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地球儀学入門

地球儀学入門

A4判 450ページ 上製
定価:16,200円+税
ISBN978-4-903866-45-1 C3025
奥付の初版発行年月:2018年01月 / 発売日:2018年01月下旬

出版部から一言

 本書は7章からなり、1章は地球儀の基礎として各部名称と地球儀の分類について、2章では欧米と本邦における地球儀製作史について記述した。江戸中期の起伏地球儀製作は、世界的にも早期の可能性を述べるとともに、明治期に盲人教育に特化した起伏地球儀の製作は、精査を要するが、世界にも例の無いことを指摘した。3章の本邦製地球儀では、初期の地球儀製作者、渋川春海、町人製作者の稲垣定穀、江戸末期の地図学者、新発田収蔵が関与した角田桜岳の地球儀を記載し、新知見を加えた。4章では、記載を携帯地球儀に特化し、土浦の町人、沼尻墨僊の製作した傘式地球儀、英国BETTS社製の同型地球儀について、両者の特徴、製作時期を記載し、比較検討を加え、後者は1856-58年の製作であり、1855(54以前?)年製作の墨僊のそれに遅れることを記載した。これのみでも、世界初であるが、彼が長らく秘匿した初期(1800年)のそれが傘式地球儀であれば、世界地球儀製作史上、遙か先頭を走っていたことも指摘した。
 5章では、地球儀研究の新しいアプローチとして、地球儀球面上の地理情報量の調査法を開発し、米国製と本邦製地球儀、及び古地球儀であるBETTS社製傘式地球儀について情報量を吟味し、調査法として有益であることを実証した。古地球儀球面の地理情報については経度測定の不十分な時代には適用困難であるが、BETTS社製傘式地球儀では一定の成果が得られた。6章では地球儀研究のもう一つの新アプローチ法として、絵画をはじめとした画像や彫像の中の地球儀を吟味するとともに、Hitlerの地球儀とされるコロンブス社製大地球儀や、LIFE誌やほぼ70年後に報道された、いわゆる「Hitlerの地球儀」の画像や戦時下の写真の解析により新知見を得た。7章では沼尻墨僊の傘式地球儀の調査研究に不可欠な和傘の調査を資料として加えている。江戸時代の地理学史研究や地球儀研究こぼればなしは収録できなかったが、鋭い読者は本書が手抜きのない学術書でありながら、警世の書でもあることに気付くであろう。

前書きなど

学習机上の小さな地球儀。単に場所を示すばかりでなく、製作時代の世界観の伝達や侵略の先兵としても利用された。筆者は本邦を顧み、戦後擦り込まれ続けた現代史への色眼鏡を外すことが出来た。

著者プロフィール

宇都宮 陽二朗(ウツノミヤ ヨウジロウ)

元・三重大学教授

上記内容は本書刊行時のものです。

目次



1章   地球儀の基礎
 1.1 地球儀の各部名称
 1.2 地球儀の分類試案
2章   地球儀の歴史
 2.1 欧米における地球儀製作について
 2.2 本邦における地球儀製作について-製作技術及び構造からみた本邦における地球儀製作史-
3章   本邦製地球儀について
 3.1 神宮徴古館農業館蔵の渋川春海作地球儀
 3.2 渋川春海(安井算哲)の製作に係る最古の地球儀
 3.3 稲垣定穀の製作した地球儀
 3.4 下関市立美術館蔵、香月家地球儀について
 3.5 萩博物館蔵妙元寺旧蔵の地球儀について
 3.6 角田家地球儀について
4章   携帯地球儀
 4.1 沼尻墨僊の考案した地球儀の製作技術
 4.2 沼尻墨僊の製作した地球儀球面上の世界図
 4.3 沼尻墨僊の製作に係る傘式地球儀上の地名について
 4.4 幕末における一舶来地球儀-英国BETTS社製携帯用地球儀について
 4.5 土井家旧蔵のBETTS新型携帯地球儀のゴアに関する2,3の知見
 4.6 沼尻墨僊の大輿地球儀とBETTS携帯用地球儀(新旧)の比較
5章   地球儀研究の新たなアプローチ1 - 地球儀上の情報量
 5.1 球儀上に表された地理情報量の評価法について
 5.2 和製地球儀球面上の地理情報量について
 5.3 英国BETTS社製地球儀球面上の情報量について
6章   地球儀研究の新たなアプローチ2 - 画像や彫像の中の地球儀
 6.1 画像や彫像の中の地球儀 -情報伝達と寓意の表示として-
 6.2 画像や彫像の中の地球儀 -Hitlerの地球儀-
7章   資料
 7.1 地球儀にまつわる傘のはなし

図表写真リスト
索引 (人、組織名索引、国、地方及び事項索引)
謝辞
あとがき


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