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 美容行為の政治学美とミソジニー

美とミソジニー 美容行為の政治学

四六判 368ページ 上製
価格:3,520円 (消費税:320円)
ISBN978-4-7664-2817-9 C3036
奥付の初版発行年月:2022年07月 / 発売日:2022年07月中旬

内容紹介

化粧、美容整形、脱毛、ハイヒール……
美しくなろうとするのは「個人の選択」なのか?

女性たちはかつてコルセットや纏足で足腰を変形させたように、今もなお身体に負荷をかけながら美を追求している。健康と引き換えに美しくなることで女性たちが生きやすくなるのなら、この社会は一体どんな社会なのだろうか?
本書は、美容行為(産業から日常的なものまで)を、男性支配と女性の従属を促進させる「有害な文化習慣」としてとらえ、西洋中心的・男性中心的価値観を痛烈に批判する。
韓国・脱コルセット運動の原点にもなった、ラディカルフェミニズムの名著。

著者プロフィール

シーラ・ジェフリーズ(シーラ ジェフリーズ)

イギリス出身のフェミニスト学者。1991 年にオーストラリアに移住、メルボルン大学社会政治学部で教授を務めた。性の政治学、レズビアンフェミニズムなどのテーマについて多数の著作がある。国際的な女性運動にも携わり、オーストラリア女性人身売買反対連合(CATWA)を創設した。2015 年に大学を退職し、イギリスに戻って活発な著述活動をしている。
著書に、Unpacking Queer Politics: A Lesbian Feminist Perspective, 2003; The Industrial Vagina: The Political Economy of the Global Sex Trade, 2009; Gender Hurts: A Feminist Analysis of the Politics of Transgenderism, 2014 など。韓国では本書と、Gender Hurts、The Lesbian Revolution などが訳され反響を呼んでいる。

GCジャパン翻訳グループ(ジーシージャパンホンヤクグループ)

森田成也(もりた せいや)
大学非常勤講師。専門はマルクス経済学。主要著作に、『資本主義と性差別』(青木書店、1997 年)、『家事労働とマルクス剰余価値論』(桜井書店、2014 年)、『マルクス主義、フェミニズム、セックスワーク論』(慶應義塾大学出版会、2021 年)、他多数。主要翻訳に、キャサリン・マッキノン『女の生、男の法』上下(共訳、岩波書店、2011 年)、マルクス&エンゲルス『共産党宣言』(光文社古典新訳文庫、2020 年)、他多数。

キャロライン・ノーマ(Caroline Norma)
ロイヤルメルボルン工科(RMIT)大学講師。専門は慰安婦問題と戦後日本の性産業の研究。
主要著作に、The Japanese Comfort Women and Sexual Slavery During the China and Pacific Wars(Bloomsbury USA Academic, 2015); Comfort Women and Post-Occupation Corporate Japan(Routledge, 2018); Voices from the Contemporary Japanese Feminist Movement(co-authoerd, Palgrave Macmillan, 2022)など。

千田有紀(せんだ ゆき)
武蔵大学社会学部教授。専門はジェンダーの社会学、現代社会論、家族社会学、教育社会学。
主要著作に、『日本型近代家族──どこから来てどこへ行くのか』(勁草書房、2011 年)、『女性学/男性学』(岩波書店、2009 年)、共著に、千田有紀・中西祐子・青山薫『ジェンダー論をつかむ』(有斐閣、2013 年)など。

佐藤律(さとう りつ)
早稲田大学大学院教育学研究科修士課程在籍中。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

 日本語版序文
 新版序文
  10年間の変化/フェミニズムと新自由主義/性的客体化とセクシュ
  アライゼーション/子どものジェンダー化/フェミニズムの復活


序 章 女性の従属と自傷としての美容行為

第1章 身体を支配する文化――主体性か従属か
 美に対するフェミニストの批判/個人的なことは政治的なこと/「新し
 い」フェミニズム/文化的転換/性的な「差異/服従」/従属の振る舞
 いとしての女らしさ

第2章 西洋における有害な文化的慣行
 国連の規定/「有害な文化的慣行」とは何か/西洋文化は「選択」を提
 供しているか/化粧とヴェール──同じか違うのか/西洋の文化帝国主
 義──輸出される有害な文化的慣行/家父長制的宗教において女性の頭
 を覆うことの意味/西洋と非西洋における有害な文化的慣行

第3章 トランスフェミニニティ――男が実践する「女らしさ」の現実
 トランスヴェスティズムとトランスセクシュアリズム/オートガイネフ
 ィリア/変身業界とその顧客/保守的なトランスヴェスタイトとその妻
 たち/マゾヒズムとしてのトランスフェミニニティ/クロスドレッサー
 の保守性/妻への有害な影響/トランスフェミニニティ――ジェンダー
 の越境、それとも維持?

第4章 ポルノ化する文化――性産業が構築する「美」
 ポルノのノーマライゼーション/ポルノグラフィの経済学/ポルノ化す
 る広告/ロールモデルとしてのマドンナ/ポルノ的な美容行為/女性器
 の剃毛と脱毛/切り刻まれる女性器──ラビアプラスティ

第5章 ファッションとミソジニー
 服装を通じた性差の創出/ファッションのSM化――コルセットとボン
 デージ/ゲイのファッションデザイナーにおけるミソジニー/ミソジ
 ニー的なファッションショー――マックイーン/ヴェルサーチとミュ
 グレー/その他のデザイナーたち/ファッション理論の変貌──批判
 から賛美へ

第6章 化粧の罠――日常の美容行為に潜むもの
 化粧は自然な行為か/化粧の歴史/美の基準に潜む人種差別/職場で強
 要される化粧/狙われる子どもたち/文化的に強要される脱毛/化粧と
 メンタルヘルス/健康に有害な化粧品

第7章 足と靴のフェティシズム――足を不自由にされる女たち
 性科学とフェティシズム/中国の纏足/纏足を美化する「フェミニス
 ト」たち/バレエシューズ/ハイヒールを求める男たち/ハイヒールが
 もたらす健康被害/非難される女性たち/ヒールの高い靴の復活

第8章 切り刻まれる女――代理的自傷行為としての美容行為
 女性の自傷行為/社会的に奨励される自傷行為──美容整形と豊胸/ポ
 ルノが求める豊胸手術──ロロ・フェラーリ/オルラン──「アート」
 としての身体損傷/身体改造/自傷行為と社会的ヒエラルキー

終 章――自傷の文化から抵抗の文化へ

 訳者解題
 文献一覧
 索引


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