近代国民国家の憲法構造 増補新装版
価格:3,960円 (消費税:360円)
ISBN978-4-13-031211-0 C3032
奥付の初版発行年月:2024年09月 / 発売日:2024年09月下旬
“主権”と“人権”の根源を問い、両者の間の密接な相互連関と緊張を繙いた本書刊行から30年の時をかけて――2022年にフランスで刊行された論文集の序文一部を日本語に書き下ろしたものを新たに加え、現在の著者の想いをあとがきにしるし、近代立憲主義を再定位する増補新装版としてお贈りする。
樋口 陽一(ヒグチ ヨウイチ)
東北大学名誉教授・東京大学名誉教授
1934年生まれ。1957年東北大学法学部卒業、1964年同大学院法学研究科博士課程修了。法学博士(東北大学)、名誉博士(パリ第2大学)。2011年レジオンドヌール勲章。1964年東北大学法学部講師、1965年同助教授、1971年同教授、1980年東京大学法学部教授、1995年上智大学法学部教授、2000年早稲田大学法学部特任教授。主著は『憲法〔第4版〕』(勁草書房、2021年)、『抑止力としての憲法』(岩波書店、2017年)、『個人と国家』(集英社、2000年)、『権力・個人・憲法学』(学陽書房、1989年)、『自由と国家』(岩波書店、1989年)、ほか多数。
目次
はじめに
第Ⅰ章 西欧立憲主義の再定位
第1節 フランスの知的伝統とその変化
第2節 人権価値の復権とそれへの懐疑
第Ⅱ章 二つの国家像の対抗
第1節 近代憲法史にとってのフランス革命
第2節 問題点の検討
第Ⅲ章 二つの自由観の対抗
第1節 《Républicain》と《Démocrate》の間
第2節 国家からの自由と国家干渉を通しての自由
第Ⅳ章 「公共」の可能性とアポリア
第1節 〈citoyen〉の可能性
第2節 日本国憲法下の〈公〉と〈私〉
補論 《Valeurs et technologie du droit constitutionnel》(2022)の序文要約
あとがき