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 日本人女性の声にみる生き方と社会の形出産・子育てのナラティブ分析

出産・子育てのナラティブ分析 日本人女性の声にみる生き方と社会の形

A5判 288ページ 上製
定価:5,400円+税
ISBN978-4-87259-573-4 C3080
奥付の初版発行年月:2017年01月 / 発売日:2017年01月中旬

内容紹介

少子化、待機児童、虐待、貧困…。こうした社会問題は、統計的な調査のみでは解明できない。本書は、当事者たちの思いを「語り」としてナラティブ分析することで、出産・子育てへの「意識」、それにかかわる「環境」、それに参与する「立場」を明確に描き出す。次世代を生み育てる過程で、社会的孤立感や閉塞感、不安感に苛まれることなく、充実感と自己肯定感を見出せるようになるために、社会はどのように変わるべきか。

著者プロフィール

秦かおり(ハタカオリ)

大阪大学大学院言語文化研究科准教授。専門は社会言語学、コミュニケーション学。主論文に「「何となく合意」の舞台裏:在英日本人女性のインタビュー・ナラティブにみる規範意識の表出と交渉のストラテジー」(共編著、『ナラティブ研究の最前線―人は語ることで何をなすのか―』2013年、ひつじ書房)、「対立と調和の図式―録画インタビュー場面における多人数インタラクションの多層性―」(共編著、『コミュニケーションを枠づける―参与・関与の不均衡と多様性』近刊、くろしお出版)等。

岡本多香子(オカモトタカコ)

日本女子大学家政学部通信教育課程非常勤講師。高根沢町図書館(指定管理 株式会社TRC図書館流通センター)学校支援担当。専門は言語人類学。主論文に「時代変化へのジレンマ―栃木県農村部で出産育児を経験した女性のインタビュー・ナラティブにみる「自己」理解への期待と反発―」(『ナラティブ研究の最前線―人は語ることで何をなすのか―』2013年、ひつじ書房)、「語りにおけるインタビュイーの自称詞使用への一考察―なぜ「おれ」は「パパ」になり「わたし」になったのか―」(『話しことばへのアプローチ―創発的・学際的談話研究への新たなる挑戦―』近刊、ひつじ書房)等。

井出里咲子(イデリサコ)

筑波大学大学院人文社会系国際日本研究専攻、グローバルコミュニケーション教育センター准教授。専門は言語人類学、語用論。『雑談の美学』(共編著、2016年、ひつじ書房)、『箸とチョッカラク』(共著、2004年、大修館書店)。主論文に“Aisatsu”(Culture and Language Use、2009年、Amsterdam: John Benjamins Publications)、「スモールトーク」(『開放系言語学への招待』2008年、慶応義塾大学出版会)、「危機言語とサステナビリティ」(『サステイナブルな社会を目指して』2008年、春風社)等。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

はじめに  

第一章 声を聞くプロセス

1.なぜナラティブ分析なのか  
2.「あなたの出産体験を聞かせて下さい」  
3.母・妻・嫁としての規範意識 
4.何をどう分析するのか  

第二章 「余らず足らず子三人」―栃木県央部農村での調査から

1.農村の暮らしに基づく子産み、子育て、現在と過去  
2.エスノグラフィーとしてのフィールド  
3.農家の女性たちの生き様―さまざまな「声」を聴く  
4.「声」に囲まれ、「声」を発する  

第三章 「異文化」の中で育てる―英国ロンドンでの調査から

1.移民として生きる―なぜロンドンで産み、育てるのか  
2.フィールドへの参入―「並ぶ」関係から  
3.英国での出産体験  
4.日英の規範意識の差異  
5.語りにみる「育てやすさ」と役割意識  
6.ただそこに「生きる」こと―ディアスポラとしてのアイデンティティ  
7.国境を越えて今を生きる  

第四章 子育てナラティブの日米比較

1.アメリカは子どもを産み育てやすい社会か  
2.アメリカ人の子育てナラティブ  
3.日本人の子育てナラティブ  
4.日米の子育てスタンスの異なり  
5.規範意識の差異、揺れ、変化をめぐって  
6.日本は子育てしやすい社会なのか  

座談会 子育てをめぐる社会はどうあるべきか

おわりに  

付録(1)発言集―日本人女性たちの声から  
付録(2)調査のための合意書(日本語版・英語版)  

参考文献  
索引  
著者略歴  


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