大学出版部協会

 

 人類社会の進化集団

集団 人類社会の進化

菊判 368ページ 上製
価格:4,400円 (消費税:400円)
ISBN978-4-87698-937-9 C3039
奥付の初版発行年月:2009年12月 / 発売日:2010年01月上旬

内容紹介

ペア/家族から民族/国家まで,ヒトはなぜ「集まる」のか? 集団形成における「暴力」と「誘惑」の役割,「見えない仲間」を描き出す表象能力,構造化されたsocietyにおける非構造のsocialなど,集団形成のメカニズムを進化の中で解き明かす.霊長類学と生態・社会文化人類学の第一人者による,本格的な共同研究.


目次

序章 集団:人類社会の進化史的基盤を求めて[河合香吏]

1●はじめに

2●人類学と霊長類学における集団研究と進化論

3●伊谷純一郎の人類社会の進化論とフィラバンガの行列

4●本書の内容

5●用語について

6●今村仁司の存在



第1部 社会性の進化



1章 非構造の社会学:集団の極相へ[足立 薫]

Keywords:非構造,生活形,混群,霊長類社会学,種社会

1●はじめに

2●社会構造進化論とBSU

3●構造と非構造

4●生活形の社会学

5●非構造から進化をみる

6●おわりに



2章 単独者の集まり:孤独と「見えない」集団の間で[内堀基光]

Keywords:単独者,孤独,ペア,共在様態,ネットワーク

1●孤独から

2●集団性と社会性

3●ひとりとペア,そして人の群れ

4●「集まり」の効用

5●集団とネットワーク

6●「集まる」ことから制度へ



3章 人間の共同性はどこから来るのか?:集団現象における循環的決定と表象による他者分類[北村光二]

Keywords:集団現象,進化,対称的な他者,循環的決定,分離された表象

1●はじめに

2●集団現象の生物学的基礎

3●群居的な生活形を採用した系統における集団現象

4●人間社会における環境との関係づけの活動の集合化

5●おわりに:サルと人間の間の差異を橋渡しするもの



4章 霊長類における集団の機能と進化史:地理的分散の性差に着目して[中川尚史]

Keywords:系統的慣性,社会構造,淘汰圧,適応,父系社会

1●はじめに

2●社会構造の類型化

3●現在の社会生態学モデル

4●地理的分散の視点から父系社会の進化史を考える

5●まとめに代えて:初期人類の社会構造に関する新仮説



Article 1 チンパンジーの集団:メスから見た世界[伊藤詞子]

Keywords:できごと,離合集散,全体性,境界,構造



第2部 社会集団のなりたち



5章 集団のオントロギー:「分かち合い」と生業のメカニズム[大村敬一]

Keywords:カナダ・イヌイト,生業,食べ物,分かち合い,贈与

1●はじめに:出発点としての一元的な世界

2●日常世界を生成する社交の装置:イヌイト社会における生業

3●「信頼」と「誘惑」:イヌイトの生業における「人間」と「野生生物」

4●集団のオントロギー:人類社会の進化史的基盤としての「分かち合い」



6章 暴力と集団の自己産出:海賊と報復の民族誌から[床呂郁哉]

Keywords:集団形成,海賊,報復,暴力Iと暴力II,暴力の遠心性と求心性

1●暴力と集団

2●スールーにおける暴力の民族誌(その):海賊

3●スールーにおける暴力の民族誌(その):報復

4●暴力と集団のオートポイエーシス



7章 徒党を組む:牧畜民のレイディングと「共同の実践」[河合香吏]

Keywords:東アフリカ牧畜民,レイディング,交易,興奮,社会共同性

1●はじめに

2●「好戦的な牧畜民」像

3●レイディング・プログラム

4●レイディングにおける「共同の実践」

5●おわりに



Article 2 昨日の友は今日の敵:パプアニューギニア・フリの社会[梅崎昌裕]

Keywords:集団の流動性,争い,サポート,人口移動,都市住民



第3部 「われわれ」意識の生成と展開



8章 「今ここの集団」から「はるかな集団」まで:狩猟採集民のバンド[寺嶋秀明]

Keywords:バンド,狩猟採集民,絆,ネットワーク,自立

1●はじめに

2●バンドのモデル

3●バンドの実態:「今ここの集団」から「はるかな集団」まで

4●バンドを生きる人びと:絆と自立



9章 感知される「まとまり」:可視的な「集団」と不可視の「範疇」の間[曽我 亨]

Keywords:行為の同調,一時的な集団,感知される「まとまり」,「まとまり」の表象,文化範疇

1●はじめに

2●集団の可視性

3●同調する行為によって生成される一時的な集団

4●集団の重なりによって感知される「まとまり」

5●文化範疇と「まとまり」の相克

6●おわりに



10章 「われらベンバ」の小さな村:居住集団の日常と王国をつなぐしかけ[杉山祐子]

Keywords:居住集団,王国,炉帯組,離散と集合のサイクル,参照する位相

1●はじめに

2●ベンバ王国と村の構成

3●さまざまな「集い」と相互交渉の蓄積がつくる村の輪郭

4●離散と集合:村の発展サイクルと権威

5●「参照する位相」の複層化

6●おわりに



Article 3 ケニア・ルオという「集団」:社会人類学からの点描[椎野若菜]

Keywords:ケニア・ルオ,植民地化,意識的な集団化,政治的闘争,アイデンティティ



第4部 新たな集団論へ



11章 集団的興奮と原始的戦争:平等原則とは何ものか?[黒田末寿]

Keywords:チンパンジー属,対等性,平等原則,集団的興奮,原始的戦争

1●はじめに

2●集団現象と興奮

3●平等原則と闘争と興奮

4●一体化を求める興奮性動物



12章 エイジェントは誘惑する:社会・集団をめぐる闘争モデル批判の試み[田中雅一]

Keywords:エイジェンシー,ネットワーク,代理,暴力,エロス

1●はじめに

2●闘争モデル:ジラール,今村,クラストル

3●ネットワークと関わり合い:対人関係の概念化

4●代理性:エイジェントとネットワーク

5●誘惑:エイジェントとエイジェントの相互作用

6●肉の共同体:メルロ=ポンティとともに

7●おわりに



13章 人間集団のゼロ水準:集団が消失する水準から探る,関係の意味,場と構造[船曳建夫]

Keywords:場,場面,意味,高さ,構造

1●はじめに

2●人間関係の場と構造

3●人間集団が消失する水準

4●意味の場と,高さと構造



終章 「集団」から「制度」へ:まとめと展望[河合香吏,黒田末寿,北村光二,内堀基光]

1●Social集団の非構造性をあぶり出す:霊長類学領域から

2●「表象」を手がかりにした「活動の集合化」:生態人類学領域から

3●象徴化能力と制度による束ねへ:社会文化人類学領域から



 今村仁司先生の遺したもの[西井凉子]



 あとがき[河合香吏]

 索  引


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