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愛と戦いのイギリス文化史 1900ー1950年

愛と戦いのイギリス文化史 1900ー1950年

武藤浩史:ほか編
A5判 370ページ 並製
価格:2,750円 (消費税:250円)
ISBN978-4-7664-1328-1 C22
奥付の初版発行年月:2007年02月

内容紹介

20世紀前半のイギリスの文化を多彩な視点から読み解く入門書。
▼二度の世界大戦で「大英帝国」はどう変わったのか。階級、セクシュアリティ、ナショナリズム、メディアといったテーマを切り口として、この時代のテクスト(文学を含むさまざまな表現)とコンテクスト(社会的背景)を丁寧に読み解くことで、20世紀前半のイギリスの姿を浮き彫りにする。
▼年表、地図、推薦図書など学習のうえでの実用性に着眼しつつ、身近なテーマを扱ったコラムもふんだんに掲載し、読み物としても面白い内容。社会学的視点(階級、学校制度)、セクシュアリティ、ナショナリズム、メディアという、現在の文化研究において不可欠な概念を取り扱っており、「文化研究」全般にも応用できる入門書としても好適。


【編者紹介】
武藤浩史(むとう ひろし)
慶應義塾大学法学部教授。英国ウォリック大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。

川端康雄(かわばた やすお)
日本女子大学文学部教授。明治大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。

遠藤不比人(えんどう ふひと)
首都大学東京助教授。慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。

大田信良(おおた のぶよし)
東京学芸大学教育学部助教授。東北大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。

木下誠(きのした まこと)
東京成徳大学人文学部助教授。筑波大学大学院文芸・言語研究科博士課程単位取得退学。

【執筆者・編集協力者紹介(執筆順)】
茂市順子(もいち よりこ)
明治大学商学部専任講師。エディンバラ大学大学院文学研究科修了(Ph.D.)。

井上美雪(いのうえ みゆき)
慶應義塾大学理工学部非常勤講師。日本女子大学大学院文学研究科博士課程後期単位取得退学。

横山千晶(よこやま ちあき)
慶應義塾大学法学部教授。慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程修了。

村山敏勝(むらやま としかつ)
元成蹊大学文学部助教授。筑波大学大学院人文社会科学研究科博士(文学)。

山口菜穂子(やまぐち なほこ)
お茶の水女子大学大学院人間文化研究科博士後期課程在学中。

甘濃夏実(あまの なつみ)
東京藝術大学非常勤講師。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程在学中。

中山徹(なかやま とおる)
静岡県立大学短期大学部専任講師。筑波大学大学院文芸・言語研究科博士課程単位取得退学。

中井亜佐子(なかい あさこ)
一橋大学大学院言語社会研究科助教授。オクスフォード大学英文学部博士課程修了(D.Phil)。

河野真太郎(こうの しんたろう)
京都ノートルダム女子大学人間文化学部専任講師。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。

糸多郁子(いとだ いくこ)
桜美林大学外国語教育センター助教授。津田塾大学大学院文学研究科博士課程後期課程単位取得退学。

佐藤元状(さとう もとのり)
慶應義塾大学法学部専任講師(有期)。東京大学大学院総合文化研究科博士課程満期退学。

福西由実子(ふくにし ゆみこ)
慶應義塾大学他非常勤講師。東京大学大学院総合文化研究科博士課程満期退学。

渡辺愛子(わたなべ あいこ)
早稲田大学文学学術院専任講師。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。

太田昭子(おおた あきこ)
慶應義塾大学法学部教授。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。

目次

序章 1900年—帝国と「アングロ・ケルト」、セクシュアリティとジェンダー、労働党と自由党
   武藤浩史

第Ⅰ部 階級・くらし・教育
第1章 「ウィガン波止場」から見たイギリス—「階級」という厄介なもの   川端康雄
第2章 社会をつくりなおす—「再建」の社会主義   茂市順子・川端康雄
第3章 学校に行こう—イギリスの教育と階級   井上美雪
第4章 ミュージアムの冒険—イースト・エンドと芸術教育   横山千晶

第Ⅱ部 セクシュアリティ・女・男
第5章 友愛? ソドミー?—男性同性愛と性科学の階級的変奏   村山敏勝
第6章 愛と母性と男と女—イギリス大戦間期フェミニズム   山口菜穂子
第7章 エロスと暴力—大戦後の精神分析と文学   遠藤不比人
第8章 空襲下の夢幻—第二次世界大戦期のロンドンと幽霊物語   甘濃夏実

第Ⅲ部 イギリス・帝国・ヨーロッパ
第9章 帝国の見世物—プリンス・オヴ・ウェールズの海外ツアーと大英帝国博覧会   木下誠
第10章 退化と再生—フィジカル・カルチャー、優生学、ファシズム   中山徹
第11章 アフリカ・カリブ・ヨーロッパ(そして女)—帝国周縁の風景より   中井亜佐子
第12章 国民文化と黄昏の帝国—英文学・イングランド性・有機体論   河野真太郎
第13章 退屈と帝国の再編   大田信良

第Ⅳ部 メディア
第14章 英文学の変貌と放送の誕生—階級・メディア・2つの世界大戦   武藤浩史・糸多郁子
第15章 イギリス映画とは何か?—ナショナル・シネマの完成まで   佐藤元状
第16章 『ピクチャー・ポスト』の時代—ジャーナリズムとフォトジャーナリズム   福西由実子
第17章 メディアとプロパガンダ—戦争をめぐる大衆説得術の系譜   渡辺愛子

終章 1950年—労働党政権と想像的なものの意味   武藤浩史

Columns
「我々自身の人類学」—マス・オブザーヴェイション/ペンギン・ブックスとレフト・ブック・クラブ/20世紀前半のイギリス音楽—エルガーとプロムス、そしてブリテン/ラドクリフ・ホール『孤独の泉』(1928)について/「自然な女らしさ」の誕生—1920年代のファッション/「インクリングズ」の集い/イギリスと帝国と世界地図/帝国・島国・フットボール/2つの帝国、あるいは、グローバル化する文化/ミュージック・ホールの行方/20世紀前半の新聞史—イギリス大衆紙の隆盛/イギリス諜報部とスパイ小説/「ブリンプ大佐」というキャラ/オーウェルの戦時放送

参考文献
イギリス文化史年表
地図
索引
編者・執筆者・編集協力者紹介


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