部会だより(編集部会)

 正副部会長会議を開催

 さる6月10日に編集部会の正副部会長4名が東京大学出版会会議室に集まって、今年度の方針などを話し合った。4月からは新任の部会長にかわったので、顔合せにもなった。
 本誌については製作・配本状況のほか、発行のPRや効果的な配布法も俎上にのせ、これに関しては各出版部もそれぞれに努力すべきだとの意見がでた。これまで多大な刊行助成実績のある日生財団や、同じように学術書刊行助成に貢献している諸団体の記事も載せたらどうかとの意見もでて、今後煮詰めることになった。
 また、夏秋の研修会で予定されているケース・スタディ発表(夏季は東京電機大学出版局、秋季は北海道大学図書刊行会が担当)について、テーマの掘り下げやフォロー報告などが検討された。秋季研修会は10月22、23の両日、関西の神戸市周辺で行い、図書館員との交流や親睦会などを予定しているので、興味のある方々は、是非ご参集ください。




 関西支部だより

 法人化へむけて

 成果公開の領域については緩やかな転換期に、出版・経営実績は明らかに踊り場状況にあるというのが、ここ数年の実感である。柳原・鈴木と連続した取次の倒産の余波を受けたことを言い訳にしたいところだが、創立15年の小さな歴史のなかで、2度にわたる節目の2度目が終わろうとしているのだ、と総括するほうが正しいだろう。
 そこで、この転換をできれば主体的に呼び込もうとして、一昨年度末に「中期五カ年経営計画」なるものを策定した。総花的な作文にすぎないとも思うが、継続的に事業をやり、それをプラスのほうに舵取りし続けていくには、やはり絵が必要であろう。われわれの場合、母体大学とは独立した経営体であるのでなおさらである(もちろん、この計画も大学に追認してもらっている)。中身をひとつひとつ実行に移していくのは、むろん大変である。日常の活動のなかに複眼的志向をこめてやっていかなければならない。大枠と個別課題と。こうした場合に、事柄を整理し、組織的にも集約点を明確にするため、何か踏み台がほしい。そこで、この中間点に「法人化」を設定した。
 法人化そのものは、単なる事務手続きにすぎない。直接的な効果はもちろんあって、それだけが目的であれば、外部環境が整えばいつでも可能であろう。じっさいに、われわれにとっては、この時期というのは国立大学の法人化に重なることになり、厳密にはこの時期の選択というのはかなりインパクトのあることになろう。これは、間違いなく幸運とすべきである。が、要は、それ以上に内なるインパクト効果を、より重視したいということである。何を分かり切った幼稚なことを、と笑われそうだが、少なくとも法人化についての私自身のとらえかた、覚悟のようなものはこの程度である。
 法人は中間法人を選択した。その準備に1年をかけ、来年度には実現したいと思っている。
小野利家(京都大学学術出版会)




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