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 100年の歴史とフロンティア海産無脊椎動物多様性学

海産無脊椎動物多様性学 100年の歴史とフロンティア

菊判 706ページ
価格:29,700円 (消費税:2,700円)
ISBN978-4-8140-0449-2 C3045
奥付の初版発行年月:2022年11月 / 発売日:2022年11月下旬
発行:京都大学学術出版会  
発売:京都大学学術出版会
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在庫あり

内容紹介

地球上の海洋生物の種数の70%以上を占める海産無脊椎動物。中でもとりわけ高い多様性と独自性を有する日本とその関連地域における海産無脊椎動物の研究の最前線を、系統分類、生態、行動、保全を軸に紹介する。京都大学瀬戸臨海実験所の創立100周年を記念し、日本の海産無脊椎動物研究の英知を結集した一冊。

著者プロフィール

朝倉 彰(アサクラ アキラ)

京都大学フィールド科学教育研究センター瀬戸臨海実験所 教授
専門:海産無脊椎動物の系統分類学・生態学

下村 通誉(シモムラ ミチタカ)

京都大学フィールド科学教育研究センター瀬戸臨海実験所 准教授
専門:甲殻類の系統分類学

中野 智之(ナカノ トモユキ)

京都大学フィールド科学教育研究センター瀬戸臨海実験所 講師
専門:軟体動物の系統分類学

後藤 龍太郎(ゴトウ リュウタロウ)

京都大学フィールド科学教育研究センター瀬戸臨海実験所 助教
専門:海産無脊椎動物の進化生態学・系統分類学

山守 瑠奈(ヤマモリ ルナ)

京都大学フィールド科学教育研究センター瀬戸臨海実験所 助教
専門:海洋無脊椎動物の自然史学

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

はじめに[朝倉 彰]

第1部 系統・分類

総論 海産無脊椎動物の多様性解明の最前線[下村通誉・朝倉 彰]
1.1 前左右相称動物──相称性も胚葉性もない動物
 【刺胞動物門】 刺胞動物門の分類と多様性
   ──立方クラゲ綱から見る刺胞動物の系統類縁関係[戸篠 祥]
 【平板動物門】 黎明期にある平板動物の系統分類学[中野裕昭]
1.2 吸啜動物──肛門のない左右相称動物
 【扁形動物門】 自由生活性扁形動物の多様性[大矢佑基]
1.3 冠輪動物──触手冠のある動物とトロコフォア幼生をもつ動物
 【苔虫動物門】 コケムシの種と生活様式の多様性[広瀬雅人]
 【紐形動物門】 ヒモムシの分類学的研究
   ──分類体系の構築・整理[柁原 宏]
 【軟体動物門】 笠型腹足下綱 カサガイ類の分類系統学[中野智之]
 【環形動物門】 海産環形動物の系統学的研究[小林元樹]
 【内肛動物門】 単体性内肛動物の自然史研究[伊勢戸徹]
1.4 脱皮動物──外骨格を持ち脱皮して成長する動物
 【線形動物門】 近年に日本から記載された海産自活性15種[嶋田大輔]  
 【動吻動物門】 動吻動物の分類と研究史[山崎博史]
 【緩歩動物門】 瀬戸臨海のまわりに棲むクマムシ類の多様性[藤本心太]
 【節足動物門甲殻亜門等脚目】 等脚目の多様性研究
   ──日本沿岸のミズムシとアミヤドリムシ[下村通誉]
 【節足動物門甲殻亜門ヨコエビ目】 日本におけるヨコエビ目の分類と系統
   [富川 光]
 【節足動物門甲殻亜門タナイス目】 タナイスの多様性研究[角井敬知]
 【節足動物門甲殻亜門短尾下目】 ケルプクラブ研究の基盤を整える
   ──「ヨツハモガニ」の分類学的再検討[大土直哉]
1.5 後口動物──胚の原口が肛門になる動物
 【棘皮動物門】 クモヒトデ綱の体系学[岡西政典]
COLUMN 日本産ナギサスナホリムシ属の分類学的研究[福地 順]
瀬戸臨海実験所の最初の50 年──内海冨士夫の論説を中心に
 [朝倉 彰,山守瑠奈]

