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ビッグバンから人類までの地球の進化生命の惑星

生命の惑星 ビッグバンから人類までの地球の進化

A5判 712ページ 上製
価格:6,820円 (消費税:620円)
ISBN978-4-87698-541-8 C1040
奥付の初版発行年月:2014年12月 / 発売日:2014年12月上旬

内容紹介

さまざまな生命を育む地球は,どのようにして生まれ,現在のような豊かな環境を作り出したのだろうか? 地球と同じような「生命の惑星」は他にも存在するのだろうか? 本書は,ビッグバンによる宇宙の創生から,太陽系の誕生,地球の進化,人類文明の台頭に至るまでの137億年の地球の歩みを辿る壮大な物語である.また,この物語を明らかにするために科学者たちがいかに考えて理論を組み立てたか,またその理論はどれほど信頼できるのかを,予備知識のない読者にも理解できるよう丁寧に解説する.ダークエネルギーやスノーボールアース仮説,太陽系外惑星など,近年急激に理解が進んだ話題まで網羅されており,現代宇宙科学の入門書としても最適な一冊.

*推 薦*
本書は包括的で魅力的な環境科学の旅である.世界を代表する科学者チャールズ・ラングミューアーとウォリー・ブロッカーが本書を通じて教えてくれることは,生存可能な唯一既知の惑星に住む私たちの,軌跡と未来を考えるための重要な手掛かりとなるだろう.

ペンシルバニア州立大学教授 リチャード・アレイ

これは壮大な書物である.伝説的に著名な初版本の見事できわめて価値のある改訂版である.この新版は,初版のちりを払ったようなものではない.まったく新しい章がいくつも加えられ,新しい発見の数々がわかりやすく紹介されている.本書はまさに今必要とされるものであり,私はこの改訂版を心から歓迎する.
シカゴ大学教授 レイモンド・ピエールハンバート

NASAは現在私たちのとなりの惑星である火星の生存可能性を調査している.洞察に満ちかつ親しみやすい本書は,まさに今この時に,私たちの地球の生存可能性を理解することがいかに重要かを思い出させてくれる.本書は総合的かつ最新であるとともに,新しい発想,不完全な理解,および論争が,科学知識をいかに進歩させるかをあきらかにする.
マサチューセッツ工科大学教授 ロジャー・エヴァレット・サモンズ

著者プロフィール

チャールズ・H・ラングミューアー(ラングミューアー,チャールズ.H)

ハーバード大学教授,アメリカ芸術科学アカデミー会員
専門:地球化学,地球科学

ウォリー・ブロッカー(ブロッカー,ウォリー)

コロンビア大学ニューベリ教授,米国科学アカデミー会員
専門:地球化学,地質学

宗林 由樹(ソウリン ヨシキ)

