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科学・感性・歴史生命の教養学へ

生命の教養学へ 科学・感性・歴史

B7 244ページ 並製
価格:2,640円 (消費税:240円)
ISBN978-4-7664-1126-3(4-7664-1126-9) C0000
奥付の初版発行年月:2005年02月 / 発売日:2005年02月上旬

内容紹介

領域横断的な「教養」に基づく新たな「生命」観を確立する。遺伝子、臓器移植、脳死、感染症、犯罪心理学・情報論、身体論といったジャンル横断的な切り口から、複雑な現代生命を捉えるために必要な知識を身に付ける一冊。また、生命を考える中から、現代社会の病巣(「生の意味の喪失」「生の実感のなさ」に悩む人々、カルト・ドラッグ・ファシズムの危険など)へも接近する。


編者紹介
慶應義塾大学教養研究センター
2002 年に日吉キャンパス・来往舎を拠点として開設された研究センター。時代と社会の変化に対応できる教養および教養教育にかかわる総合的な研究を企画・立案・組織し、主体的な研究活動を展開している。http://www.hc.keio.ac.jp/lib-arts/

武藤浩史(むとう・ひろし)
慶應義塾大学法学部教授。1958 年生まれ。慶應義塾大学卒、英国ウォリック大学Ph.D.
専門は英文化・文学。主な著書『ロレンス文学鑑賞事典』(共編著、彩流社、2002 年)「1900 年英国の身体なき声と声の身体」(石塚久郎・鈴木晃仁編『身体医文化論—感覚と欲望』慶應義塾大学出版会、2002 年)、『チャタレー夫人の恋人』(訳、筑摩書房、2004 年)など。

著者紹介(掲載順)
小松美彦(こまつ・よしひこ)
東京海洋大学海洋科学部教授。1955 年生まれ。1989 年東京大学大学院理学系研究科・科学史科学基礎論博士課程単位取得。玉川大学文学部助教授、東京水産大学教授などを経て、東京水産大学と東京商船大学の統合に伴い2003 年より現職。主要著
書に、『死は共鳴する−脳死・臓器移植の深みへ』(勁草書房、1996 年)、『黄昏の哲学−脳死臓器移植・原発・ダイオキシン』(河出書房新社、2000 年)、『対論人は死んではならない』(春秋社、2002 年)、『自己決定権は幻想である』(洋泉社新書、2004年)、『脳死・臓器移植の本当の話』(PHP 新書、2004 年)など。

井田 良(いだ・まこと)
慶應義塾大学大学院法務研究科(法科大学院)教授。1989 年、ドイツ・ケルン大学で法学博士号取得。慶應義塾大学法学部助手、助教授、教授を経て、2004 年より現職。
専攻は、刑法及び医事法。日本刑法学会理事、法務省法制審議会刑事法特別部会委員、文化庁宗教法人審議会委員などを務める。主要著書として、『理論刑法学の最前線』(岩波書店、2001 年、共著)、『基礎から学ぶ刑事法[第2版]』(有斐閣、2002 年)、『刑法各論』(弘文堂、2002 年)、『ケーススタディ刑法[第2版]』(日本評論社、2004 年、共著)など。

小泉義之(こいずみ・よしゆき)
立命館大学大学院先端総合学術研究科教授。1954 年札幌市生まれ。1988 年東京大学大学院人文科学研究科博士課程哲学専攻退学。宇都宮大学教育学部講師、立命館大学文学部教授を経て、2003 年より現職。主な著書『なぜ人を殺してはいけない
のか?』(共著、河出書房新社、1998 年)、『ドゥルーズの哲学』(講談社、2000 年)、『レヴィナス』(NHK 出版、2003 年)、『生殖の哲学』(河出書房新社、2003 年)など。

竹内 勤(たけうち・つとむ)
慶應義塾大学医学部教授。日本熱帯医学会理事長。1970 年、慶應義塾大学医学部卒。1973 年アメリカNational Institute of Health, Visiting Fellow/ Associate。主な著書『臨床検査技術学14 医動物学』(医学書院、1997 年)、『グローバル時代の感染症』(編著、慶應義塾大学出版会、2004 年)など

西村由貴(にしむら・ゆき)
慶應義塾大学保健管理センター専任講師。1993 年、筑波大学医学研究科博士課程修了。医学博士。国立精神・神経センター精神保健研究所研究員、警察庁科学警察研究所防犯少年部主任研究官などを経て、2004 年より現職。主な著書・訳書『うつ家族はどうしたらよいか:兆候・治療・接し方・再発防止 迷い,悩んだとき』(池田書店、2003 年)、『FBI 心理分析官のプロファイリング:「動機」が怖いほどよく読める!』(ジョン・ダグラス著、三笠書房、2001 年)、『Hare PCL-RTM 第2 版』(ロバート・ヘア著、金子書房、2004 年)など。

識名章喜(しきな・あきよし)
慶應義塾大学商学部教授。1984 年、東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学(ドイツ文学)。慶應義塾大学商学部助手、助教授を経て、2000 年より現職。
主要著書・訳書・論文に、巽・坂本(編)『ユートピアの期限』(共著、第8 章担当、慶應義塾大学出版会、2002 年)、J・ヘルマント『理想郷としての第三帝国』(柏書房、2002年)、R・ザフランスキー『E.T.A.ホフマン』(法政大学出版局、1994 年)など。

棚橋 訓(たなはし・さとし)
東京都立大学人文学部社会学科助教授。1982年慶應義塾大学文学部卒。1984 年慶應義塾大学大学院修士課程修了。1989年東京都立大学大学院博士課程中退。博士(社会人類学)。北海道東海大学専任講師、慶應義塾大学文学部助教授を経て2001年より現職。専門は社会人類学、オセアニア民族誌学。主な著書に『恋愛と性愛』(共著、早稲田大学出版部、2002 年)、『民族の運動と指導者たち−歴史のなかの人びと』(共著、山川出版社、2002 年)、『都市の誕生』(共著、アジア経済研究所、2000 年)、『異性愛をめぐる対話』(共著、飛鳥新社、1999 年)など。

室井 尚(むろい・ひさし)
横浜国立大学教育人間科学部教授・日本記号学会会長。1982 年京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了(美学美術史学)。帝塚山学院大学専任講師、横浜国立大学助教授を経て現職。主要著書に『情報宇宙論』(岩波書店、1991 年)、『情報と生命』(吉岡洋と共著、新曜社、1993 年)、『哲学問題としてのテクノジー』(講談社選書メチエ、2000 年)など。

目次

目次:
序 生命の教養学へ  武藤浩史
第1部 生命倫理からのアプローチ
  バイオエシックスは死生をどう捉えてきたのか 小松美彦
  生命の法的保護をめぐる根本問題 井田良
  二つの生権力——ホモ・サケルと怪物 小泉義之  
第2部 医科学からのアプローチ
  新興・再興感染症の今日的意味 竹内勤
  犯行前後の精神状態——正常か異常か? 西村由貴
第3部 人文科学からのアプローチ
  ナチズムと身体——優生学のユートピア? 識名章喜
  性の魅惑、性の恐怖——現代日本文化をめぐって 棚橋訓
  情報と生命——生き物として輝くために 室井尚


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