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プルースト 受容と創造

プルースト 受容と創造

A5判 400ページ 上製
価格:6,600円 (消費税:600円)
ISBN978-4-87259-717-2 C3097
奥付の初版発行年月:2020年08月 / 発売日:2020年09月中旬
発行:大阪大学出版会  
発売:大阪大学出版会
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内容紹介

文学・絵画・音楽を吸収し、文学に昇華させた軌跡――。
文芸評論『サント=ブーヴに反論する』から発展した『失われた時を求めて』には、ドレフュス事件や第一次世界大戦、レンブラントやフェルメール、ショパン、ワーグナー、べートーベンなど、多くの実在する固有名が登場し、文学・芸術の百科全書の観を呈している。フィクションの姿をした文学・芸術論として独創性を確立するに至るまで、プルーストは過去や同時代の文学・芸術をどのように受容し、創造へと転換したのか。草稿、書簡、新聞や雑誌記事を含めた膨大な一次資料からプルーストの批評言説を相対的に検証し、改めて歴史の中に位置づける。

著者プロフィール

和田章男(ワダアキオ)

大阪大学名誉教授。1954 年京都市生まれ。大阪外国語大学卒、大阪大学大学院文学研究科博士後期課程単位修得退学。パリ・ソルボンヌ大学第三課程文学博士。大阪大学文学部助手、言語文化部講師・助教授を経て、1993 年大阪大学文学部助教授就任、2004 年同文学研究科教授、2020 年3 月定年退職。研究課題として、プルースト研究、生成研究、ジャンルを超えた受容・比較研究。主要業績として、La création romanesque de Proust : la genèse de « Combray »
(Champion, 2012),『フランス表象文化史―美のモニュメント』(大阪大学出版会、2010)、『フランス文学小事典』(共編、朝日出版社、増補版2020)など。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

はじめに
序章 草稿の中の作家・芸術家たち

第一部 文学篇

第一章 ネルヴァル観の形成―批評と論争
第二章 フローベールの文体をめぐる論争
第三章 ボードレールとノルマンディーの海岸
第四章 『サント=ブーヴに反論する』におけるもう一人の詩人、ルコント・ド・リール
第五章 「ゴンクール未刊日記」のパスティッシュ

第二部 絵画篇

第一章 オランダ絵画―レンブラントからフェルメールへ
第二章 カミーユ・コローの風景画―コンブレーの「二つの方角」の源泉
第三章 モネの睡蓮画―ヴィヴォンヌ川の睡蓮の場面をめぐって

第三部 音楽篇

第一章 変貌するショパン
第二章 ワーグナー派と反ワーグナー派―ワーグナー批評史の中のプルースト
第三章 新世紀のヒーロー、ベートーヴェン
第四章 叡智と宿命のドラマ―ドビュッシー『ペアレスとメリザンド』

補章 写真と記憶―コンブレーの生成過程におけるイリエ

結び
あとがき

付表 草稿における作家・画家・作曲家の言及頻度

参考文献
索引


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