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技術・芸術・修辞学われわれが生きている現実

叢書・ウニベルシタス1019
われわれが生きている現実 技術・芸術・修辞学

四六判 258ページ 上製
価格:3,190円 (消費税:290円)
ISBN978-4-588-01019-4 C1310
奥付の初版発行年月:2014年10月 / 発売日:2014年10月下旬

内容紹介

小著でありながらその思想と主題を凝縮しているため、「知の巨人」の思考と独特の叙述に触れるのに格好の書。フッサールの『ヨーロッパ諸学の危機と超越論的現象学』に基づいた「生活世界と技術化」、近代に芸術・技術が「創造的人間」の理念を産む経緯を辿った「自然の模倣」、修辞学を人間学的に解釈する「修辞学の現代的意義」のほか二本の小論と一編の講演からなる。

著者プロフィール

ハンス・ブルーメンベルク(ブルーメンベルク ハンス)

ハンス・ブルーメンベルク(Hans Blumenberg)
1920年ドイツのリューベックに生まれる。母はユダヤ人で、戦争中ナチスの迫害を避け身を隠していた家の娘と結婚する。キール大学で教授資格を取得、同大学を皮切りに、ハンブルク、ギーセン、ボッフム、ミュンスターの各大学で教鞭をとる。最も近い関係にある哲学者はカッシーラー。〈詩学と解釈学〉グループ(ギーセン)の創立メンバー。96年3月75歳で死去。代表作『近代の正統性』で、〈世俗化〉としての近代という一般的に認められていた歴史理解に根本的な異議申し立てを行い、近代の起源を中世との機能的連関の中で明らかにした。また、現代の自己理解の前提としての啓蒙主義の啓蒙というみずからのプロジェクトを、『コペルニクス的宇宙の生成』(75*)『神話の変奏』(79*)でさらに深化させた。80年、ドイツ言語文芸アカデミーの G. フロイト賞を受賞。独自の論理で哲学・神学・文学・科学を横断的に論じ、歴史理解の地平を比類なく拡大させたその仕事は、わが国では未知の巨峰と言って過言でない。他に、『テロルと遊び』(71共著)『観想者の破綻』(79)『世界の読解可能性』(81*)『トラキアの女の笑い』(87)『生活時間と世界時間』(86)『洞窟の出口』(88)などがある。(*は法政大学出版局で翻訳刊行)

村井 則夫(ムライ ノリオ)

1962年生。上智大学大学院博士後期課程満期修了。明星大学人文学部教授。著書に『ニーチェ──仮象の文献学』(知泉書館)、『ニーチェ──ツァラトゥストラの謎』(中公新書)、『ハイデッガーと思索の将来』(共著、理想社)、『西洋哲学史I』(共著、講談社)など。翻訳に、シュナイダース『理性への希望』、ブルーメンベルク『近代の正統性III』(法政大学出版局)、リーゼンフーバー『近代哲学の根本問題』、『中世哲学における理性と霊性』(知泉書館)、トラバント『フンボルトの言語思想』(平凡社)など。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

生活世界と技術化:現象学の観点より

自然の模倣:創造的人間の理念とその前史

修辞学の現代的意義:人間学的アプローチから

言語状況と内在的詩学

パラダイム:文法的に

エルンスト・カッシーラーを讃えて:クーノー・フィッシャー賞受賞挨拶

訳者解説


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