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 ―弁済受領論契約履行の動態理論Ⅱ

契約履行の動態理論Ⅱ ―弁済受領論

A5判 592ページ 上製
価格:9,350円 (消費税:850円)
ISBN978-4-7664-2086-9 C3032
奥付の初版発行年月:2013年10月 / 発売日:2013年10月上旬
発行:慶應義塾大学出版会  
発売:慶應義塾大学出版会
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内容紹介

▼履行プロセスに再定位される受領概念!

債権実現の最終プロセスは、債務者による弁済の提供と債権者によるその受領である。履行プロセスと利益の実現を契約関係の動きの中でとらえる、第Ⅰ巻とシンメトリーとなる弁済の受領について考察する第Ⅱ巻!

第Ⅱ巻では、弁済の受領という履行プロセスにおける債権者の最終的な履行段階での行為に焦点を当て、とりわけ債務不履行責任から瑕疵担保責任へと責任体系が移行する局面を検討する。

契約法における基礎概念を根源から捉え直しながら、債権法改正の時代における真に必要な議論を提示する。北居教授による畢生の基礎研究シリーズ。Ⅰ・Ⅱ巻同時刊行!

著者プロフィール

北居 功(キタイ イサオ)

慶應義塾大学大学院法務研究科教授。
1961年生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業、同法律学科卒業。慶應義塾大学大学院法学研究科修士課程修了、同博士課程単位取得退学。
慶應義塾大学法学部専任講師、同助教授、同教授を経て現職。
本書に収録された論文以外のものとして、「債務不履行における債権者の救済要件――厳格訴権体系から誠実訴権体系への転換」 慶應法学19号(2011年)、「二重売買と危険負担――危険負担制度と契約解除制度の競合」法学研究84巻12号(2011年)、「契約の効力と契約の解除」法律時報81巻10号(2009年)、「合意の対外的効力に関する一考察――債権譲渡担保における譲受人の物的納税責任をめぐって」法学研究80巻7号(2007年)、「19世紀ドイツにおけるアクチオ体系の克服――ヴィントシャイトの『アクチオ論』に関する覚書」人間環境学研究4巻1号(2006年)、「神戸同時履行論再考―神戸寅次郎の解釈理論とその現代への蘇生」安西敏三・岩谷十郎・森征一編著『福澤諭吉の法思想―視座・実践・影響』(慶應義塾大学出版会・2002年)ほか多数。
著書に、『民法とつながる商法総則・商行為法』(共編・商事法務・2013年)、『コンビネーションで考える民法』(共著・商事法務・2008年)ほか。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

はじめに

 第一部 瑕疵担保責任論
第一章 危険負担論
 一 二つの「危険」概念
 二 ドイツ民法典における売主危険負担主義の制定
  1 「売買における危険の負担」提案
  2 第一委員会の決議
  3 ドイツ民法典における危険負担制度の成立
  4 小 括
 三 種類債務の特定と危険負担の関係
  1 ドイツ民法典における特定制度の成立
  2 特定の時期と拘束力
  3 ドイツ民法典旧第二七九条
  4 特定と弁済提供の関係
  5 変更権
  6 小 括
 四 給付危険と対価危険の関係
  1 給付危険と対価危険の関係
  2 民法第四八三条の意義
  3 小 括

第二章 特定合意論
 一 瑕疵ある目的物による特定
  1 ドイツ法の瑕疵担保責任の構造
  2 ドイツ法における特定と瑕疵担保責任の関係
  3 種類売買への瑕疵担保責任の適用問題
  4 私 見
 二 特定の合意
 三 小 括
  1 はじめに
  2 種類債務の特定
  3 瑕疵ある物による特定
  4 商法第五二六条との関係
  5 合意による特定と特定物売買

 第二部 契約不適合論
第三章 商法第五二六条論
 一 序説
 二 一般ドイツ商法典第三四七条
 三 ドイツ法の体系
  1 ドイツ民法典旧第四六四条
  2 ドイツ商法典第三七七条
  3 履行としての受領と商品の承認
 四 「受領」概念の機能
  1 商法第五二六条の制定過程
  2 「受領」概念の機能
 五 展 望

