人間の安全保障 東大駒場15講
価格:3,520円 (消費税:320円)
ISBN978-4-13-003354-1 C1031
奥付の初版発行年月:2024年10月 / 発売日:2024年10月上旬
21世紀の国際社会が掲げる共通の理念・政策課題として進化を続ける「人間の安全保障」の最前線を、人文と社会それぞれの知見にもとづき横断的・統合的に提示する。既存の枠組では解決できない新たな課題に正面から向き合った、東大駒場の大学院プログラム「人間の安全保障」創設20周年記念出版。
阪本 拓人(サカモト タクト)
東京大学大学院総合文化研究科教授(国際関係論)
1998年東京大学教養学部卒、同大学助教・特任講師・准教授などを経て、2022年より現職。『領域統治の統合と分裂』(書籍工房早山、2011年)、ほか。
キハラハント 愛(キハラハント アイ)
東京大学大学院総合文化研究科教授(国際法)
1997年青山学院大学国際政治経済学部卒、国際連合、東京大学准教授などを経て、2022年より現職。『「暴力」から読み解く現代世界』(共著、出版会、2022年)ほか。
目次
序論 人間的な地球社会を目指して――人間の安全保障の30年(阪本拓人:東京大学教授)
Ⅰ 今日の世界と日本の実践
第1講 脆弱な人々を保護する枠組み――国際法と政治的概念(キハラハント愛:東京大学教授)
第2講 アフリカの平和活動と人間の安全保障(遠藤 貢:東京大学教授)
第3講 「農業開発」を再考する(中西 徹:東京大学名誉教授)
第4講 インドネシア警察改革への「お手伝い」――日本の警察分野の国際協力(谷垣真理子:東京大学教授)
第5講 人の国際的移動と教育――移民の子どもをめぐる教育問題と「日本人であること」の特権性(髙橋史子:東京大学准教授)
Ⅱ 多彩な知との対話
第6講 平和論と人間の安全保障(小川浩之:東京大学教授)
第7講 海賊とは誰か――「人類の敵」というレトリック(星野 太:東京大学准教授)
第8講 歴史の中の人間の安全保障――バルカンの事例から(黛 秋津:東京大学教授)
第9講 中・東欧諸国における多様な歴史記憶――現在から過去に向けられるまなざし(重松 尚:明治学院大学研究員)
第10講 語り手のいない物語――東日本大震災における「心霊体験」と人間を連帯させるもの(吉国浩哉:東京大学教授)
Ⅲ 豊かな人間像への接合
第11講 自然災害と被災者の尊厳(内尾太一:静岡文化芸術大学准教授)
第12講 牧畜民から見る人間の安全保障――自然と社会の変化のなかで(阪本拓人)
第13講 異なる社会をつなぐ――先住民と人間の安全保障(受田宏之:東京大学教授)
第14講 生き抜くためのつながりを可視化する(関谷雄一:東京大学教授)
第15講 記憶、記録、文学――『苦海浄土――わが水俣病』から(星埜守之:東京大学名誉教授)
結論 危機の時代における人間の安全保障(キハラハント愛)
付録 「人間の安全保障」研究案内(阪本拓人/和田吾雄彦アンジェロ:東京大学大学院博士課程)