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 多民族国家マレーシアの経験パワーシェアリング

パワーシェアリング 多民族国家マレーシアの経験

A5判 312ページ
価格:6,500円+税
ISBN978-4-13-036256-6 C3031
奥付の初版発行年月:2015年12月

内容紹介

エスニシティにもとづく亀裂を抱える社会において,多数派民族の専制をどうすれば回避できるのか? ウクライナやイラクなど,分裂の危険性を孕む国が増加する現在,この問題を解く鍵として注目される「パワーシェアリング」に焦点を当て,安定の条件を理論的に探り,マレーシアを事例に分析.
★藤原帰一氏(東京大学教授)推薦
「マレーシアは,多数派民族と少数民族が内戦に陥ることなく議会政治の枠を保ってきた国である.それはなぜか.パワーシェアリング概念を中核に据えてマレーシア政治を分析する本書は,論理的かつ実証的にこの疑問に挑んでいる。東南アジア研究はもちろんのこと、比較政治学,さらにひろく民族紛争に関心のある者は必ず読むべき画期的業績である.」


目次

略語一覧
マレーシア地図
序 章 マレーシアはエスニック紛争管理のモデルになりうるか?
第1章 パワーシェアリングをめぐる議論——問題の所在
 はじめに
 第1節 どうすれば多数派民族の専制を回避できるか
 第2節 多数派民族の専制が生じやすい社会的条件
 小括
第2章 多数派民族政党が穏健政策を選択する条件——モデルと仮説
 はじめに
 第1節 「票の共有」再考
 第2節 多数派民族政党内の政策選択
 第3節 仮説検証の手順
第3章 パワーシェアリングの起源——マラヤにおける連立政権形成史
 はじめに
 第1節 民族政党の形成
 第2節 多民族連立政権の誕生
 小括
第4章 マレーシアにおける票の共有——効果の検証
 はじめに
 第1節 票の共有の前提条件は揃っているか
 第2節 民族混合区における与党の構造的優位
 第3節 票の共有効果の推定
 第4節 与党指導者の認識
 小括
第5章 パワーシェアリングの制度——構造要因の効果
 はじめに
 第1節 UMNO幹部にとっての選挙協力のメリットとデメリット
 第2節 票の共有なき選挙の不在
 第3節 UMNO幹部ポストの価値
 小括
第6章 パワーシェアリング下の暴動——制度の限界
 はじめに
 第1節 1969年選挙:民族問題の争点化とその帰結
 第2節 5.13事件とラーマンの退任
 第3節 独立協約の凍結と新経済政策の導入
 小括
第7章 パワーシェアリング下の党内抗争——変動要因の効果
 はじめに
 第1節 1980年代半ばの布教とUMNOの分裂
 第2節 1990年代後半の不況とアンワル副首相解任
 第3節 2008年総選挙での歴史的「敗北」とアブドラの退任
 小括
第8章 パワーシェアリングの終焉?——メディア統制の緩和による票の共有の消失
 はじめに
 第1節 票の共有が消失するメカニズム
 第2節 インターネットが促したイデオロギー空間の多次元化
 第3節 パワーシェアリングを支えた仕組みの崩壊
 小括
 [図8-1Bに関する補足]
終 章 マレーシアの教訓
 第1節 要約と結論
 第2節 マレーシアの教訓

付録 データの詳細と出典
参照資料・文献一覧
あとがき
索引


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