第四章 商法第五二八条論
 一 はじめに
 二 種類売買における瑕疵物と異種物の区別
  1 一九世紀ドイツ商法学説
  2 ドイツ普通法学説
  3 ゴルトシュミット理論
  4 ゴルトシュミット理論以降
 三 ドイツ商法典第三七八条の成立
  1 一般ドイツ商法典第三四七条をめぐる判例
  2 ドイツ商法典第三七八条の制定
 四 ドイツ法における瑕疵概念の変容
  1 瑕疵担保責任と商法典第三七八条の不調和
  2 客観的瑕疵概念から主観的瑕疵概念への移行
   (1)客観的瑕疵概念と主観的瑕疵概念
   (2)特定物売買と瑕疵概念
   (3)ドイツ商法典第三七八条と瑕疵概念
  3 ドイツ商法典第三七八条の削除
 五 商法第五二八条の命運

第五章 二つの「受領」概念
 一 序説
 二 契約不完全履行の抗弁
  1 ヘエルヴァルト理論
  2 ベール理論とプフタ理論
  3 「受領」をめぐる二つの理論
 三 種類売買への瑕疵担保責任の適用
  1 適用否定説
  2 適用肯定説
 四 ドイツ民法典第三六三条の制定
 五 小 括

第六章 契約不適合と期間制限
 一 現行法の問題点
  1 売主瑕疵担保責任の期間制限をめぐる解釈
  2 裁判外での権利行使の態様
  3 種類買主の権利制限理論の評価
  4 評 価
 二 期間制限の主観主義と客観主義
  1 客観主義――ドイツ法
  2 主観主義――ヨーロッパ売買法原則
  3 評 価
 三 解決提案
  1 条文提案
  2 買主の通知義務
  3 期間制限のシステム
  4 残された問題

 第三部 主観的不能論
第七章 種類売主の調達責任
 一 「種類は滅失せず」
 二 最高裁判所昭和三〇年判決
 三 評 釈
  1 論理構成
  2 特定の時期
  3 限定種類債務の保存義務
 四 種類債務法理
 五 結 び

第八章 契約モデルの変容
 一 はじめに
 二 ローマ法に由来する種類売買法理
  1 古典期ローマ法における諾成売買
  2 ユス・コムーネの種類売買法理
  3 テールの分離理論
 三 プロイセン法に由来する種類売買法理
  1 プロイセン法の供給契約
  2 供給契約概念の解消
  3 イェーリングの供給理論
 四 種類売買法理の展望
  1 歴史的概観の成果
  2 種類債務の特定の意義と限界
  3 種類売買法理の再構成
  4 売買法の再構成への展望

第九章 他人物売主の担保責任
 一 追奪担保責任制度の沿革
 二 民法第五六一条の法的性質論
  1 他人物売主の担保責任の法的性質論
  2 担保責任の法的性質論と損害賠償論
  3 民法第五六一条の担保責任の法的性質
 三 民法第五六〇条の法的性質論
  1 第五六〇条の意義をめぐる議論の整理
  2 権利移転義務と担保責任との関係
   (1)権利移転義務一元論
   (2)目的物引渡義務一元論
   (3)権利移転義務・引渡義務二元論
  3 担保責任と債務不履行責任との関係
   (1)判例法理
   (2)民法第五六〇条の適用領域
   (3)類型論批判とその克服
   (4)権利調達義務と調達保証責任
 四 担保責任の法的性質論への展望

 第四部 結 論
第一〇章 総 括
 一 履行としての受領
 二 担保責任から債務不履行責任への移行
  1 担保責任の系譜
  2 追奪担保責任の帰趨
  3 瑕疵担保責任の帰趨
  4 小 括
 三 債務不履行と履行としての受領
  1 種類売買における買主の救済法理
  2 履行としての受領による債務の履行
  3 履行=特定合意後の瑕疵担保責任
  4 履行=特定合意の錯誤と債務不履行責任の再生
  5 同時履行の抗弁と履行の証明
  6 特定物売買の特殊性
 四 担保責任の統合


初出一覧
判例索引
条文索引
参考文献一覧


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