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中越地震と限界集落の物語集落〈復興〉

集落〈復興〉 中越地震と限界集落の物語

渥美公秀:編著, 関嘉寛:編著, 山口洋典:編著, 栫健太:著, 五味希:著, 武澤潤:著, 武澤博子:著
四六判 368ページ
価格:2,750円 (消費税:250円)
ISBN978-4-87259-804-9 C1036
奥付の初版発行年月:2024年12月 / 発売日:2024年12月下旬
発行:大阪大学出版会  
発売:大阪大学出版会
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内容紹介

復興でもなく、まちづくりでもなく、日常の暮らしを取り戻し、つくりだした20年。

2004年10月23日に発生した新潟県中越地震から20年、新潟県小千谷市塩谷集落で取り組んできた研究・実践・教育活動から、集落の〈復興〉を映し出す。災害復興は一人一人の住民の暮らしに根ざした長期的な取り組みであることを実証するとともに、被災を機に深刻な過疎高齢化に見舞われた集落が、古来の文化や伝統を大切にしつつ外部者を受け入れて、いきいきとした暮らしを立て直していく足跡を追う。

著者プロフィール

渥美公秀(アツミトモヒデ)

大阪大学大学院人間科学研究科(共生行動論)教授。1993 年米国ミシガン大学博士課程修了・Ph.D.(心理学)。
単著『災害ボランティア』(弘文堂)、編著『助ける』(大阪大学出版会)、『東日本大震災と災害ボランティア』(同)、『誰もが〈助かる〉社会』(新曜社)、監修『地震イツモノート』(木楽舎・ポプラ文庫)など著書、国内外にて学術論文多数。塩谷集落との出会いに感謝しながらあちらこちらの被災地を訪れ、何かわからなくなったらまた塩谷に戻ることを繰り返している。

関嘉寛(セキヨシヒロ)

関西学院大学社会学部教授。博士(人間科学、大阪大学)。専門は社会学、ボランティア論、災害復興、まちづくり。
はじめて災害ボランティアとして参加した中越地震で集落復興というテーマに出会う。2019 年度にオーストラリア・メルボルン大学に客員研究員として1 年滞在し、アクションリサーチに対する理解を深める。日頃は、大学周辺地域で、まちづくりに関わる住民組織に学生と一緒になって関わり、社会的紐帯の再興などに取り組む。

山口洋典(ヤマグチヒロノリ)

立命館大学共通教育推進機構教授。博士(人間科学、大阪大学)。専門は社会心理学、グループ・ダイナミックス。
立命館大学理工学部の入学初年度に参加した阪神・淡路大震災での災害ボランティアの際、目に見える風景の再建で復興は完了しないと痛感。2002 年に大学院で社会人入学して学び直した後、
東日本大震災の復興に携わる中、改めて塩谷集落での田植え・盆踊り・稲刈りなどに学生たちと関わるようになった。

栫健太(カコイケンタ)

大阪大学大学院人間科学研究科修了。修士(人間科学、大阪大学)。
災害ボランティアに関心を持ち、塩谷集落でのフィールドワークを始める。約4 年にわたるフィールドワークの中で、塩谷集落における〈復興〉について、外部者の視点から修士論文にまとめた。

五味希(ゴミノゾミ)

株式会社アール・ピー・アイ。修士(工学、東京工業大学)。東京都出身。
学生時代、街づくりについて学ぶ中で、小千谷市の東山地区振興協議会の復興支援員の下で活動する1 年間のインターンシップに参加。塩谷集落の古民家で生活しながら地域活動のお手伝いや広報誌の作成、調査などを行う。インターンシップ終了後も毎年塩谷集落へ通いながら田植え・稲刈り等に参加している。

武澤潤(タケザワジュン)

大鉄工業株式会社。長岡技術科学大学院工学研究科修了・修士(工学)。
在学中、長岡技術科学大学ボランティアチームVOLTofNUTs 代表として、中越地震をはじめ被災地の支援活動を行う。活動の中で地元の学生として、塩谷分校に出会い、発足時から地域行事などに継続して関わる。現在は塩谷分校卒業生1 号として「塩谷分校同窓会」を発足し、多くの分校卒業生と共に関わり続けている。

武澤博子(タケザワヒロコ)

2010 年大阪大学人間科学部卒業。
渥美教授のもとで地域共生論を専攻し、塩谷集落に出会う。そこから塩谷集落の魅力に引き込まれ、塩谷集落をフィールドに学生団体fromHUS2 のボランティア活動や卒業論文を執筆。現在、塩谷集落で出会った武澤潤と結婚し、2 児の母となりながらも定期的に塩谷集落に足を運んでいる。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

第Ⅰ部 山間の集落で向き合った〈復興〉

第1章 塩谷集落
第2章 中越地震の影響
第3章 塩谷を分析する視点:キーワードと文献


第Ⅱ部 塩谷〈復興〉への実践知

第4章 初夢ワークショップ
第5章 刈羽への手紙
第6章 二十村郷盆踊り
第7章 学生企画の展開とその拠点整備
第8章 塩谷分校


第Ⅲ部 集落と共に過ごした学生たち

第9章 地域と向き合って見えたこと ~東山地区・塩谷集落との10年間~
第10章 知らない者として


第Ⅳ部 研究と実践の二分法を超えて

第11章 未消滅集落、塩谷での「輪唱」の知
第12章 塩谷を「研究」すること、そして集落の行く末
第13章 塩谷への想い ~共生的実践の場に惹かれて~


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