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政策史1・1980年代まで日本型開発協力の形成

日本の開発協力史を問いなおす
日本型開発協力の形成 政策史1・1980年代まで

A5判 260ページ
価格:3,740円 (消費税:340円)
ISBN978-4-13-034220-9 C3330
奥付の初版発行年月:2020年12月 / 発売日:2020年12月上旬

内容紹介

敗戦,賠償,その間に急変する国際情勢…….日本のアジアに対する国際協力は戦後かなり早くから着手され,しばらく唯一の積極的な国際秩序参画の方法であった.初めての本格的な政策史の通史である本巻では,その黎明から1980年代の拡大期までを,いくつかの謎から読み解いてゆく.

著者プロフィール

下村 恭民(シモムラ ヤスタミ)

法政大学名誉教授

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

はじめに 焼け跡の日本で,なぜ「経済協力」だったのか

序 章 開発協力政策の歴史を考える視座
  第1節 本書のミッションと分析枠組
  第2節 外交・対外政策決定過程の理論・モデル
  第3節 何がどのように動因として働くのか
  第4節 本書の分析枠組


第1部 被援助国から援助国へ

第1章 廃墟からの復活と開発協力の黎明
     ――賠償協定調印とコロンボ・プラン加盟まで 1945-1954年
  第1節 焼け跡の日本でなぜ「経済協力」が重点政策テーマだったのか
  第2節 なぜ民間主導だったのか
  第3節 財源追求努力から「経済協力と戦後賠償の一体化」へ
  第4節 「経済協力と戦後賠償の一体化」の過程
  第5節 コロンボ・プラン加盟の意義と政策的背景

第2章 援助国への道――高度成長の開始からOECD加盟まで 1955-1964年
  第1節 時代の背景
  第2節 岸外交と「アジア経済開発基金」構想
  第3節 「国民所得倍増計画」と開発協力の積極化
  第4節 量的拡大の開始
  第5節 戦後賠償が担った役割
  第6節 四省庁体制の登場と変容
  第7節 まとめ


第2部 援助大国への道

第3章 国際環境の変容と国際協力の急速な拡大――1965-1979年
  第1節 時代の背景(1)
  第2節 時代の背景(2)
  第3節 青年海外協力隊
  第4節 日本型「南南協力」の登場とその意味
  第5節 対韓国円借款の開始
  第6節 「黒い霧」第1号の洗礼
  第7節 ODAの急拡大と「脱ひも付き」の潮流
  第8節 まとめ 「顧客志向型」開発協力の誕生

第4章 東南アジアの「反日」と開発協力政策の変容
     ――「反日暴動」「福田ドクトリン」から「ASEAN対日市場開放包括要求」まで
  第1節 東南アジアの「反日」をめぐる2つの「謎」
  第2節 「反日」の構造と衝撃
  第3節 「福田ドクトリン」の意義と限界
  第4節 「市場開放包括要求」に応えた「日本型開発協力モデル」の誕生
  第5節 対日批判の急速な後退
  第6節 まとめ

第5章 日米経済摩擦の衝撃と開発協力政策の変容
  第1節 1980年代の米国のマクロ不均衡
  第2節 米国は何を求め日本はどのように対応したのか
  第3節 日本の摩擦緩和行動は開発協力政策をどのように変容させたのか
  第4節 外圧下の政策決定過程を考察する
  第5節 まとめ 政策選択の長期的バランスシート


第3部 「21世紀的なドナー」を求めて

第6章 「もう一つのアプローチ」の形成
  第1節 本章の狙い
  第2節 「武器輸出なきトップドナー」
  第3節 「自助努力重視」をめぐる謎
  第4節 「三位一体型」モデルによる経済自立の追求
  第5節 「顧客志向型」開発協力の誕生
  第6節 「控えめなドナー」を生んだ「深い反省」
  第7節 まとめ

終 章 単眼から複眼へ――なぜ「もう一つのアプローチ」なのか


Policy History I:
Evolution of the Japanese Model of Development Cooperation, 1945-89
[Reconsidering the History of Japan's Development Cooperation, Vol.1]
Yasutami SHIMOMURA


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