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 教養・平和・未来戦後教育学の再検討 下

戦後教育学の再検討 下 教養・平和・未来

A5判 352ページ
価格:7,040円 (消費税:640円)
ISBN978-4-13-051352-4 C3037
奥付の初版発行年月:2022年05月 / 発売日:2022年05月上旬

内容紹介

「戦後教育学」の思想とは何を指すのだろう.発達,人権,教養,平和などのテーマごとに,一線の研究者・教育実践者が,その来し方をふりかえり自らの足元を掘り起こしつつ,次の日本の教育,近代のその先の社会を見据え,いまだ未完の課題に向けて進化してゆく方向を描く.

著者プロフィール

田中 孝彦(タナカ タカヒコ)

元武庫川女子大学教授

田中 昌弥(タナカ ヨシヤ)

都留文科大学教授

杉浦 正幸(スギウラ マサユキ)

麻布中学校・高等学校教諭

堀尾 輝久(ホリオ テルヒサ)

東京大学名誉教授/中央大学名誉教授

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

第IV部 教養と文化

第1章 戦後教育における教養と学校(杉浦正幸)
 はじめに 教養をなぜ問題にするのか
 一 教養とは何だったか
 二 戦後社会における教養――「国民的教養」の射程
 三 高度成長期以後の教養の一断面――受験競争の変質が意味するもの
 四 これからの教養と学校
 おわりに

第2章 教育実践と教育実践批評――『学力への挑戦』から『新・学力への挑戦』への歩みをふりかえる(仲本正夫)
 はじめに
 一 私の実践の土台になった三つの新しい世界の発見
 二 微積分の授業づくりの骨格
 三 八〇年代初頭の『学力への挑戦』等に対する教育実践批評
 四 一九八三年度〜八六年度の授業づくり
 五 八七年度〜八九年度の高一、高二、高三の授業づくり
 六 教育実践批評は、「人間のための数学」への視界をひらく「新しいメガネ」

第3章 歴史・平和教育の試練と向き合う
     ――若い世代にバトンをわたすために(目良誠二郎)
 はじめに
 一 東大闘争の経験を問い直す
 二 「暴露・告発型」授業の反省
 三 「もうひとつの日本」の教材化
 四 朝鮮の植民地支配は歴史の必然だったのか?
 五 非暴力による平和
 おわりに

第4章 公教育における宗教的中立性の再検討
     ――宗教的教養をどのように「涵養」するのか(柴沼 真) 
 問題の所在
 一 森有礼の「宗教自由論」についての検討
 二 アメリカにおける政教分離論成立の歴史的背景について
 三 日本での公教育における宗教の取り扱いに関する検討
 四 まとめ――現代的問題としての宗教をどのように公教育で扱うか

第5章 現代の教養と大学(光本 滋)
 はじめに
 一 大学改革と教養の危機
 二 政策における「教養」論
 三 大学改革と「教養」批判
 四 教養の思想と大学改革
 五 教育(学)の視点からの大学批判
 六 教育学的教養論の批判と継承

第V部 戦争と平和と教育

第1章 地球時代と平和――九条を軸に、自分史とかさねて(堀尾輝久)
 一 地球時代の視点からみた日本の戦後
 二 自分史にとっての戦争と平和 ― 八・一五とその後
 三 いま為すべきこと

第2章 「誉れの子」への序章――戦時下における「国家と少年」(斉藤利彦)
 はじめに
 一 軍人援護政策の展開と「社頭の対面」
 二 「誉れの子」に語られたもの
 三 「誉れの子」たちが受けとめたもの
 おわりに――国家の冷徹なシナリオ

第3章 戦後日本の「平和」の歴史と構造
      ――「憲法・教育基本法体制」下の平和と教育の「現実」と位相(河上暁弘) 
 一 戦後日本の「憲法・教育基本法体制」成立の歴史的意味と「平和」
 二 戦後日本の「四重システム」と「平和」
 三 高度成長と日本の政治・経済構造
 四 「ゆたかな社会」日本はいかにして形成されたか
 五 日本経済の構造変化と軍事大国化・グローバル競争大国化への道

第4章 地球時代と未来世代の権利(太田 明)
 はじめに
 一 〈地球時代〉
 二 〈未来世代の権利憲章〉から〈現在世代の責任宣言〉へ
 三 未来世代の権利論の難点

第VI部 教育学のこれから

第1章 戦後教育学とその批判をめぐる争点
     ――堀尾輝久の教育学に焦点をあてて(宮盛邦友) 
 はじめに
 一 堀尾輝久『現代教育の思想と構造』をめぐって
 二 教育学的〈子どもの発達論〉・〈子どもの権利論〉をめぐって
 三 教育における〈人間観〉と〈国家観〉をめぐって
 おわりに

第2章 ナラティブ・アプローチによる教育学の再構成(田中昌弥)
 はじめに――戦後教育学が残してきた課題の今日的復活
 一 ナラティブ・アプローチが示唆する教育のあり方
 二 二一世紀型人材養成論の「大きな物語」とその限界
 三 戦後教育学と教育実践研究に含まれていたナラティブを明示化する
 おわりに

第3章 戦後日本の教育社会学と、教育学研究
     ――「民主主義」と「教育実践」(久冨善之)
 はじめに 教育社会学と教育学研究との出合いの焦点 
 一 社会学の実証性と民主主義をめぐって
 二 教育社会学の視角と、戦後日本におけるその成果  
 三 教育の「実践性」「価値性」と教育社会学
 結び――「ペダゴジーの社会学」に教育実践解明の新しい可能性  

第4章 教師・教育研究者の〈子育て難渋〉の背理を超えて
     ――戦後教育学の諸エートスを「中継世代」として掘り返す(井上星児)
 一 〈丸山―勝田―堀尾〉が形づくる戦後教育学の理念空間
 二 戦後五年の試行錯誤的議論が七〇年後の後学世代を魅する理由
 三 戦後教育学は、教育における「可謬性」の主題に、どう対処したか
 四 教師・教育研究者ゆえの「子育て」の難渋・失敗の問題
 おわりに――丸山は二度も大卒者特典を放念し、酷烈な二等兵卒を生きた

第5章 総合的人間学としての教育学(下地秀樹)
 一 教育の総合性、教育学の総合性と時代認識
 二 「人間学としての教育学」から「総合的人間の科学としての教育学」へ
    ――勝田守一・堀尾輝久の総合的教育学構想
 三 「総合的人間学(あるいは人間の科学)としての教育学」のそれからとこれから

おわりに 戦後日本の教育学の蓄積についての「異世代共同」による検討の試み(田中孝彦) 


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