第2部 系統進化・生物地理

総論 分子系統地理学の最前線──笠形腹足類を例に[中野智之]
2.1 系統進化
 岩礁の小型貝類における笠型化と共生性の獲得[山守瑠奈]
 甲殻類の系統進化への分子データの活用
   ──潮間帯性ヤドカリ同胞種の系統進化を例に[Zakea Sultana]
 軟体動物の発生と進化[和田 洋]
 インド・西太平洋ナガウニ種群の進化史
   ──分子系統解析と地理的分布からの考察[金城その子]
 系統進化から見る頭足類の貝殻の獲得と退化
  [スティアマルガ デフィン H. E.]
2.2 分子系統地理
 造礁サンゴに共生する褐虫藻の遺伝的研究[Yi-Ting Lien]
 浅海性巻貝の生物地理と分子生態
   ──イシダタミ属・バテイラ属の進化から[山崎大志]
 潮間帯ヤドカリの系統地理
   ──色鮮やかなヤドカリ・イソヨコバサミの集団分化と
   色彩のバリエーション[吉川晟弘]
 コガモガイ類の生物地理──異なる2系統の流入[中山 凌,中野智之]
COLUMN DNAバーコーディングで調べる無脊椎動物の浮遊幼生の多様性
  [小泉佳祐]
駒井 卓とその時代──黎明期の瀬戸臨海実験所[朝倉 彰,山守瑠奈]

第3部 生態・行動・相互作用

総論 海洋環境における種内・種間の相互作用[後藤龍太郎]
3.1 配偶行動と性表現
 カニ類の示すwaving display の多様性[和田恵次]
 イソガニ属カニ類2 種における鉗脚上軟毛の房の社会的機能[寺園 彩]
 すき間に犇めくもの
   ──コツブムシ類など小型甲殻類の生活史と配偶行動の研究
  [中町 健]
 配偶様式と性表現──フジツボ類を例として[遊佐陽一]
 イッスンボウシウロコムシ──矮雄を背負う変なゴカイ[自見直人]
3.2 行動
 イシサンゴの軟底質への適応戦略[千徳明日香]
 シャコ類の超高速運動から考える個性そして多様性[加賀谷勝史]
 カイカムリによる被食回避のための道具作成行動について[原田桂太]
COLUMN 貝殻を背負って暮らすマキガイホシムシ[大城匡平]
3.3 巣穴共生
 多様な共生者によるアナジャコ類の巣穴利用
   ──ハゼ類を中心に[邉見由美]
 ハゼ類によるテッポウエビの巣穴利用──条件共生への注目
  [伊谷 行,邉見由美]
 海に潜ってベントスの巣穴を研究する──潮下帯から深海まで[清家弘治]
 住み込み共生が創出する生物多様性──ユムシ類の共生生物群集
  [後藤龍太郎]
 岩盤を穿孔するウニ類が育む磯の生物多様性
   ──巣穴の二次利用と共生生物群集,共生者の生態[山守瑠奈]
3.4 寄生・体表共生
 サンゴイソギンチャクに寄生するフタツメイソウミグモの謎[望月佑一]
 超寄生する甲殻類──カキに寄生するカニにつくヤドリムシ[安岡法子]
 動物体表性カサガイ類コモレビコガモガイの生物学
  [中山 凌,中野智之]
COLUMN ナマコウロコムシが見せる宿主への巧妙な擬態[杉山高大]
3.5 群集
 間接効果で解き明かす磯の群集構造とその動態[和田葉子]
 沈木生物群集の生態学[西本篤史]
COLUMN 南紀生物同好会の紹介──歴史と現状[米本憲市]

第4部 環境問題・保全研究

総論 人間活動が海洋生態系に及ぼす影響の最新の解析研究
  [栗原晴子]
4.1 近年の環境変動と生物
 海洋酸性化が生物に及ぼす影響[諏訪僚太]
 環境省モニタリングサイト1000磯環境の今までとこれから
   ──南紀白浜サイトを中心として[石田 惣]
 大量発生し漁業被害を与える海産節足動物カイヤドリウミグモ
  をめぐる様々の謎[宮﨑勝己]
 川と海の生態系のつながり[宇野裕美]
4.2 大学教育と海洋生物
 海産無脊椎動物学のすすめ──大学の教育現場の視座から[河村真理子]
COLUMN ミドリイシ属サンゴを対象とした保全遺伝学的研究[座安佑奈]
4.3 畠島実験島での研究
 岩礁生態系の保全生物学──長期モニタリング調査を通じて[中野智之]
 畠島実験地,一世紀間調査,大垣俊一氏の遺したもの
  [朝倉 彰,山守瑠奈]

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