異の世界――脱構築・ディスクール・女性』(原著1987年/大橋洋一・青山恵子・利根川真紀訳、紀伊國屋書店、1990年)がある。

土田 知則(ツチダ トモノリ)

1956年、長野県に生まれる。1987年、東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。現在、千葉大学文学部教授。専門はフランス文学・文学理論。著書に、『現代文学理論――テクスト・読み・世界』(共著、新曜社、1996年)、『間テクスト性の戦略』(夏目書房、2000年)、『文学理論のプラクティス――物語・アイデンティティ・越境』(共著、新曜社、2001年)、『ポール・ド・マン――言語の不可能性、倫理の可能性』(岩波書店、2012年)ほか、訳書に、ショシャナ・フェルマン『狂気と文学的事象』(水声社、1993年)、マーティン・マックィラン『ポール・ド・マンの思想』(新曜社、2002年)、ジャック・デリダ『そのたびごとにただ一つ、世界の終焉』(全二冊、共訳、岩波書店、2006年)、ポール・ド・マン『読むことのアレゴリー――ルソー、ニーチェ、リルケ、プルーストにおける比喩的言語』(岩波書店、2012年)ほかがある。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

 凡 例 
 緒 言 

第一部 セクシュアリティと差異
 1 批評的差異――バルト/バルザック
 2 アレゴリーのトリップ゠ティーズ――「白い睡蓮」

第二部 詩と差異
 3 詩とその分身――二つの「旅への誘い」
 4 詩と行為遂行的言語――マラルメとオースティン
 5 詩と統辞法――ジプシー娘の知ったこと

第三部 行為の中の差異
 6 メルヴィルの拳――『ビリー・バッド』の処刑
 7 参照の枠組み――ポー、ラカン、デリダ

 訳者あとがき
 人名索引


一般社団法人 大学出版部協会 Phone 03-3511-2091 〒102-0073 東京都千代田区九段北1丁目14番13号 メゾン萬六403号室
このサイトにはどなたでも自由にリンクできます。掲載さ>れている文章・写真・イラストの著作権は、それぞれの著作者にあります。
当協会 スタッフによるもの、上記以外のものの著作権は一般社団法人大学出版部協会にあります 。