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 東‐西をめぐる翻訳・映像・思想学芸の還流

専修大学社会科学研究所 社会科学研究叢書16
学芸の還流 東‐西をめぐる翻訳・映像・思想

A5判 464ページ 上製
定価:4,800円+税
ISBN978-4-88125-291-8 C3370
奥付の初版発行年月:2014年03月 / 発売日:2014年04月上旬

内容紹介

ヨーロッパと東アジアの諸地域、具体的にはフランス・中国・日本・韓国を中心とする複数地域にまたがる近現代の学術・思想・文学・翻訳・映画表象などの形成過程の諸問題を扱う。意識的に三つ以上の多数の地域・国家間の相互関係、相互交流を主題化することにより、二者の比較研究とは質的に異なった複雑で動態的な様相を可視化することを企図している。表象文化研究と近現代史研究の方法を結合している点にも意義があると考えている。

著者プロフィール

鈴木 健郎(スズキ タケオ)

[現職]専修大学商学部准教授。[専門]宗教学宗教史学,中国宗教史・道教研究。
[著書・論文]「丹道在日本的實踐性展開:宗教‧武術‧醫術」『丹道實踐:近代人文與科技相遇的養生文化』政大出版社2013年,「白玉蟾と道教聖地」日本道教学会『東方宗教』120, 2012年,「道教と「スピリチュアリティ」」日本宗教学会『宗教研究』84/365(2),2010年,「「道教美術」とは何か」齋藤龍一・鈴木健郎・土屋昌明共編『道教美術の可能性』(アジア遊学133)勉誠出版2010年,「「洞天」の基礎的考察」『道教と共生思想』大河書房2009年,「白玉蟾の雷法説」日本道教学会『東方宗教』103, 2004年,「白玉蟾の内丹説」日本道教学会『東方宗教』102, 2003など。

根岸 徹郎(ネギシ テツロウ)

[現職]専修大学法学部教授。[専門]現代フランス文学・フランス演劇。
[著書・論文]編著に『日本におけるポール・クローデル』,論考に「詩人=大使クローデルの誕生」,『古典・実行・舞台芸術―クローデルとジュネをめぐる二冊の本』,「ジャン・ジュネにとっての"あなたたち"と"わたしたち"」―『公然たる敵』を中心に」など。翻訳に『ジュネ伝』(E・ホワイト),『公然たる敵』(J・ジュネ),『パパも食べなきゃ』(M・ンディアイ)など。

厳 基珠(オム キジュ)

[現職]専修大学ネットワーク情報学部教授。[専門]朝鮮文学。
[著書・論文]「六堂崔南善の獄中親筆原稿について」『韓国近代文学と日本』ソウル:Somyeong出版,2003年。「朝鮮本『薛仁貴伝』の形成様相」『長安都市文化と朝鮮・日本』汲古書院,2007年。「東アジア三国における『剪燈新話』の存在様相」『東アジア社会における儒教の変容』専修大学出版局,2007年。「中国・日本・韓国における愚人譚の一類型比較」『専修人文論集』86号,2010年。

土屋 昌明(ツチヤ マサアキ)

[現職]専修大学経済学部教授。[専門]中国文学・思想史。
[著書・論文]「『理性の国』と文化大革命―梁漱溟における儒教の変容」『東アジア社会における儒教の変容』専修大学出版局,2007年。書評:「印紅標『失蹤者的足跡―文化大革命期間的青年思潮』」『専修大学人文科学研究所月報』第244号,2010年3月。「いま文化大革命をいかに問題化するか」『情況』2010年10月号。「从日本人的眼睛看记录片《中国》」中国艺术研究院『艺术研究』2012年第10期。「文革時期を撮った映像と文革社会史」『専修大学社会科学研究所月報』596号,2013年2月。

三枝 壽勝(サエグサ トシカツ)

[現在]東京外国語大学名誉教授。[専門] 朝鮮文学および東アジア文学。
[著書・論文](以下すべて原文は朝鮮語)『韓国文学研究』ペトゥルブック,2000年。「鄭芝溶の詩『郷愁』に現れた単語の考察」『詩と詩学』1997年夏号。「金素雲は何をしたのか?―金素雲翻訳詩集備忘録」『韓国近代文学と日本』Somyeong出版,2003年。「笑話集と話芸」『国語国文学』136号,2004年5月。

