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中世の戦争と修道院文化の形成

叢書・ウニベルシタス1009
中世の戦争と修道院文化の形成

四六判 406ページ 上製
価格:5,500円 (消費税:500円)
ISBN978-4-588-01009-5 C1322
奥付の初版発行年月:2014年04月 / 発売日:2014年04月中旬

内容紹介

ヨーロッパ十字軍の時代、教会は修道士を「戦う人」とみなすようになった。それは「キリストの戦士」、「精神的な戦士」であり、「世俗の戦士」よりもキリストに近い、より高度の戦士と位置づけられた。古代から中世盛期まで、広範な文献における言葉と表現の変遷を克明に跡づけ、「祈る人と戦う人」という二項対立的発想の問題性を指摘し、遠く現代にまで続くその関係に新たな視点を提供する。

著者プロフィール

キャサリン・アレン・スミス(スミス,K.A.)

(Katherine Allen Smith)
1977 年に生まれる.ニューヨーク大学でヨーロッパ中世史を学んだ.現在,ピュージェット・サウンド大学(アメリカ,ワシントン州)史学科助教授である.中世,近代初期の特に宗教,教会,修道院,女性とジェンダー,十字軍関連の研究,著作活動をし,中世史,教会史で著名なSpeculum, Church History, The Journal of History などに寄稿している.最近のテーマは特に中世盛期の十字軍運動における修道院の内と外の聖職者の関係,及び,修道院での様々な様式が後世に残した死の観念,埋葬方法などである.

井本 晌二(イモト ショウジ)

1943年に生まれる.東京大学文学部独文学科卒業.東京都立大学大学院修士課程(独文学専攻)修了.元・横浜国立大学教育人間科学部教授.訳書に,B. モールバッハ『中世の音楽世界』(法政大学出版局),H. C. シャーパー『西洋音楽史・上下』,O. E. ドイッチュ他編『モーツァルトの生涯』(以上,シンフォニア社),共訳に,キンツィンガー『中世の知識と権力』,W. ハルトゥング『中世の旅芸人』,F. ライヒェルト『世界の体験』,N. オーラー『巡礼の文化史』,N. エリアス『時間について』,N. ビショッフ『エディプスの謎・下』(以上,法政大学出版局),O. ボルスト『中世ヨーロッパ生活誌・上下』(白水社),A. ボルスト『中世の巷にて』(平凡社)などがある.

山下 陽子(ヤマシタ ヨウコ)

1983年,佐賀県唐津市に生まれる.2005-06年,イギリス,シェフィールド大学に留学.2006年,横浜国立大学教育人間科学部国際共生社会課程卒業.現在,株式会社紀伊國屋書店勤務.

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

 謝辞
 略語一覧

序章

第一章 聖書と典礼文に見る戦争との遭遇

第二章 修道士と戦士──その境界をめぐって

第三章 精神的な戦争── 1200年頃までのあるコンセプトの歴史

第四章 修道院のテキストに見る軍事的イメージ

第五章 精神的模範としての戦士

結論

 付録 鎧を着た人── 1050~1250年頃
 訳者あとがき
 参考文献
 索引

関連書

J.ル・ゴフ編/鎌田博夫訳『中世の人間』
J.リシャール著/宮松浩憲訳『十字軍の精神』


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