比較文学比較文化ハンドブック
価格:3,190円 (消費税:290円)
ISBN978-4-13-082047-9 C3090
奥付の初版発行年月:2024年09月 / 発売日:2024年09月上旬
19世紀フランスで生まれた学問「比較文学」は、130年を経て文化・芸術をも対象として発展してきた。その基本概念から最新の研究ジャンルまで幅広いテーマを解説した、比較研究の過去・現在・未来を「読む事典」であり、さまざまな書物への導きとなる一冊。
今橋 映子(イマハシ エイコ)
東京大学大学院総合文化研究科教授
1961年生まれ。著書は『異都憧憬 日本人のパリ』(柏書房、1993年)、『〈パリ写真〉の世紀』(白水社、2003年)、『展覧会カタログの愉しみ』(編著、東京大学出版会、2003年)。
井上 健(イノウエ ケン)
東京大学・名誉教授/日本大学国際関係学部・研究員
1948年生まれ。著書は『作家の訳した世界の文学』(丸善、1992年)、『翻訳の方法』(共編、東京大学出版会、1997年)。
佐藤 光(サトウ ヒカリ)
東京大学大学院総合文化研究科教授
著書に『柳宗悦とウィリアム・ブレイク』(2015年、東京大学出版会、和辻哲郎文化賞)。
波潟 剛(ナミガタ ツヨシ)
九州大学大学院比較社会文化研究院教授
著書に『越境のアヴァンギャルド』(NTT出版、2005年)。
佐々木 悠介(ササキ ユウスケ)
東京大学大学院総合文化研究科准教授
著書に『カルティエ=ブレッソン』(水声社、2016年)。
松枝 佳奈(マツエダ カナ)
九州大学大学院比較社会文化研究院・講師
李 範根(イ ボムグン)
学習院女子大学他・非常勤講師
上記内容は本書刊行時のものです。
目次
本書の使い方
総 説
第Ⅰ部 比較研究の理論、重要概念
[歴史・概念]
比較/比較文学/世界文学/「文学理論」と比較文学/フランス派とアメリカ派/間テクスト性/近代・近代性(modernity)/比較史/ナショナリズムと国民文学/比較「文学史」/越境文学/普遍
[方法]
エクスプリカシオン・ド・テクスト (explication de texte)/影響・受容研究/対比研究/たとえ/物語論(ナラトロジー)/蔵書研究/比較文学と定期刊行物(新聞・雑誌)/カノン形成、脱カノン/創作と言語越境/再話研究
[翻訳]
翻訳/翻訳文学/翻案・改作/訳語/文化の翻訳/通訳/重訳/翻訳者の使命/映像翻訳/機械翻訳/自己翻訳
[ジャンル別比較文学]
比較詩学/比較演劇/小説の勃興/能と謡曲/近代詩/詩のモダニズム/幻想文学/探偵小説(ミステリ)/児童文学/ネイチャーライティング(自然文学)/文学と政治/神話・伝説・伝承・民話・説話/動物文学/自伝・自伝文学/文学賞・ノーベル文学賞
[比較芸術]
比較芸術/クロスジャンル/アダプテーション論/ジャポニスム/文学と絵画/文学と写真/文学と映画/挿絵・イラストレーション/文学と音楽/美術と建築/スポーツとアート/国際的な合作や共同制作/漫画・アニメ/舞踊の越境/楽器の越境
[比較文化]
比較文化/異文化理解/ポストコロニアル/ジェンダーとフェミニズム、クィア批評/階級/言語相対論と文化相対主義/文化交流と文化交渉/文明の衝突とグローバリゼーション/戦争と占領/留学(体験)/亡命、ディアスポラ/中東・西アジア/他者論、異人論/比較日本文化論/日本人論/外地(体験)/エスペラント
[東アジアにおける比較文学比較文化]
韓国/中国/台湾/東アジアのモダニズム/漢文学と日本(前近代)/植民地(満洲)の日本語文芸/在日文学/東アジア藝術における西欧
第Ⅱ部 比較研究の読書案内——比較文学・比較芸術・比較文化を深く知るために
比較文学への道/初めて学ぶ人の本棚/文庫・新書の本棚/もっと読みたい人の本棚/より深く研究したい人の本棚
第Ⅲ部 専門研究への道しるべ
1 比較研究者になるために
2 比較文学関連学会(国内)
3 国際比較文学会(ICLA)
4 フランスの学校教育とexplication de texte
5 世界と日本の比較文学雑誌
6 各国の比較文学研究史
―1フランス
―2アメリカ
―3カナダ
―4ロシア
―5韓国
―6中国
7 比較文学比較文化の教育現場と将来
8 オーラルヒストリー:比較文学者に聞く
事項別参考文献
人名索引
著者一覧