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はじめての半導体後工程プロセス

はじめての半導体後工程プロセス

A5判 262ページ 並製
価格:2,860円 (消費税:260円)
ISBN978-4-501-32810-8 C3055
奥付の初版発行年月:2011年04月 / 発売日:2011年04月中旬

内容紹介

半導体の製造工程は大きく前工程と後工程の2つに分けることができ,そのあと顧客の自社製品に組み込まる。後工程は組立とテストを行う工程であり,前工程と,顧客での工程との橋渡しをする重要なプロセスである。本書は後工程プロセスについてわかりやすく解説し,全工程を視野に入れた俯瞰的な見方でまとめてあるため,実際に役立つ知識を学ぶことができる。

前書きなど

 はじめに
 本書は,一般的なモールドタイプのパッケージを例に,半導体後工程の組立・テスト,そしてパッケージの基礎的な内容を解説する。半導体後工程を知りたい学生,新入社員,半導体に係わる異分野・隣接分野の技術者やセールスエンジニアが対象である。半導体後工程の技術者でも,工程全体を知りたいときにも参考になると思う。本書は,次の3編から構成されている。
<第一編 半導体産業>
 後工程からみた半導体産業について概説する。前工程まで含めたのは,半導体生産の一部である後工程だけを見ていると,技術動向や事業の方向性を見失うことがあるからだ。ぜひ半導体産業全体から考えてみてほしい。前工程は,技術優先でプロセス技術を理解すれば用が足りる。しかし後工程は,顧客の要望に応じて商品として付加価値をつける工程であり,前工程のように技術の優位性だけでは済まない背景がある。後工程の価値は,最終的には顧客の実装で明らかになる。前工程に比較して技術は簡単だが,なぜそうなのかがわかりづらいところがある。本書では,後工程を少なくともQCD(品質,コスト,納期)の指標を基に見ることができるように解説している。
<第Ⅱ編 組立・テストプロセス>
 「All About Assembly・Test」として,工程理解に必要な知識と課題とを概説する。工程間の課題も取り上げている。解説には,なぜそうするのかなど目的や理由をできるだけ記載した。読者は,これまでの知見から違った目的・理由を聞いているかもしれない。そうであれば,なぜ違うのかを考えるきっかけを与え,より深い理解を得ることができると期待している。理由がわかれば,同じ理由をもつ他の例も理解できるし,たとえば,半導体関連材料を仕事とする技術者なら,プロセスに要求される機能や能力を知れば,自分の仕事に取り込むことができるだろう。
<第Ⅲ編 半導体産業のインフラと操業>
 後工程プロセスを実際に運営するために,どのようなことが必要なのかとの視点で概説する。いわばノウハウとして工場全体のインフラや運営がわかるようにしたつもりである。特に信頼性や品質管理,さらに工程の改善改良やトラブルシュートの方法などの原理原則を実務的に解説した。
 本書が,読者の仕事に幾ばくかの貢献をするのであれば幸甚である。
 2009年1月
 萩本 英二

 追 記
 本書は2009年の初版発行以来,(株)工業調査会から刊行され,幸いにも長きにわたって多くの読者から愛用されてきました。このたび東京電機大学出版局から新たに刊行されることとなりました。本書が今後とも,読者の役に立つことを願っています。
 2011年4月
 萩本 英二


当書籍は(株)工業調査会からの継続販売書籍です。

目次

第一編 半導体産業
 第1章 半導体産業はどのように成長してきたか
  1.1 半導体産業成長の軌跡
  1.2 半導体産業の黎明期
  1.3 半導体産業の成長期
  1.4 半導体産業の現状
 第2章 半導体ビジネスの収益モデル
  2.1 技術面での収益モデル
  2.2 技術経営面の収益モデル
  2.3 事業経営面での収益モデル
 第3章 前工程と後工程の概要
  3.1 工程全体の概要
  3.2 半導体前工程
  3.3 半導体後工程
 第4章 半導体産業の明日
  4.1 技術的課題の克服
  4.2 半導体産業の将来像
  4.3 後工程の将来像
第Ⅱ編 組立・テストプロセス
 第5章 中間プロセス
  5.1 中間工程の台頭
  5.2 バックグラインド工程
  5.3 ダイシング工程
 第6章 組立部材
  6.1 組立部材の概要
  6.2 リードフレーム
 第7章 組立プロセスの前工程
  7.1 組立プロセスの概要
  7.2 マウント工程
  7.3 ボンディング工程
  7.4 封入工程
 第8章 組立プロセスの後工程
  8.1 組立プロセス後工程の概要
  8.2 タイバーカット工程
  8.3 バリ取り工程
  8.4 めっき工程
  8.5 捺印工程
  8.6 リード加工工程
  8.7 出荷工程
 第9章 テストプロセス
  9.1 テスト工程の概要
  9.2 テストの機能
  9.3 テスト設備
  9.4 最終テスト作業
  9.5 テスト工程の課題と対応
 第10章 パッケージ
  10.1 パッケージの意義
  10.2 パッケージの分類
  10.3 パッケージの機能
第Ⅲ編 半導体製造のインフラと操業
 第11章 インフラの全体構成
  11.1 設備インフラの概要
  11.2 作業環境
  11.3 ハードインフラ
  11.4 ソフトインフラ
  11.5 後工程のインフラ
  11.6 立地と建屋
 第12章 操業
  12.1 操業の意義
  12.2 生産管理
  12.3 支援組織
  12.4 安全・衛星ほか
 第13章 信頼性と品質管理
  13.1 信頼性と品質管理の関係
  13.2 信頼性の確保
  13.3 信頼性試験
  13.4 品質管理
 第14章 仕様書による管理
  14.1 仕様書による管理インフラ
  14.2 改善活動の進め方
  14.3 トラブルシュートの進め方
  14.4 標準化(規範化)
さくいん


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