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ASEANの政治

ASEANの政治

A5判 224ページ
価格:4,290円 (消費税:390円)
ISBN978-4-13-030192-3 C3031
奥付の初版発行年月:2024年07月 / 発売日:2024年07月下旬

内容紹介

設立から半世紀余り、東南アジア全域を覆うようになったASEANは、いかにして対立を乗り越えて協力を成し遂げ、域外国・地域と向き合ってきたのか。EUの超国家主義に対比される政府間主義の観点からASEANという地域機構の政治力学の全体像を描き出す。

著者プロフィール

鈴木 早苗(スズキ サナエ)

東京大学大学院総合文化研究科准教授(国際関係論・ASEAN研究)
1975年生まれ。1999年東京大学教養学部卒、2009年同大大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。2001年より日本貿易振興機構アジア経済研究所研究員を経て2020年より現職。著書は『合意形成モデルとしてのASEAN――国際政治における議長国制度』(出版会、2014年)、『ASEAN共同体――政治安全保障・経済・社会文化』(編、アジア経済研究所、2016年)ほか。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

序章 ASEANをどうとらえるか
1.地域機構としてのASEAN/2.比較のなかのASEAN/3.政府間主義と対立・協調の政治/4.本書の構成

第1章 脱植民地化・冷戦とASEAN
1.地域主義の波と植民地遺産/2.東南アジアの成立と米国主導の地域機構/3.ASEANの誕生:自前の地域機構形成へ/4.冷戦と国家建設の重要性/5.ASEANの発展:国際社会による認知へ

第2章 ASEANの政策決定
1.政府間組織としてのASEAN/2.外相主導の協力の限界/3.コンセンサス制とその例外:ASEANマイナスX方式の意義/4.常設機関の役割/5.域外国・地域との関係の制度化

第3章 政治安全保障
1.紛争解決手続き・規範/2.内政不干渉原則の相対化:ミャンマーへの関与を通して/3.ASEAN政府間人権委員会の役割と限界/4.域外国・地域との政治安全保障協力/5.国防大臣会議の役割/6.政治安全保障共同体と東南アジアの平和

第4章 経済統合
1.経済協力の挫折/2.ASEAN自由貿易地域とアジア通貨危機/3.貿易円滑化とサービス貿易自由化/4.連結性の強化/5.域外国・地域との経済協力/6.新しい経済統合モデル?:ASEAN経済共同体の目指すもの

第5章 非伝統的安全保障
1.国内問題の越境性/2.環境問題:越境煙害(ヘイズ)/3.移民労働者問題:送り出し国と受け入れ国の対立/4.ASEAN防災人道支援調整センターの活動/5.新型コロナウイルス対策/6.非伝統的安全保障と社会文化共同体

第6章 域外国・地域との関係
1.域外国・地域との付き合い方/2.中国の台頭と南シナ海問題/3.アメリカとインド太平洋協力/4.EUとの関係/5.日中協力と日ASEAN関係の独自性/6.国際問題への関わり

終章 ASEANはどこに向かうのか
1.政府間主義モデルの可能性/2.ASEAN共同体と協力の深化


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