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 毒の謎を追う毒魚の自然史

毒魚の自然史 毒の謎を追う

A5判 330ページ 並製
定価:3,000円+税
ISBN978-4-8329-8221-5 C3045
奥付の初版発行年月:2015年02月 / 発売日:2015年02月下旬

内容紹介

「毒魚」は2つに大別される。1つはフグなど食べると中毒する魚,もう1つはエイやミノカサゴのように棘や鰭に毒をもつ刺毒魚と呼ばれる魚である。本書は,これら「毒魚」たちを魚と毒の第一線の研究者9人が最新の研究成果を交えて平易に解説した初めての教養専門書である。

著者プロフィール

荒川  修(アラカワ オサム)

1960年生まれ 東京大学大学院農学系研究科博士課程修了
長崎大学大学院水産・環境科学総合研究科教授 農学博士 第2章執筆

大城 直雅(オオシロ ナオマサ)

1969年生まれ 東京海洋大学大学院海洋科学技術研究科博士課程修了 国立医薬品食品衛生研究所食品衛生管理部第二室室長 博士(海洋科学) 第4章執筆

佐藤  繁(サトウ シゲル)

1958年生まれ 東京大学大学院農学系研究科博士課程中途退学 北里大学海洋生命科学部教授 農学博士 第2章執筆

塩見 一雄(シオミ カズオ)

1947年生まれ 東京大学大学院農学系研究科博士課程修了 東京海洋大学名誉教授 農学博士 第9章執筆

高谷 智裕(タカタニ トモヒロ)

1970年生まれ 長崎大学大学院海洋生産科学研究科博士課程中途退学 長崎大学大学院水産・環境科学総合研究科教授 博士(水産学) 第6章執筆

谷山 茂人(タニヤマ シゲト)

1974年生まれ 長崎大学大学院生産科学研究科博士課程修了 長崎大学大学院水産・環境科学総合研究科准教授 博士(水産学) 第7章執筆

長島 裕二(ナガシマ ユウジ)

1957年生まれ 東京大学大学院農学系研究科博士課程中途退学 東京海洋大学大学院海洋科学系食品生産科学部門教授 農学博士 フグ研究とトラフグ生産技術の最前線(村田修・渡部終五と共編著,恒星社厚生閣,2012),新・海洋動物の毒─フグからイソギンチャクまで(塩見一雄と共著,成山堂書店,2013)など 第2章執筆

松浦 啓一(マツウラ ケイイチ)

1948年生まれ 北海道大学大学院水産学研究科博士課程修了 国立科学博物館名誉研究員 水産学博士 『魚の自然史─水中の進化学』(宮正樹と共編著,北海道大学図書刊行会,1999),『動物分類学』(東京大学出版会,2009),『標本の世界─自然史標本の収集と管理((国立科学博物館叢書)』(編著,東海大学出版会,2010)など 第1章・3章・5章執筆

本村 浩之(もとむら ひろゆき)

