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亡命・神学・政治ティリッヒとフランクフルト学派

叢書・ウニベルシタス1005
ティリッヒとフランクフルト学派 亡命・神学・政治

四六判 334ページ 上製
価格:3,850円 (消費税:350円)
ISBN978-4-588-01005-7 C1310
奥付の初版発行年月:2014年02月 / 発売日:2014年01月下旬

内容紹介

フランクフルト学派の成立には、神学者パウル・ティリッヒが多大な寄与を果たしていた。社会研究所の創設からアメリカ亡命後まで、ティリッヒと深い交流を続けた亡命知識人たち──アドルノやホルクハイマー、ブロッホ、フロム、マルクーゼなど──の大戦期・冷戦期の人間群像と、その思想的連帯や政治的対立を、貴重な新資料から浮き彫りにする。アドルノらの未邦訳テクストや書簡も収録。

著者プロフィール

深井 智朗(フカイ トモアキ)

1964年生まれ。アウクスブルク大学哲学・社会学部博士課程修了。Dr. Phil.(アウクスブルク大学)、博士(文学)(京都大学)。現在、金城学院大学人間科学部教授。著書『超越と認識』(創文社)、『十九世紀のドイツ・プロテスタンティズム』(教文館)、『ヴァイマールの聖なる政治的精神』(岩波書店)、『思想としての編集者』『神学の起源──社会における機能』(新教出版社)、Paul Tillich: Journey to Japan in 1960(Tillich Research 4、 de Gruyter: Berlin 2013)ほか、訳書にシュライアマハー『宗教について』(春秋社)、『アーレントとティリッヒ』(法政大学出版局)ほか多数。

上記内容は本書刊行時のものです。

[編者/訳者 紹介]

■編者
F. W.グラーフ(グラーフ,F. W.)
(Friedrich Wilhelm Graf)
1948年生。ヴッパータール、チュービンゲン、ミュンヒェンで神学・哲学・歴史学を学ぶ。アウクスブルク大学哲学・社会学部教授、ハンブルク防衛大学教授を経て、ミュンヒェン大学プロテスタント神学部倫理学教授。1999年にライプニッツ賞受賞。著書Die Wiederkehr der Götter. Religion in der moder-nen Kultur(2004)ほか多数。デ・グロイター版の新しいエルンスト・トレルチ全集の編集責任者。

A.クリストファーセン(クリストファーセン,A.)
(Alf Christophersen)
1968年生。ミュンヒェンで歴史学・聖書学・神学を学ぶ。2000年以降ミュンヒェン大学でグラーフの助手。2011年からヴィッテンベルクのプロテスタント・アカデミー学芸員。2008年にバイエルン・アカデミーのマックス・ヴェーバー賞受賞。著書Kairos. Protestantische Zeitdeutungskämpfe in der Wei-marer Republik(2007)ほか。

E.シュトルム(シュトルム,E.)
(Erdmann Sturm)
1937年生。ミュンンスター、ボン、ハイデルベルクで哲学・教育学・神学を学ぶ。1984年から2002年までミュンスター大学の神学と宗教教育の教授。ドイツ・パウル・ティリッヒ協会理事。著書Jan Amos Comenius: Pädagogik und Theologie(1979)ほか。デ・グロイター版のパウル・ティリッヒ遺稿集の編集責任者のひとり。

竹渕香織(タケブチ カオリ)
聖学院大学人間福祉学部こども心理学科助教、聖学院大学学生相談室室長補佐・カウンセラー。自由学園最高学部非常勤講師。臨床心理士、臨床発達心理士。著書『発達障害のある学生支援ケースハンドブック』(共著、ジアーズ出版)ほか。

■訳者
佐藤貴史(サトウ タカシ)
1976年生。聖学院大学大学院アメリカ・ヨーロッパ文化学研究科博士課程後期課程修了。博士(学術)。北海学園大学人文学部英米文化学科准教授。著書『フランツ・ローゼンツヴァイク』(知泉書館)、訳書にパトナム『導きとしてのユダヤ哲学』(法政大学出版局)ほか。

兼松 誠(カネマツ マコト)
1976年生。2010年聖学院大学大学院アメリカ・ヨーロッパ文化学研究科博士課程後期課程入学、2013年退学。

小柳敦史(コヤナギ アツシ)
1981年生。京都大学大学院文学研究科博士課程後期課程指導認定退学。沼津工業高等専門学校教養科助教。論文「エルンスト・トレルチと保守革命」(『哲学研究』京都哲学会、第594号、2012年)ほか。

宮崎直美(ミヤザキ ナオミ)
慶應義塾大学法学部卒業、一橋大学大学院社会学研究科博士課程前期課程修了。一橋大学大学院社会学研究科博士課程後期博士課程在学。ヴィーン大学プロテスタント神学部に留学中。

目次

序章 パウル・ティリッヒとフランクフルト学派という主題をめぐって(深井智朗)
 1 フランクフルトの「ティリッヒ・クライス」
 2 フランクフルト大学と社会研究所
 3 パウル・ティリッヒの生涯とフランクフルト学派
 4 本書の構成について

付録 パウル・ティリッヒの思い出
   (ホルクハイマー+アドルノ+ハイマン+ブロッホ)

第1章 マックス・ホルクハイマーとティリッヒ(エルトマン・シュトルム編)
 1 対話のなかのパウル・ティリッヒとマックス・ホルクハイマー
    ──これまで未公刊だった三つのテクスト(一九四二/四五)
    編者の序論
    資料編
     ⑴ 「理性と自己保存」への覚書
     ⑵ マックス・ホルクハイマーからパウル・ティリッヒへの書簡
     ⑶ 理論と実践に関する議論(一九四五年一月二八日)
 2 神学の最後の足跡──パウル・ティリッヒの遺産

第2章 テオドール・ヴィーゼングルント・アドルノとパウル・ティリッヒ(エルトマン・シュトルム編)
 1 解題──ティリッヒの助手にして、友人としてのアドルノ
 2 資料翻訳1 アドルノ博士の論文「キルケゴール──美的なものの構築」についての所見
   資料翻訳2 テオドール・W・アドルノによるパウル・ティリッヒ批判
 3 「宗教社会主義における人間と社会」(一九四三年)
 4 「草稿──パウル・ティリッヒの論文「宗教社会主義における人間と社会」について」

第3章 エーリヒ・フロムとパウル・ティリッヒ(竹渕香織+深井智朗編)
 解説──エーリヒ・フロムとパウル・ティリッヒ
 1 フランクフルト時代以前のフロムとティリッヒ
 2 フランクフルト時代のフロムとティリッヒ
 3 アメリカ時代のティリッヒとフロム
 4 ティリッヒにおけるフロム
 5 フロムにおけるティリッヒ
 6 書簡について
 エーリヒ・フロム=パウル・ティリッヒ往復書簡及び関連書簡の翻訳

第4章 ヘルベルト・マルクーゼとパウル・ティリッヒ
    (アルフ・クリストファーセン+フリードリヒ・ヴィルヘルム・グラーフ編)
 1 亡命後のティリッヒとマルクーゼ
 2 ティリッヒとマルクーゼの往復書簡

監修者あとがき

人名索引


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