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主導権獲得への模索中国の産業政策

中国の産業政策 主導権獲得への模索

A5判 416ページ
価格:5,940円 (消費税:540円)
ISBN978-4-8158-1187-7 C3033
奥付の初版発行年月:2025年02月 / 発売日:2025年03月上旬
発行:名古屋大学出版会  
発売:名古屋大学出版会
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内容紹介

米中対立の一大焦点と化した中国の産業政策。国際競争力や技術力に与えた真の効果をめぐり、中央・地方の開発戦略や企業データを徹底分析、鉄鋼から半導体・EVまで重要産業を網羅し、誤解にもとづく脅威論を退けてその全貌と限界を描く。日本への示唆にも富んだ、第一人者による決定版。

著者プロフィール

丸川 知雄(マルカワ トモオ)

1964年生まれ
1987年 東京大学経済学部卒業
アジア経済研究所研究員などを経て、
現 在 東京大学社会科学研究所教授

著書:
『シリーズ現代中国経済3 労働市場の地殻変動』(名古屋大学出版会、2002年、大平正芳記念賞)
『現代中国の産業』(中公新書、2007年)
『チャイニーズ・ドリーム』(ちくま新書、2013年)
『現代中国経済・新版』(有斐閣、2021年)他

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

序 章 産業政策の定義と類型
     1 産業政策の定義
     2 幼稚産業保護論
     3 保護関税と国有企業以外の手段による産業振興
     4 先進国における産業政策の劇的復活
     おわりに

第1章 産業政策の展開
     1 分析対象の特定と先行研究
     2 改革開放前期の産業政策
     3 産業政策の消極化
     4 主導権の獲得を目指す産業政策
     5 戦略的新興産業と「中国製造2025」
     6 腰砕けになった「中国製造2025」
     7 2006年以降の産業政策の効果
     おわりに

第2章 地方政府の産業政策
      —— 5カ年計画のテキスト分析
     はじめに —— 数値から言葉へ
     1 産業政策のテキスト分析
     2 5カ年計画における産業政策の解読
     3 地方5カ年計画の外形的比較
     4 産業のライフサイクルと産業政策の言葉
     5 産業政策の言葉が持つ効果
     おわりに

第3章 移動通信産業
      —— 技術の主導権の獲得
     はじめに
     1 移動通信の国際政治経済 —— 第1世代から3Gまで
     2 移動通信産業に対する中国の取り組み
     3 4Gと5G
     おわりに

第4章 半導体産業
      —— 企業家国家から投資家国家へ
     はじめに
     1 「開発国家」を分類する枠組
     2 中国の半導体産業政策の展開
     3 国家IC産業投資基金による投資とその効果
     おわりに

第5章 自動車産業
      —— 幼稚産業育成の失敗から比較優位の獲得へ
     はじめに
     1 迷走する国家投資 —— 1950~70年代
     2 外国自動車メーカーの誘致と国有企業の「地主」化
       —— 1980~90年代
     3 産業政策空白期の成長と新たな産業政策 —— 2000年代
     4 EV産業政策の効果 —— 2010年代以降
     おわりに

第6章 鉄鋼業
      —— 産業政策によって鉄鋼超大国になったのか
     はじめに
     1 産業政策が鉄鋼超大国化をもたらしたのか
     2 鉄鋼メーカーの競争力
     おわりに

第7章 再生可能エネルギー
      —— 製造大国から利用大国へ
     はじめに
     1 先行した太陽電池産業の成長
     2 国内の再エネ需要の創出
     3 棄風・棄光問題
     4 フィードインタリフの調整
     5 二酸化排出ゼロへの邁進
     6 再エネ設備産業の現状
     おわりに

第8章 液晶パネル産業
      —— 企業家としての地方政府
     はじめに
     1 日韓台競争時代
     2 中国企業の台頭
     3 地方政府の支援
     4 液晶パネルの上流と下流
     おわりに

終 章 未来産業に産業政策は必要か

 参考文献
 あとがき
 図表一覧
 索 引


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