1973年生まれ 鹿児島大学大学院連合農学研究科(宮崎大学配属)博士課程修了 鹿児島大学総合研究博物館教授 博士(農学) 第8章執筆

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

口  絵  
はじめに  
第Ⅰ部 フグ毒をもつ魚類
第1章 フグ類の分類と生態(松浦 啓一)  
1. フグ類とはどんな魚か
Box 1 フグ目魚類の種数
2. フグのなかのフグ
 フグ科の特徴/フグ類の分類の難しさ/フグ類の分類形質
Box 2 東南アジアにおけるフグの分類とフグ中毒  
3.日本のフグ類  
4.フグ類の生態  
フグ類はどこにすんでいるか/フグ類の行動と産卵/フグ類の身の守り方
第2章 フグ毒(長島 裕二・荒川  修・佐藤  繁)  
1.フグ毒の単離と構造  
2.テトロドトキシンの単離法  
津田・河村によるフグ毒の単離法/後藤・平田によるTTXの精製法/麻痺性貝毒精製法の応用/テトロドトキシンの構造決定Box 1 核磁気共鳴(NMR)法  
Box 2 X線結晶解析  
3.フグ毒の性状と作用  
テトロドトキシンの化学的性状/テトロドトキシン関連成分の多様性/テトロドトキシンの薬理作用
Box 3 フグの毒力表示であるマウスユニットとは  
4.フグ毒の分布  
フグ/フグ以外の魚類/イモリ/カエル/タコ/カニ/カブトガニ/ 巻貝/ヒトデおよび底生動物/フグ毒産生細菌
5.フグ毒の蓄積  
フグの毒化経路/トラフグにおけるフグ毒の体内動態/消化管におけるフグ毒の吸収/血液によるフグ毒の運搬/肝臓へのフグ毒の取り込み/フグの毒化メカニズム
6.フグ毒の役割  
Box 4 免疫組織化学  
捕食動物に対する防御/餌生物に対する攻撃/TTX保有動物のTTXに対する抵抗性/TTX保有動物に対するTTXの誘引効果/そのほかの機能
Box 5 脾臓細胞の幼若化反応  
7.フグ毒による食中毒  
フグによるTTX中毒/巻貝によるTTX中毒/そのほかの動物によるTTX中毒/無毒養殖フグ肝臓の食用化
8.フグ毒としての麻痺性貝毒  
麻痺性貝毒の化学的性状/麻痺性貝毒成分の多様性/麻痺性貝毒の成分変換/麻痺性貝毒の分布/フグ科魚類の麻痺性貝毒
第Ⅱ部 シガテラ毒をもつ魚類
第3章 シガテラ毒をもつ魚類の分類と生態(松浦 啓一)  
1.シガテラ毒魚と分類  
2.シガテラ毒魚の分布  
3.シガテラ毒魚の行動と食性  
第4章 シガテラ毒(大城 直雅)  
1.食中毒  
生状況/事例紹介
2.シガテラ毒の化学と産生生物  
シガテラ毒の化学/シガテラ毒の産生生物/シガテラ毒(CTXs)の分析法
3.シガテラ毒の性状,作用  
4.シガテラ毒の分布  
原因魚種/魚の有毒率/海域によるCTXs組成の違い/魚種によるCTXs組成の違い
第Ⅲ部 パリトキシンもしくはパリトキシン様毒をもつ魚類
第5章 パリトキシンまたはパリトキシン様毒をもつ魚類の分類と生態(松浦 啓一)  
1.パリトキシンまたはパリトキシン様毒をもつ魚類の分類  
2.パリトキシンまたはパリトキシン様毒をもつ魚類の分布  
3.パリトキシンまたはパリトキシン様毒をもつ魚類の行動と食性  
4.パリトキシンまたはパリトキシン様毒の由来  
第6章 パリトキシン(高谷 智裕)  
1.食中毒  
オウギガニ科のカニによる食中毒/クルペオトキシズム/ニシン科以外の魚による食中毒
2.食中毒以外のパリトキシン中毒  
傷口からの侵入や皮膚吸収による中毒/エアロゾル吸入による中毒/ イタリアで起こったOstreopsis ovataによる集団中毒Box 臨床検査  
3.パリトキシンの化学,性状,作用  
“Limu-make-o-Hana”の伝説/パリトキシンの化学/パリトキシンの性状/パリトキシンの作用機構/パリトキシンの検出方法
4.パリトキシンの分布  
5.パリトキシンの起源  
第7章 パリトキシン様毒(谷山 茂人)  
1.食中毒  
事例21/事例22/事例24/事例25/事例27/事例32/事例Ⅱ/事例Ⅵ/事例
Box 1 パリトキシン様毒中毒における臨床検査で測定される酵素活性の解説  
2.パリトキシン様毒の性状  
マウス毒性/生化学的性状/薬理作用/化学的性質/溶血活性/中毒検体の毒性/バングラデシュ産淡水フグの毒性
Box 2 海洋性自然毒の毒力を表す単位  
Box 3 海洋性自然毒の化学分析で使われる用語解説  
3.パリトキシン様毒の分布  
魚種間の分布/毒の体内分布と地理的分布/アオブダイの毒の起源
第Ⅳ部 棘に毒をもつ魚類第
8章 刺毒魚の分類と生態(本村 浩之)  
1.深刻な刺毒被害例が多いエイの仲間  
2.海の毒ナマズ,ゴンズイとその近縁種  
3.悪魔,鬼,蜂,蠍,おどろおどろしい名前が多いカサゴの仲間  
メバル科/シロカサゴ科/ヒレナガカサゴ科/ハチ科/フサカサゴ科/ハオコゼ科/オニオコゼ科/ヒメキチジ科
4.ウサギ魚(うお)?でも毒があるアイゴ  
第9章 魚類刺毒の性状と化学構造(塩見 一雄)  
Box 魚類刺毒はとにかく不安定  
1. エイ類の刺毒  
毒エイと刺傷事故/刺毒に関する知見
2. ゴンズイ類の刺毒  
ゴンズイの体表粘液毒/ゴンズイの刺毒
3. カサゴ目魚類の刺毒  
オニダルマオコゼ類の刺毒/オニダルマオコゼ類以外のカサゴ目魚類の刺毒/カサゴ目魚類のヒアルロニダーゼ
4. アイゴ類の刺毒  
アイゴの毒/アイゴの近縁種クロホシマンジュウダイの毒
5. そのほかの刺毒魚  
Toadfish/Weeverfish

引用・参考文献  
事項索引  
和名・英名索引  
学名索引  

関連書

『魚の自然史』(北海道大学出版会、1999)
『稚魚の自然史』(北海道大学出版会、2001)
『トゲウオの自然史』(北海道大学出版会、2003)
『淡水魚類地理の自然史』(北海道大学出版会,2010)


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