大学出版部協会

 

 ハイデガー『存在と時間』における〈対話的な場〉身体忘却のゆくえ

身体忘却のゆくえ ハイデガー『存在と時間』における〈対話的な場〉

A5判 266ページ 上製
価格:4,180円 (消費税:380円)
ISBN978-4-588-15112-5 C1010
奥付の初版発行年月:2021年02月 / 発売日:2021年02月中旬

内容紹介

西洋哲学の歴史が忘却してきたのは、存在者の〈存在〉だけでなく、私たちの生身の〈身体〉もまた見失われてきたのではないか。従来、ハイデガー存在論に対して向けられてきた〈他者の不在〉という根本的批判、〈共存在〉をめぐる倫理の難問に、〈身体〉を介した〈対話〉の場の究明をつうじて正面から取り組む試み。第5回「ハイデガー・フォーラム渡邊二郎賞」受賞者による気鋭の論考。

著者プロフィール

高屋敷 直広(タカヤシキ ナオヒロ)

岩手県出身。2019年度、法政大学大学院人文科学研究科哲学専攻博士後期課程修了、博士(哲学)。現在、法政大学・浦和大学特別招聘講師など。専門領域はハイデガーを中心とする現代思想、身体論、倫理学。
主要業績:『ハイデガー事典』(共著:項目執筆、昭和堂、近刊予定)、「場所としての身体性──前期ハイデガーにおける身体問題の射程」(『信仰と実存』理想社)、「〈対話〉における開示の〈場〉──ハイデガー『存在と時間』における根源的倫理の萌芽」(『倫理学年報』第65集)、「生をあらわにする「身振り」──生命理解に対するハイデガー身体論の射程」(ハイデガー・フォーラム第15回大会一般研究発表)など。
主な受賞歴:第5回「ハイデガー・フォーラム渡邊二郎賞」、2018年度「法政哲学会 泰本賞」。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

凡 例
まえがき

序 論
 第1節 本書の目的
 第2節 先行研究の現状と課題
 第3節 本書の考察方法
 第4節 本書の構成

第1章 存在了解の遂行の〈場〉──〈対話的な場〉の究明に向けて
 第1節 「時間」への問いから〈場〉への問いへ
 第2節 ハイデガー時間論の解釈史──時節性の未完と自然の関係を手掛かりに
 第3節 『存在と時間』における自然概念の読解──純然たる眼前性への示唆
 第4節 『存在と時間』の時間論がもつ限界の検討──ドレイファス説を通じて
 第5節 自然を誤解する「自然時間」──ドレイファス説の制限
 第6節 存在了解の遂行の〈場〉──自然における被投的な「身体」に定位して
 第7節 〈対話的な場〉の究明へ──〈身体忘却〉の考察を手掛かりに

第2章 実存論的な空間性を可能にする〈場〉──現存在の「身体」の究明
 第1節 『存在と時間』における現存在の「身体」への問い
 第2節 ハイデガーの身体問題をめぐる新たな戦場──「身体・霊魂・精神」の破壊
 第3節 「身体」を〈場〉として解釈する視点──セルボーン説を手掛かりに
 第4節 実存論的な空間性の根源性──アルワイス説を手掛かりに
 第5節 「空間を許容すること」に対する「身体」の関係
 第6節 「方向づけ」の根拠に対するハイデガーのカント批判
 第7節 実存論的な空間性を可能にする〈場〉としての「身体」

第3章 身振りとしての〈場〉──「身体」と「語り」の連関の究明
 第1節 「身体」と「語り」の連関への問い
 第2節 「語り」をめぐるハイデガー身体論の解釈史──「身振り」の解釈へ向けて
 第3節 「身体」と「語り」の日常的な連関の提示──ヴァルデンフェルス説を通じて
 第4節 「身体」と「語り」の連関の存在論的根拠──ヴァルデンフェルス説の制限
 第5節 思索の身振り──バウアー説を手掛かりに
 第6節 身振りの固有な空間性としての「場」──バウアー説の検討
 第7節 『存在と時間』における身振りとしての〈場〉──「身体」と「語り」の存在論的な連関

第4章 現事実的で異質な他者と出会う〈場〉──「身体」に基づく共存在の究明
 第1節 現事実的で異質な他者への問い
 第2節 共存在の解釈史──事実性および「身体」を手掛かりに
 第3節 共存在の解釈における被投性の重視──クリッチリー説を通じて
 第4節 「根源的な非本来性」から〈現事実性〉へ──クリッチリー説の制限
 第5節 「身体」と共存在──ミヒャルスキー説を手掛かりに
 第6節 現事実的な共存在──ミヒャルスキー説の検討
 第7節 現事実的で異質な他者と出会う〈場〉──「身体」に基づく共存在

第5章 「語り」の遂行としての〈対話〉──『存在と時間』における「言うこと」と「名付けること」の究明
 第1節 「語り」の遂行への問い──おしゃべりとの対決としての『存在と時間』
 第2節 ハイデガー言語論の解釈史における「言うこと」と「名付けること」
 第3節 ギリシア哲学からの影響──「オノマ」と「レーマ」の解釈を手掛かりに
 第4節 『存在と時間』における「名付けること」の用法──実存疇に定位して
 第5節 『存在と時間』における「言うこと」の用法──「名付けること」との連関をめぐって
 第6節 真理に即した「言うこと」の新たな意義と「聞くこと」
 第7節 「語り」の遂行としての〈対話〉──現存在と存在の呼応関係

第6章 『存在と時間』における〈対話的な場〉──他者との〈対話〉という「倫理」の究明
 第1節 「倫理」への問い──「語り」の反復に定位して
 第2節 根源的倫理の解釈史──『存在と時間』における「倫理」をめぐって
 第3節 『存在と時間』における存在の近さと言葉──ケッテリング説を手掛かりに
 第4節 「語りとしてのロゴス」と「現」の開示性
 第5節 「言うこと」と「名付けること」に基づく「倫理」──存在との〈対話〉
 第6節 現存在と共現存在の「倫理」──他者との〈対話〉
 第7節 『存在と時間』における〈対話的な場〉──〈身体忘却〉のゆくえ

結 論

あとがき
初出一覧
参考文献一覧
事項索引
人名索引


一般社団法人 大学出版部協会 Phone 03-3511-2091 〒102-0073 東京都千代田区九段北1丁目14番13号 メゾン萬六403号室
このサイトにはどなたでも自由にリンクできます。掲載さ>れている文章・写真・イラストの著作権は、それぞれの著作者にあります。
当協会 スタッフによるもの、上記以外のものの著作権は一般社団法人大学出版部協会にあります 。