たのしくできる
Raspberry Piとブレッドボードで電子工作
価格:2,420円 (消費税:220円)
ISBN978-4-501-33190-0 C3055
奥付の初版発行年月:2016年11月 / 発売日:2016年11月下旬
安価で誰でも入手することができるRaspberryPiと、ハンダを使用せずに回路を作成することができるブレッドボードを組み合わせていろいろな電子工作を作ろう!デジタル時計やGPS時計、音声時計をはじめ、各種気象観測器、LEDを使った電飾や表示盤の製作方法を掲載。
今から40年ほど前,初めて手に入れたワンボードマイコンは,メモリーがわずか256バイトで,16進のキーボードと7セグメント表示器が付いたものでした。それまでの電子工作は,トランジスターやICをハンダ付けして作るものでしたが,このマイコンでは,ソフトウェアロジックにより,いろいろなことができることに感動しました。
当時の価格で10万円ほどしましたので,かなりの出費と記憶しております。メモリーが少ないことから,ビット単位の操作でいろいろな工夫が必要でした。1Kバイトのメモリーが1万円を要し,8Kバイトまで増幅し,さらにプリンターやディスプレイコントローラーも自作の時代でした。その後,仕事の関係で汎用機やスーパーコンピューターの導入などに携わりましたが,ワンボードマイコンで得た知識が結構役に立ちました。
パソコンの出現で,コンピューターは私たちの生活に身近なものとなり,インターネットの普及で,なくてはならないものとなりました。しかし,パソコンのプログラム作成や電子工作はハードルが高く,パソコンは既存のソフトウェアや周辺機器を利用して使うコンピューターとなっています。
一方,ArduinoやBeegle Boardなどの小型のコンピューターが出現し,電子工作と組み合わせできることで注目されていました。そして,Raspberry Piの出現は,まさに目からうろこといった感じで,数世代前のパソコンに匹敵する機能や性能を有し,電子工作と組み合わせると,その使い方は無限といっても過言でないでしょう。これだけの性能を有したものが5千円程度で手に入ることは40数年前のワンボードマイコンを経験した筆者にとっては隔世の感があります。
Raspberry Piはバージョンが上がると,ともに機能や性能が飛躍的に向上し,次はどのようになるのかと創造するのも楽しみの一つでしょう。本書はRaspberry Pi 2を使用していろいろな電子工作にチャレンジするものです。そのRaspberry PiにはメジャーなOSとしてLinuxのDebianを核としたRasbianというOSをインストールして使用しました。
世のサーバー機器のほとんどがLinuxのOSで安定に動作するようになり,そのオープンソースを誰でもフリーで使用できる環境などが多く整っています。このような環境を踏襲しているRaspberry Piは今後さらに発展することでしょう。
プログラムはこれが正解というものはなく,作成者の個性が多分に出るものですが,本書では,初心者でも理解できるようにわかりやすく作成しました。本書を参考にしてさらなるオリジナリティのある電子工作をお楽しみいただければ幸いです。
2016年10月
加藤芳夫
目次
<基礎編>
Raspberry Piの基礎
1 Raspberry Piって何だ
2 Raspberry Piでできること
3 Raspberry Piの種類
4 Raspberry Piの仕様
5 開発環境の構築
5-1 必要な機材
5-2 OSのインストール
5-3 開発言語
6 C言語の基礎
6-1 C言語の構成
6-2 定義
6-3 include文
6-4 コメント文
6-5 演算子
6-6 変数
7 C言語によるプログラミング
7-1 代入
7-2 演算
7-3 条件判定
7-4 繰り返し
8 wiringPiについて
8-1 wiringPiのインストール方法
8-2 wiringPiの使用方法
8-3 ソースファイルの作成
8-4 コンパイルと実行
8-5 wiringPiによる基本的な操作
ブレッドボード製作の準備
1 必要な部品など
2 コンパイルと起動
<製作編>
1-1 簡単なデジタル時計
1-2 リアルタイムロックICを使用したデジタル時計
1-3 GPS時計
1-4 しゃべる時計
2-1 温度・湿度計
2-2 気圧計
3-1 ビンゴゲーム番号発生機
3-2 クリスマスツリー
3-3 「ありがとうございます」表示機
コラム
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