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プラグマティズムと熟議真理・政治・道徳

真理・政治・道徳 プラグマティズムと熟議 Truth, Politics, Morality: Pragmatism and Deliberation

A5判 326ページ 上製
価格:5,940円 (消費税:540円)
ISBN978-4-8158-1122-8 C3010
奥付の初版発行年月:2023年05月 / 発売日:2023年06月上旬

内容紹介

正義の足場を再建する
価値の多元化が進むなか、リベラルな民主主義は相対主義や排外主義に抗して自らを正当化できるのか。疑いの目で見られがちな真理概念を、C・S・パースに依拠しながら政治と道徳の世界に呼び戻し、真理探究者の共同体としての社会と、そこで経験や熟議が持つ意義を描き直した、私たちがいま必要とする一冊。

著者プロフィール

シェリル・ミサック(シェリル ミサック)

Cheryl Misak
カナダに生まれ、1988年にオックスフォード大学で博士号(D. Phil)を取得。1990年よりトロント大学哲学科教授。プラグマティズムや分析哲学史に関する著作が多数あり、リチャード・ローティ以後の21世紀のプラグマティズム研究の旗手として注目される。本書以外の単著に、Frank Ramsey: A Sheer Excess of Powers(2020), Cambridge Pragmatism: From Peirce and James to Ramsey and Wittgenstein(2016), The American Pragmatists(2013)(加藤隆文訳『プラグマティズムの歩き方』上下巻、2019年)など。

加藤 隆文(カトウ タカフミ)

京都大学文学研究科博士後期課程修了。日本学術振興会特別研究員(名古屋大学)等を経て、現在、大阪成蹊大学芸術学部講師、博士(文学)。主な訳書に、C・ミサック『プラグマティズムの歩き方――21世紀のためのアメリカ哲学案内』(勁草書房、2019年)、R・ブランダム『プラグマティズムはどこから来て、どこへ行くのか』(共訳、同、2020年)ほか。

嘉目 道人(ヨシメ ミチヒト)

大阪大学文学研究科博士後期課程修了。日本学術振興会特別研究員(上智大学)、大阪大学大学院文学研究科特任講師(常勤)を経て、現在、大阪大学人文学研究科准教授、博士(文学)。主著に『超越論的語用論の再検討――現代のフィヒテ主義は可能か』(大阪大学出版会、2017年)。

谷川 嘉浩(タニガワ ヨシヒロ)

京都大学人間・環境学研究科博士後期課程修了。現在、京都市立芸術大学美術学部講師、博士(人間・環境学)。主著に『信仰と想像力の哲学――ジョン・デューイとアメリカ哲学の系譜』(勁草書房、2021年)、『鶴見俊輔の言葉と倫理――想像力、大衆文化、プラグマティズム』(人文書院、2022年)ほか。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

  日本語版に寄せて

序論

第1章 正当化の問題
    カール・シュミットと、実質的な同質性という目標
    ローティと、正当化の放棄
    ロールズ――政治的であり、形而上学的ではない
    調和と、熟議の長所
    ハーバーマス、アーペル、そして超越論的論証

第2章 真理、探究、経験
  ――プラグマティズムの認識論
    パース、真理、探究の終局
    哲学、実践、対応
    プラグマティズムと引用符解除論
    プラグマティズム、超主張可能性、真理の多元主義
    二値性
    探究における真理の役割
    経験――真剣に受けとめる
    ホーリズムと根本的ホーリズム
    道徳的探究
    収斂と探究の終局

第3章 道徳的熟議
    真理の追求と理由の付与
    中立性――三つの意味
    中立性原理
    公的/私的
    慎みと哲学者
    対立、差異、共同体
    多元主義、決定不全性、挫かれた理由
    シュミット、抑圧、いつ十分話し合ったことになるのか

結論

  注
  謝辞
  訳者あとがき
  参考文献
  索引


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