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中世日本の世界像

中世日本の世界像

A5判 608ページ 上製
定価:6,800円+税
ISBN978-4-8158-0902-7 C3095
奥付の初版発行年月:2018年02月 / 発売日:2018年02月下旬

内容紹介

芸能から魔界まで――。絵巻や曼荼羅、物語や儀礼のなかで生動する男女・仏神・異類たち。それらの存在を支えた世界像とはいかなるものだったのか。説話や音楽から、性や童子、さらには聖地・霊地まで、時代とともに揺れ動く文化の諸相を一望し、中世的世界を多面的にとらえた渾身の書。

著者プロフィール

阿部 泰郎(アベ ヤスロウ)

1953年、横浜に生まれる。現在、名古屋大学大学院人文学研究科教授、人類文化遺産テクスト学研究センター長。著書に『湯屋の皇后』(小会,1998)、『聖者の推参』(同,2001)、『中世日本の宗教テクスト体系』(同,2013)など。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

序 章 はじまりのテクスト

総説Ⅰ 中世日本の世界像
    はじめに ——『信貴山縁起』 絵巻の世界
    1 行基日本図から聖徳太子絵伝の世界像へ
    2 三国伝来の生身仏縁起 —— 善光寺阿弥陀と清凉寺釈迦
    3 三国世界観の言説化と図像化
    4 曼荼羅縁起と天神縁起の世界像
    5 巡礼/回国する聖たち
    6 勧進により建立される中世世界

総説Ⅱ 中世的世界の形成
    はじめに —— 年代記という座標から
    1 法勝寺をめぐって
    2 宝蔵と知の類聚
    3 祝祭と霊地参詣および勧進

  第Ⅰ部 芸能の世界像

第1章 中世の音声と音楽 —— 聖なる声
    1 神々の声
    2 仏法の声
    3 今様の声
    4 融けあう神と仏の声
    5 神/仏を歌う聖ヒジリ

第2章 中世の芸能と童子 ——〈聖なるもの〉 と童子
    1 遊ぶこどもの声
    2 天神と童子
    3 観音と童子
    4 童 行 者
    5 逸脱する童子

第3章 中世の性と異性装 —— 性の越境
    1 神と英雄の異性装
    2 結界破りの女
    3 芸能における性の越境
    4 性を越境する物語

第4章 中世の王権と物語 —— 注釈と日本紀
    1 日本紀という運動
    2 中世注釈の重層性
    3 「日本紀」 と 「日本国大将軍」

  第Ⅱ部 知の世界像

第5章 中世的知の形態 —— 説話の位相
    1 何ものかをもたらす 〝説話〟
    2 〝説話〟 という枠組
    3 物語の 〝説話〟 化
    4 媒介としての 〝説話〟 と中世説話集の成立
    5 潜在する枠組 —— 学問体系の中の 〝説話〟

第6章 中世的知の様式 —— 日本における対話様式の系譜
    1 対話様式テクスト論
    2 宗教テクストの方法としての対話様式
    3 語られたテクストと語りを書くテクスト

第7章 中世的知の集成 —— 寺院聖教の世界
    1 次第を読む
    2 中世寺院における知的体系の展開

第8章 中世的知の統合 —— 慈円作 『六道釈』 をめぐりて
    1 承久の乱まで
    2 『六道釈』 解題
    3 承久の乱の後
    4 二十五三昧と和歌
    三千院円融蔵 『六道釈』 翻刻

  第Ⅲ部 仏神の世界像

第9章 中世の仏神と曼荼羅 —— 密教と神仏習合の世界
    1 霊地の図像学
    2 神道曼荼羅の構造と象徴体系

第10章 中世の霊地と縁起 —— 元興寺と長谷寺
    1 元興寺の縁起と伝承
    2 長谷寺の縁起と霊験記

第11章 中世の浄土と冥界 ——「往生」 というテクスト
    1 浄土願生者の夢と冥界巡り
    2 山中他界の夢 —— 浄土と地獄の往来
    3 霊地の宗教空間とその運動 —— 南北軸と東西軸の焦点
    4 霊験所に顕われる像 —— 影向と感得
    5 往生を妨げるもの ——『発心集』 における往生と魔
    6 往生する西行というテクスト

第12章 中世の魔界と絵巻 ——『七天狗絵』 とその時代
    1 釼阿写本と絵巻
    2 『七天狗絵』 を読む
    3 抗争するテクスト
    4 『七天狗絵』 の亀裂

終 章 中世世界像の鏡 —— 縁起絵巻というメディア

 注
 あとがき
 初出一覧
 図版一覧
 索 引


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