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生物圏の環境

生物圏の環境

A5判 236ページ 並製
価格:3,300円 (消費税:300円)
ISBN978-4-501-62240-4 C3051
奥付の初版発行年月:2007年11月 / 発売日:2007年11月下旬

内容紹介

最近の知見を取り入れて詳解する.

前書きなど

 本書では既刊の「水圏の環境」,「大気圏の環境」,「地圏の環境」に続いて「生物圏の環境」を取り上げる。近年,環境問題がクローズアップされてきているが,建設工学に携わる技術者は自然環境に配慮するという立場を担うことが求められる。そのためには生物と環境についての関わりについて理解を深める必要があり,それを目的とした講義が各大学で開講されるようになってきている。しかし,基礎となる生物の知識を最低限含みつつ,建設分野で得られてきた最近の知見を取り込んだ教科書は極めて少ない。そのため,各大学の担当者が手作りの教材を使用して教育を進めているのが現状であると考えられる。本書はそのような現状に鑑みて敢えて非学非才を顧みず執筆を進めたものである。有り難いことに適切な執筆者を得て当初の目的をある程度達成できたと考えている。なお,本書のタイトルは「生物圏の環境」であるが題材は主に現在までに建設分野で取り上げられてきたものが中心となっている。よって,当該分野の発展によって取扱う分野が今後も拡大するものであることを記しておきたい。本書が僅かなりとも世のお役に立てればと願う。
 西暦2007年10月11日(父の13回忌)
 松風台にて
 有田正光


目次

第1章 生態学の基礎
 1−1 生態学の視点
 1−2 生物個体と環境
 1−3 生態系と食物連鎖
 1−4 個体群の構成と成長
 1−5 個体群動態モデル
 1−6 ニッチと生物多様性
 1−7 群集動態
 1−8 物質循環とエネルギーの流れ
 参考文献
第2章 生態系に関わる環境要素
 2−1 ニッチと自然環境
 2−2 大気圏・水圏・土壌圏の概略
 2−3 水の持つ性質と環境との関わり
 2−4 水域の物質移動過程の基礎
 2−5 物体の熱収支
 2−6 植生と大気環境
 2−7 密度流と混合
 2−8 流れと物質の拡散・分散の基礎方程式
 参考文献
第3章 各圏の生態系
 3−1 土壌中の生態系
 3−2 陸域生態系
 3−3 陸/水域境界の生態系
 参考文献
第4章 生態系と環境
 4−1 環境変化と環境汚染が生態系に与える影響
 4−2 屋上緑化・壁面緑化・街路樹
 4−3 大型水生植物による水質・土壌の環境浄化
 4−4 河川の環境修復技術
 4−5 湖沼の環境修復技術
 4−6 海岸の環境修復技術
 4−7 その他の環境修復技術
 参考文献
第5章 水質およびエコロジカルモデリング
 5−1 河川・湖沼の簡易な水質予測モデル
 5−2 より高度な水質予測モデル
 5−3 植物プランクトンの増殖モデル
 5−4 水生植物の生態系モデル(ガガブタを事例として)
 5−5 魚類の生態系モデル
 5−6 森林動態モデル
 5−7 生態系モデルの最近の動向
 参考文献

執筆分担
第1章 池田裕一
第2章 有田正光
第3章 栗山昭・田中規夫
第4章 中井正則・田中規夫
第5章 池田裕一・田中規夫・中井正則


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