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ギリシア悲劇と「美しい死」

ギリシア悲劇と「美しい死」

A5判 384ページ 上製
定価:5,400円+税
ISBN978-4-8158-0906-5 C3098
奥付の初版発行年月:2018年03月 / 発売日:2018年04月上旬

内容紹介

死の美学、それとも――。三島由紀夫も憧れた古代ギリシアの「美しい死」。ホメロスやプラトンから葬礼演説までの遺されたテクストを踏まえつつ、戦死を称える詩人の言葉が悲劇作品においてたどった運命を丹念に読み解き、魅惑と苦悩のあいだに浮かび上がるその実像を明らかにする。

著者プロフィール

吉武 純夫(ヨシタケ スミオ)

1959年、北海道小樽市に生まれる。1983年、京都大学文学部卒業。1988年、ブリストル大学古典学部にリサーチスチューデントとして留学。1991年、京都大学大学院文学研究科博士後期課程認定退学。静修女子大学(現札幌国際大学)人文社会学部助教授などを経て、現在、名古屋大学大学院人文学研究科准教授、京都大学博士(文学)。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

まえがき

序 章 ギリシア悲劇における「美しい死」という問題

  第Ⅰ部 カロスなる死

第1章 よき死の中のカロスなる死
    1 カロスと修飾された死の全事例
    2 よき死の5つのタイプ
    3 タイプ別に見るカロスなる死
    4 カロスなる死のメインストリームとしての戦死

第2章 ホメロスにおける戦死評価とカロス
    1 ホメロスにおけるカロスの意味
    2 戦死一般をよしとした2つの箇所
    3 『イリアス』第22巻71―73行の分析
    4 魅力・卓越の光景?
    5 まとめ

第3章 〈カロス・タナトス〉の誕生
    1 カロスとされているもの
    2 カロスなるイメージの中に示唆されているもの
    3 歴史的事情
    4 まとめ

第4章 前5世紀の戦死評価
      —— カロス・タナトスの周辺事情(1)
    1 カロスと修飾された死
    2 戦いながらの死
    3 カロス・タナトスという概念によらない戦死評価
    4 アテナイ葬礼演説における戦死者と戦死の評価
    5 まとめ

第5章 もう1つのカロスなる死
      —— カロス・タナトスの周辺事情(2)
    1 問題なき生の終わり
    2 問題ない死
    3 2つのカロスなる死
    4 まとめ

  第Ⅱ部 悲劇におけるカロスなる死

第6章 それを行いながら死ぬことは………
      —— ソポクレスの『アンティゴネ』
    1 アンティゴネによるカロス・タナトスの申し立て
    2 アンティゴネが実際に目指しているもの
    3 アンティゴネの刑罰と死の実際
    4 コントラストの意義
    5 女であることによる受難
    6 まとめ

第7章 生まれよき者がなすべきは………
      —— ソポクレスの『アイアス』
    1 問 題
    2 アイアスはどんな死を目指していたのか
    3 アイアスの実際の死
    4 この劇は何を伝えているのか
    5 まとめ

第8章 カロスなる見ものを目にするならば………
      —— エウリピデスの『ヒケティデス』
    1 カロスなる見もの
    2 思いを掻き立てる光景
    3 称えられるべき戦死
    4 戦争批判
    5 まとめ

第9章 誅殺できないならこの館を焼いて………
      —— エウリピデスの『オレステス』
    1 問 題
    2 ピュラデスの言い分
    3 復讐決意に至るまでのオレステス
    4 屋上のオレステス
    5 意思の不確かさ
    6 アポロン神の措置
    7 まとめ

第10章 その男が正義の網にかかったのを見た私には………
      —— アイスキュロスの『オレステイア』三部作
    1 死への心よせ
    2 アイギストスの有頂天
    3 オレステスの痛心
    4 コントラスト
    5 まとめ

終 章 「美しい死」とギリシア悲劇
    1 「美しい死」の概念の新しさと古さ
    2 3人の悲劇詩人の傾向
    3 悲劇において戦死以外の「美しい死」が成就しないこと

 あとがき
 初出一覧
 付 録
 注
 参考文献
 略号一覧
 古典出典索引
 人名・事項索引


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