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現代日本の地方選挙と住民意識

叢書 21COE-CCC 多文化世界における市民意識の動態32
現代日本の地方選挙と住民意識

B7 272ページ 上製
価格:3,960円 (消費税:360円)
ISBN978-4-7664-1458-5 C3331
奥付の初版発行年月:2008年01月 / 発売日:2008年01月上旬

内容紹介

中央で対立する与野党はなぜ地方選挙で相乗りするのか。与野党相乗りの構図は、首長や有権者の意識にどのような影響を与えたのか。「改革派首長」が登場した背景と現代の地方自治が抱える課題について、選挙研究の視点から考える。


河村和徳(かわむら かずのり)
東北大学大学院情報科学研究科准教授。
1998年慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学。慶應義塾大学法学部専任講師(有期)、金沢大学法学部助教授を経て、2007年より現職。
主要業績に、『日本における有権者意識の動態』(小林良彰編著、慶應義塾大学出版会、2005年)、『アクセス日本政治論』(平野浩・河野勝編著、日本経済評論社、2003年)、『地方自治の実証分析』(小林良彰編著、慶應義塾大学出版会、1998年)、『日本人の投票行動と政治意識』(小林良彰編著、木鐸社、1997年)ほか。

目次

 巻頭言       安西祐一郎
 刊行にあたって   小林良彰
 序 本書の目的

第1章 選挙戦略・候補者選考と相乗り選挙
 はじめに
 Ⅰ 「公職追求者」「利益追求者」と選挙戦略
 Ⅱ 政党の候補者選考からみた相乗り選挙の枠組みの特殊性
 Ⅲ まとめ

第2章 首長の経歴と選挙枠組み−−オイルショック以降にみられるその傾向
 はじめに
 Ⅰ 市長の経歴
 Ⅱ 首長選挙における政党の選挙支援枠組み
 Ⅲ まとめ

第3章 相乗り選挙枠組みの形成理由−−政党連合の議論との関連から
 はじめに
 Ⅰ 政党連合の仮説
 Ⅱ 相乗り枠組みの形成理由
 Ⅲ まとめ

第4章 保革相乗りを可能にする有権者意識の変化−−保革の争点対立の風化
 はじめに
 Ⅰ 有権者の保革像
 Ⅱ 争点態度における保革対立と社会的属性・組織加入の影響
 Ⅲ 社会的属性・組織加入と支持政党
 Ⅳ まとめ

第5章 総与党化状態と首長の財政選好
 はじめに
 Ⅰ 財政環境・政治的環境と首長の予算選好
 Ⅱ 予算規模に対する選好を規定する要因
 Ⅲ 結果の考察

第6章 総与党化状態と財政再建政策
 はじめに
 Ⅰ 各政策の採用状況
 Ⅱ 財政再建政策の採用を規定する要因
 Ⅲ 前章の結果を含めた考察

第7章 選挙枠組みと知事選挙の公約−−争点としての地方分権の登場
 はじめに
 Ⅰ データのコーディング
 Ⅱ 知事選挙における選挙公約の変化
 Ⅲ 選挙枠組みと知事選挙における候補者の公約−−まとめに代えて

第8章 1990年代の政党再編と有権者意識−−社会党の政策転換を中心に
 はじめに
 Ⅰ 政党の政策転換と有権者の認知
 Ⅱ 社会党の政策転換が有権者の意識に与えた影響
 Ⅲ 社会党の政策転換そして政党再編が地方政治にもたらしたもの

第9章 相乗り選挙に影響を与える政党以外の「お墨付き」−−1999年松山市長選挙における知事発言を中心に
 はじめに
 Ⅰ 1999年松山市長選挙の構図
 Ⅱ サーベイ調査からみえる全体傾向
 Ⅲ 知事発言と有権者心理の変化
 Ⅳ 相乗りへの不満と新人への投票−−まとめに代えて

第10章 相乗り選挙に対する批判の構造−−金沢市民に対する意識調査の結果から
 はじめに
 Ⅰ 相乗り選挙に対する評価の測定
 Ⅱ 相乗り枠組みに対する評価の形成要因
 Ⅲ まとめ

第11章 地方政治を取り巻く環境変化と相乗り選挙の衰退
 はじめに
 Ⅰ 受け皿の登場
 Ⅱ 「地域の悲願」の達成
 Ⅲ インセンティブの消失
 Ⅳ まとめ

第12章 「改革派」首長と住民参加−−住民参加制度の選挙戦術的側面
 はじめに
 Ⅰ 「改革派」の登場した経緯と住民参加制度のもつ意味
 Ⅱ 住民意識からみた参加の制度
 Ⅲ 政治参加制度をみる1つの焦点−−まとめに代えて

終章 「相乗り選挙枠組み」とは何であったのか

 あとがき
 参考文献リスト
 索引


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