シカの顔、わかります 個性の生態学
価格:3,960円 (消費税:360円)
ISBN978-4-13-063954-5 C1045
奥付の初版発行年月:2022年02月 / 発売日:2022年02月下旬
あなたはだれですか?――そんな問いかけから始まる生物学がある。人間と同じようにシカにも1頭1頭に個性がある。その個性に徹底的にこだわって、誕生、成長、そして最期のときまで、その一生を追う。30年以上にわたる行動観察にもとづく貴重なシカの記録。
南 正人(ミナミ マサト)
麻布大学獣医学部動物応用科学科教授
上記内容は本書刊行時のものです。
目次
はじめに
第1章 そんなに違う? シカの顔――個性に迫る
1 金華山という島
2 シカに名前をつける
3 行動を観察する
4 身体を測定する
5 長期調査をする
第2章 雌のためならなんでもします?――雄の闘い
1 哺乳類の雄
2 なわばり雄
3 雌の立場
4 弱い雄の作戦
5 鳴き声による闘い
6 闘いのコスト
7 発情を終えて
8 子どもを残せる条件
第3章 お母さんと一緒がよいけれど――誕生と成長
1 出産
2 幼獣の生活
3 子育てと成長
第4章 婆ちゃん、母ちゃん、姉ちゃん、女系家族のいろいろ――家族関係
1 大家族と小家族
2 家族の絆と対立
3 雄の社会
4 鳴き声によるコミュニケーション
第5章 子どもを残すのはたいへん――雌の生涯・雄の生涯
1 最期のとき
2 雌の生き方
3 雌の生涯
4 雄の生き方
5 雄の生涯
6 子どもの性別
第6章 人との長いおつきあい――シカと人間の関係
1 人に馴れたシカ
2 歴史のなかで
3 野生とは
第7章 ひとりでは生きられない――個体から個体群、そして環境との関係
1 繁栄する家系・滅びる家系
2 シカと植物
3 環境とシカの生活
第8章 シカに教えてもらったこと――野生動物の研究とはなにか
1 野生下の研究
2 個体ベースの研究
3 直接観察
4 チーム研究と共同
5 長期研究
6 仮説検証型と記載型
7 個体ベースから見た個体群管理
8 動物の命
9 個体ベースの研究と生命観
おわりに