京都大学教授,一般財団法人海洋化学研究所代表理事
専門:分析化学,水圏化学

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

著者まえがき
訳者まえがき

第1章 序論 自然システムとしての地球と生命
   はじめに
   「システム」
   「自然システム」の特徴
   まとめ
   参考図書
第2章 背景 ビッグバンと銀河の形成
   はじめに
   ビッグバン
   ビッグバン仮説に対するさらなる証拠
   膨張する宇宙とダークエネルギー
   ビッグバン直後の時期
   まとめ
   参考図書
第3章 原材料 恒星の元素合成
   はじめに
   太陽の化学組成
   水素,ヘリウム,銀河,恒星
   ビッグバンの間の元素合成
   恒星内元素合成
   中性子捕獲による元素合成
   恒星の元素合成仮説を支持する証拠
   まとめ
   参考図書
第4章 予備加工 有機分子と無機分子の合成
   はじめに
   分子
   物質の状態
   分子の二大グループ:無機分子と有機分子
   分子合成の環境
   まとめ
第5章 重量構造物 太陽系星雲から惑星と衛星をつくる
   はじめに
   惑星の重要な統計
   隕石からの証拠
   太陽系形成のシナリオ
   地球型惑星の化学組成を理解する
   まとめ
   参考図書
第6章 スケジュール 放射性核種によるタイムスケールの定量
   はじめに
   放射性崩壊を用いる年代測定
   元素の年齢
   消滅放射性核種を用いた太古の短寿命過程の解明
   まとめ
   参考図書
第7章 内装工事 コア,マントル,地殻,海洋,大気の分離
   はじめに
   地球の構造
   地球の層の化学組成
   地球の層の起源
   まとめ
第8章 近くの天体と争う 衛星,小惑星,隕石,衝突
   はじめに
   太陽系の天体の多様性
   月の起源
   衝突を用いて惑星表面の年代を決定する
   月の内部構造の形成
   太陽系における衝突の歴史
   地球への影響
   将来の衝突
   まとめ
   参考図書
第9章 環境を快適にする 流水,温度制御,日よけ
   はじめに
   惑星の揮発性物質の収支
   40億年前の水の証拠
   表面の揮発性物質の制御
   表面温度
   地球の長期のサーモスタット
   日よけ
   まとめ
   参考図書
第10章 循環を確立する プレートテクトニクス
   はじめに
   静的な地球という観点
   大陸移動説
   海洋底からの新しいデータ
   古地磁気からの証拠
   地震活動度の全球分布
   プレートテクトニクス理論
   プレートテクトニクス革命
   時間を通した運動
   まとめ
   参考図書
第11章 内部の循環 マントル対流とその表面との関係
   はじめに
   地球内部の動き
   マントル対流
   プレートの形状はマントルの対流セルに対応しているか?
   マントルの能動的上昇流:プルームの頭と尾
   拡大中心における海洋地殻の生成
   まとめ
   参考図書
第12章 層と層を結びつける 固体の地球,液体の海,気体の大気
   はじめに
   全球的システムとしての海嶺
   海嶺と生存可能性
   収束境界における地球化学過程
   プレート再循環の最終結果
   まとめ
   参考図書
第13章 表面に入植する 惑星過程としての生命の起源
   はじめに
   生命と宇宙
   生命の単一性
   最初の生命
   生命の起源
   生命に至る道程
   生命の起源に関する一般的考察
   まとめ
   参考図書
第14章 競争を生き抜く 生物多様性の創造における進化と絶滅の役割
   はじめに
   岩石記録からあきらかにされた生命と地球の歴史
   化石と現在の生命を結びつける:進化論
   DNA 革命
   進化の半面としての絶滅
   まとめ
   参考図書
第15章 表面にエネルギーを与える 生命と惑星の共進化による惑星燃料電池の形成
   はじめに
   電流としての生命
   還元的な初期地球
   最初の3 つのエネルギー革命
   惑星の燃料電池
   まとめ
第16章 エクステリアの改装 惑星表面の酸化の記録
   はじめに
   地球と酸素
   炭素:酸素生産の記録
   炭素:岩石記録からの証拠
   鉄と硫黄:酸素消費の記録
   鉄:岩石記録の証拠
   硫黄:岩石記録の証拠
   顕生代の高い酸素濃度の証拠
   20 億年前から6 億年前の酸素
   酸素の全球収支
   まとめ
   参考図書
第17章 惑星の進化 破局的事変の重要性と定向進化の問題
   はじめに
   顕生代の惑星進化
   プレートテクトニクスと進化
   惑星進化の原理とは?
   定向進化の可能性に関する考察
   まとめ
   参考図書
第18章 気候に対処する 自然の気候変動の原因と結果
   はじめに
   中期間の気候変動:氷河期
   軌道周期
   急激な気候変動
   人類の衝撃
   まとめ
   参考図書
第19章 ホモ・サピエンスの興隆
   地球の資源を利用した惑星支配
   はじめに
   人類時代の夜明け
   人類のエネルギー革命
   地球の宝箱
   資源の分類
   リサイクルできない有限の資源
   まとめ
第20章 舵を取る人類 惑星の文脈における人類文明
   はじめに
   地球に対する人類の衝撃
   将来の予測
   可能な解決策
   より広範な問題
   人類代?
   まとめ
   参考図書
第21章 私たちはひとりぼっちか? 宇宙の生存可能性についての疑問
   はじめに
   惑星探査
   銀河系の生存可能な惑星の数:確率論アプローチ
   惑星の文脈における人類文明:宇宙の進化と生命
   まとめ
   参考図書

用語集
索 引


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