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有限責任中間法人 大学出版部協会
設立のご挨拶



理事長  山口 雅己




 1963年に8つの大学出版部と2つの学術団体により任意団体として創設された大学出版部協会は、本年7月1日をもって「有限責任中間法人大学出版部協会」として登記を完了し、「社会的責任をもった、権利能力のある社団」として新たな出発をいたしました。

 中間法人とは、法の規定によると、そのメンバー(社員)に共通する利益を図ることを目的とし,かつ,剰余金を社員に分配することを目的としない社団とされています。「公益性」は設立の要件となっておりませんが、「有限責任中間法人大学出版部協会」としては、公益に寄与してこそ、その設立の意義があると考えていることを、まず申しあげたいと思います。

 今回の法人化にあたっては28の大学出版部が設立時社員となっています。これは中間法人の定款認証としては例のないことのようで、たくさんの実印が押された定款をご覧になった公証人の先生は、「たいへんな労作です」と言って、法人設立を認証してくださいました。その折「学術の振興と普及のために頑張ってください」という励ましのお言葉も賜ったと聞いておりますが、この言葉の背景には、大学出版部あるいは大学出版部協会に対する、社会のおおきな期待があるのだろう、と考える次第です。

 大学出版部協会は、任意団体としてもこれまで40有余年の活動を続けてきましたが、出版界全体からすれば、規模的には微々たるものです。たとえば加盟出版部の昨年一年間の新刊点数は合計で730点ですから全体の1%程度にしかすぎませんし、個々の大学出版部の「体力」にも差があると言わざるを得ません。しかしながら28の大学出版部には、母体大学をその存立の基盤として、日本の高等教育界および日本のアカデミズムを共通背景にもつという、他の出版団体には見られない特殊性と独自性があります。先ほどの公証人の先生のお言葉も、このような意味合いで理解すべきものと思います。

 「有限責任中間法人大学出版部協会」の定款には10項目の事業が記載されています。この10の事業項目に沿った実行計画を立案していくうえでもっとも重要なのは、「大学出版活動を社会に開く」ということだと考えます。社員である28の大学出版部、あるいは協会そのものが経済的に成り立つことを前提として、社会的存在としての大学出版部協会にとって「果たすべき」、あるいは「ふさわしい」事業とはなにか、換言すれば大学出版部に期待されていること、大学出版部だからこそできることはなにか、ということを常に意識しつつ、事業展開を考えていく所存でおります。

 また、出版界の一員としてでき得る限りの貢献をするとともに、状況によっては協会として出版界に対して意思表示をし、権利主張をする力をつけていけたら、とも思います。

 この小文をお読みいただいた皆様には、「有限責任中間法人大学出版部協会」の今後の活動に、なお一層のご理解・ご助力・ご支援を賜りますよう、お願い申しあげます。