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平家物語への羅針盤

平家物語への羅針盤

四六判 276ページ
価格:2,200円 (消費税:200円)
ISBN978-4-86283-341-9 C1095
奥付の初版発行年月:2022年09月 / 発売日:2022年09月中旬

内容紹介

『平家物語』は一体、誰がどのようにして今日の姿に作り上げたのだろうか。研究者である著者がわかりやすく親しみやすい文体でまとめ、すべての読者を魅力ある時空間へ誘う羅針盤的文学旅案内。

著者プロフィール

武久 堅(タケヒサ ツヨシ)

武久 堅(たけひさ つよし)
1936年7月 芦屋市生まれ。
関西学院大学大学院文学研究科博士課程修了、文学博士。
〈職 歴〉
広島女学院大学教授を経て、関西学院大学教授。
現在、関西学院大学名誉教授。
〈著 書〉
『平家物語成立過程考』桜楓社、1986年
『平家物語の全体像』和泉書院、1998年
『平家物語発生考』おうふう、1999年
『平家物語は何を語るか』和泉書院、2010年
『平家物語・木曽義仲の光芒』世界思想社、2012年
〈編著書〉
日本文学研究大成『平家物語I』国書刊行会、1990年
〈監修書〉
『クリアカラー国語便覧』数研出版、2001年
『保元物語六本対観表』和泉書院、2004年
『間違いだらけの日本語』実業之日本社、2004年
『中世軍記の展望台』和泉書院、2006年

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

 はじめに
第一章 『平家物語』の「発生」から「成立」「変容」まで
 一 『平家物語』の「発生」
 二 原『平家物語』の誕生
 三 現存『平家物語』への道
 四 『平家物語』の成熟
 五 『平家物語』の方法
 六 琵琶法師による「平家」というファミリーストーリーへの改編
 七 『平家物語』の多様化
 八 歴史解釈の知恵の宝庫『源平盛衰記』
第二章 『平家物語』の全体像──後白河院院政期の歴史文学として
 一 『平家物語』の五つの魅力
 二 あらまし
 三 原典の構成
 四 成立の時代
 五 影響と価値
 六 原典と参考書
 七 作品の舞台
 八 女性像
 コラム 琵琶法師の「平曲」を類似した章段で束ねました
第三章 木曽義仲小論
 一 「義仲像」を訪ねて
 二 母親の一言が紡ぎ出す、義仲と乳兄弟の物語──「木曽最期」に、契りの美学を凝縮
 三 「木曽最期」を語って、母親の「最後の一句」へ──「木曽最期」は語り尽くされているか
 コラム 義仲幼年期の拠点「木曽の山下」とはどこか
第四章 『平家物語』の散歩道
 一 平家重代の家臣「家貞・貞能」父子と侍大将「盛国・盛俊」父子
 二 絵巻の中の後白河院とその近習たち
 三 源平合戦の虚と実
第五章 『平家物語』の生き物たち
 一 鱸
 二 鷹
 三 鶉・雲雀
 四 馬
 五 牛
 六 山鳩
 七 猿
 八 ほととぎす
 九 鷺・千鳥・雁
 十 鵯  
 十一 鼬
 十二 蛇
 十三 鶏
 十四 鹿
 十五 いるか
 十六 龍
第六章 建礼門院八百年
 一 平家物語と諸記録にみる、建礼門院逝去の年月日について
 二 「女院終焉の地」について
 三 法皇の「大原御幸」の意図と成果(文治二年〈一一八六〉)
第七章 『平家物語』の旅人
 一 寂光院巡礼記
 二 『平家物語』の旅人──主役は、人物を浮かべて流れる、時の河である

 年表
 略系図
 本書に引用の本文
 参考図書
 あとがき


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