下澤 和義(シモザワ カズヨシ)

[現職]専修大学商学部教授。[専門]フランス文学,表象文化論。
[著書・論文]共著に『アルス・イノヴァティーヴァ レッシングからミュージック・ヴィデオまで』中央大学出版部,『フランス現代作家と絵画』水声社ほか。訳書にロラン・バルト『小さな歴史』『小さな神話』以上,青土社,『ロラン・バルト著作集第5巻 現代社会の神話』みすず書房,グロード/ルエット『エッセイとは何か』法政大学出版局ほか。共訳にコルバン/クルティーヌ/ヴィガレロ監修『身体の歴史 Ⅲ』藤原書店ほか。

劉 文兵(リュウ ブンペイ)

[現職]専修大学経済学部非常勤講師。[専門]表象文化論,映画学。
[著書・論文]著書に『中国抗日映画・ドラマの世界』祥伝社新書,2013年,『中国映画の熱狂的黄金期―改革開放時代における大衆文化のうねり』岩波書店,2012年,『証言 日中映画人交流』集英社新書,2011年,『中国10億人の日本映画熱愛史―高倉健,山口百恵からキムタク,アニメまで』集英社新書,2006年,『映画のなかの上海―表象としての都市・女性・プロパガンダ』慶應義塾大学出版会,2004年。共著に『日本映画は生きている 踏み越えるドキュメンタリー』岩波書店,2010年,『表象のディスクール メディア』東京大学出版会,2000年がある。論文多数。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

まえがき
第1章 墨、紙、そして筆
 ――ポール・クローデルが日本で刊行した「書物」をめぐって  根岸徹郎
 1.日本で出版されたクローデルの本
 2.日本におけるクローデル
 3.クローデルが日本で刊行した本
 4.表意文字としてのアルファベット
 5.一冊の本から一枚の紙へ
 6.詩人の視線
 7.『百扇帖』における漢字とフランス語の共存
 8.『百扇帖』とセガレンの『碑』
 9.『百扇帖』のさまざまな形
 10.漢字とフランス語の相互関係
 11.手書きによる文字と活字の間
 12.結びに代えて~墨と紙と筆によって生みだされる息としての「言葉」
第2章 梁漱溟の東西文化論とデューイおよびラッセル  土屋昌明
 1.五四新文化運動と東西文化論
 2.梁啓超による刺激
 3.梁漱溟の東西文化論
 4.デューイの東西文化論
 5.ラッセルの東西文化融合論
 6.結 語
第3章 近代初期Robinson Crusoeの翻訳について
 ——崔南善の訳を中心に  厳 基珠
 1.はじめに
 2.日本の翻訳状況
 3.中国の翻訳状況
 4.韓国の翻訳状況
 5,おわりに
第4章『十五少年』は東アジアでどのように翻訳されたのか  三枝壽勝
 1.はじめに
 2.文献,資料
 3.予備的な考察
 4.各言語翻訳の個別研究
 5.おわりに
第5章 朝鮮文学とロシア語  三枝壽勝
 1.はじめに:朝鮮の地理的,政治的特殊性
 2.朝鮮における外来語としてのロシア語
 3.ロシアの詩の翻訳集
 4.ロシア語の出てくる小説
 5.おわりに
第6章 無味の帝国の夷狄たち
 ―ロラン・バルトとミケランジェロ・アントニオーニ  下澤和義
 1.「文学」と「映画」の出会い
 2.映画『中国』における「言語のざわめき」
 3.「無味」の帝国への旅
第7章 中国のハリウッド,ハリウッドの中国
 ―中国におけるアメリカ映画の受容史  劉 文兵
 1.はじめに
 2.ハリウッド映画の上映
 3.ハリウッド映画の影響
 4.ハリウッド映画に描かれた中国
 5.ハリウッド映画との断絶・連続―中国人民共和国成立後(1949~1976年)
 6.ハリウッド映画の再来―文化大革命(1976~2013年)
 7.おわりに
補論 三つ以上の地域の相互関係を研究する意味について  鈴木健郎
 1.はじめに
 2.近代以前のヨーロッパと東アジア諸地域
 3.近代以降のヨーロッパと東アジア諸地域
 4.進化論と社会進化論
 5.おわりに


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