日本人の法観念 増補新装版 西洋的法観念との比較
価格:3,960円 (消費税:360円)
ISBN978-4-13-031210-3 C1032
奥付の初版発行年月:2024年09月 / 発売日:2024年09月上旬
日本人は裁判嫌い? 日本人は権利意識が低い? 従来の考え方に疑問を呈し、歴史的観点から社会や制度に目を向けることで、日本人が元々有していた権利意識の高さと、それが萎縮していく過程をつぶさに――機能論的に――繙く。復刊にあたり、本書の理解をさらに深める2つの論攷を新たに収録。
大木 雅夫(オオキ マサオ)
上智大学名誉教授、聖学院大学名誉教授
1931年生まれ。2018年逝去。1953年東京大学法学部卒、1955年同大大学院社会科学研究科修士課程修了、1958年同研究科博士課程修了。法学博士。1958年東京大学法学部助手、1959年立教大学法学部助教授、1966年同学部教授、1970年上智大学法学部教授、1999年聖学院大学政治経済学部教授。著書は『異文化の法律家』(有信堂高文社、1992年)、『資本主義法と社会主義法』(有斐閣、1992年)、『比較法講義』(東京大学出版会、1992年)、『比較法概論 原論 上・下』(翻訳、東京大学出版会、1974年)、『ヨーロッパの政治と経済』(翻訳、ダイヤモンド社、1963年)ほか。
目次
第1章 法観念比較の予備的考察
1.法圏分類基準としての法観念/2.西洋と極東における法観念の相違
第2章 西洋と極東の意味
1.文化共同体としての「西洋」/2.極東の意味
第3章 西洋法における「法の支配」と「権利のための闘争」
1.「西洋法」の概念/2.神聖なる法/3.イギリスにおける王権と法/4.フランスにおける「法の優越」/5.ドイツの「法治国」思想/6.「法の支配」の展開と権利のための闘争
第4章 極東における徳治と法治
1.「極東法」および天と皇帝/2.中国の法伝統/3.日本人における法意識の形成
第5章 日本的法観念再検討のために
1.総括的考察/2.補遺的考察
補論1 日本法の普遍性と特殊性
補論2 極東の法観念に関する誤解