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金融政策

金融政策

A5判 316ページ 並製
価格:2,970円 (消費税:270円)
ISBN978-4-7664-2893-3 C3033
奥付の初版発行年月:2023年05月 / 発売日:2023年05月中旬

内容紹介

金融政策分析の実践力を養う

長年の中央銀行エコノミストとしての経験を基に、理論と実務の双方の視点からバランスのとれた金融政策論を講義。
通貨の信認の重要性、制度的要素の重視、新しい理論的手法の提示、非伝統的金融政策をめぐる扱いの四本を柱に、金融の役割や金融政策の目的、金融市場調節など基本項目を網羅しつつ、非伝統的金融政策やマクロプルーデンス政策など最新必須のトピックまでを余さず丁寧に解説する、著者の持ち味と独自性溢れるテキスト!

金融理論に精通している(日銀金融研究所の所長を務めた)、中央銀行での政策現場経験がある、日銀支店長としての実務経験がある、の三拍子揃った強みを持つ著者による臨場感溢れるテキスト。

金融政策の実務と理論の双方をバランスよく記述し、中央銀行が政策金利をコントロールするという、現実とより整合的なIS-MPモデルを用いるなどのオリジナリティも持つ。歴史観を伴った記述や金融政策をめぐる最新の展開も補記する。コラムも充実。

著者プロフィール

白塚 重典(シラツカ シゲノリ)

慶應義塾大学経済学部教授。
1965年生まれ。87年慶應義塾大学経済学部卒業、日本銀行入行。金融研究所経済ファイナンス研究課長、松山支店長、金沢支店長、企画局審議役、金融研究所長を歴任。2019年9月より現職。2000年、慶應義塾大学博士(経済学)。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

第1章 金融政策:概観
金融政策とは何か/金融政策分析の枠組み/金融政策分析の視点/金融政策分析の留意事項

第2章 金融の役割
「金融」とは/金融システム/金融政策をめぐる理論的基礎

第3章 貨幣と中央銀行
お金と中央銀行/貨幣の機能/貨幣経済/銀行券の発行/金融システムと通貨供給/中央銀行と通貨の信認/マクロ経済学の教科書の中での通貨発行益/為替レート制度の選択

第4章 金融政策の目標
インフレとデフレ/物価変動のコスト/インフレのコスト/デフレのコスト/物価安定の基本的な考え方

第5章 金融政策を運営する制度的枠組み
金融政策の失敗からの教訓/中央銀行の独立性/委員会制度/中央銀行のコミュニケーション/日銀の金融政策決定会合の運営/中央銀行の最適契約理論

第6章 金融政策と金利の期間構造
金融政策と金利の期間構造/債券価格と金利/金利の期待仮説とイールドカーブ/イールドカーブの変動メカニズム/イールドカーブに関するネルソン=シーゲルモデル/為替レートの決定理論/株価の決定理論

第7章 政策ルールとインフレ目標政策
政策金利の指針/ルールと裁量/テイラールールの基本形/テイラー原理/テイラールールの実践的な解釈/柔軟なインフレ目標政策

第8章 金融市場調節
金融市場調節とは/コール市場と金融市場調節/資金過不足の要因/金融市場調節/政策金利の安定化メカニズム/外国為替市場介入と金融市場調節

第9章 金融政策分析の基本モデル
総需要と潜在産出量/IS曲線/金融政策(MP)曲線/IS-MP分析/インフレ予想修正付きフィリップス曲線/テイラー原理の解釈/基本モデルの使い方

第10章 総需要=総供給分析への拡張
総需要曲線と総供給曲線/総需要=総供給分析/総需要=総供給ショックと政策対応/インフレ予想制御の重要性

第11章 非伝統的金融政策
非伝統的金融政策:概観/非伝統的金融政策の類型化/非伝統的金融政策の手段(1)金利政策の拡張/非伝統的金融政策の手段(2)量的緩和政策/非伝統的金融政策の効果:総需要=総供給分析の拡張

第12章 マクロプルーデンス政策
金融危機とシステミックリスク/マクロプルーデンス政策/中央銀行の政策運営への含意

第13章 金融政策の将来展望
二つの境界線の消滅/低体温症経済/政府債務の拡張と金融政策/当面の政策運営の枠組みを考えるうえでの課題/中央銀行の新たな課題


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