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ゴシックの視覚宇宙

ゴシックの視覚宇宙

A5判 486ページ 上製
定価:6,600円+税
ISBN978-4-8158-0724-5 C3071
奥付の初版発行年月:2013年02月

内容紹介

イメージによる救済へ ——。西洋中世において爆発的に拡大したイメージの世界は、何を顕わにし、それを観る者にいかなる経験や認識をもたらしたのか。黙示録写本、ステンドグラス、聖遺物など、イメージが切り拓いた多様な視覚宇宙を探究し、「見えるようになること」 を根底から問い直したゴシック美術論。


目次

序 論
     1 はじめに
     2 「文字を読めない人々のための聖書」 を超えて
     3 見えるようになることへ向けて――隠蔽から開示へのレトリック
     4 辺境と終末 : 空間と時間の末端で —— 記憶と想起のトポグラフィー
     5 キリスト教徒とは何か —— 「鏡」 としてのユダヤ
     6 救済史のなかのイメージ —— 聖顔 : 不在と現前のディアレクティック

  第Ⅰ部 隠蔽から開示へのレトリック

第1章 レヴェラティオをめぐるレヴェラティオ
       —— 視覚的タイポロジーの試み
     1 はじめに —— 隠すことと顕わになること
     2 「タイポロジー」 という思考法
     3 視覚的タイポロジーとその二類型
     4 不可視性から可視性へ
     5 おわりに

第2章 「天に開かれた門」
       —— 黙示録写本の挿絵と読者/観者の内的ヴィジョン
     1 はじめに
     2 挿絵における幻視表現と読者/観者の内的ヴィジョン
     3 『ベアトゥス黙示録註解』 写本におけるヨハネの幻視表現
     4 開口部と視線
     5 フォリオの表裏両面とヨハネの視線
     6 おわりに

第3章 空の向こう側へ
       —— 『ホルトゥス・デリキアールム』 における 「神殿の垂れ幕」
     1 はじめに
     2 蒼穹としてのカーテン
     3 モーセのヴェールとしてのカーテン
     4 おわりに

  第Ⅱ部 記憶と想起のトポグラフィー

第4章 イェルサレム・コンスタンティノポリス・パリ
       —— サント=シャペルとその装飾
     1 はじめに —— サント=シャペルのコレクション
     2 宮廷礼拝堂の系譜 —— ソロモンからルイ9世へ
     3 マクロとミクロの聖遺物容器
     4 聖遺物の奉遷 (トランスラティオ) をめぐって
     5 おわりに

第5章 過去の物質的引用
       —— サン=ドニ大修道院長シュジェールのスポリアを中心に
     1 はじめに
     2 「スポリア」 とは何か
     3 西洋中世におけるスポリアを考えるために
     4 サン=ドニ大修道院長シュジェールの 「スポリア」

第6章 信仰と伝統が交差する場所
       —— 『詩編』 109編と 「三位一体」 図像
     1 はじめに
     2 図像における規範と自由
     3 「わたしの右の座に就くがよい」
     4 図像と場の規範性 —— キリスト着座の主題の残存と発展
     5 信仰表明と伝統への回帰
     6 おわりに

  第Ⅲ部 「鏡」 としてのユダヤ

第7章 反転した自己表象
       —— 「ユダヤの帽子」 の解釈をめぐって
     1 はじめに
     2 ユダヤ教徒の服装と美術
     3 「内なる他者」 としてのユダヤ教徒
     4 「シナゴーガ」 の冠とユダヤの帽子
     5 『ビーブル・モラリゼ』 の挿絵におけるユダヤの帽子
     6 ナウムブルク大聖堂西内陣障柵の浮彫におけるユダヤの帽子

第8章 「恐るべき不信仰」 とイメージの聖性
       —— 聖ニコラウス像を罰するユダヤ教徒
     1 はじめに
     2 聖人像への懲罰 —— 西洋中世におけるイコノクラスムの一形態
     3 「聖像破壊者としてのユダヤ教徒」 というトポス
     4 イメージをめぐるキリスト教徒とユダヤ教徒の論争
     5 キリスト教会内部に発されたメッセージ
     6 むすびにかえて —— ジャン・ボデルにおける聖ニコラウス像

  第Ⅳ部 聖顔 : 不在と現前のディアレクティック

第9章 痕跡としてのイメージ
       —— 奇跡的イコンと刻印のメタファー
     1 はじめに
     2 中世における複製
     3 聖顔 —— 刻印による複製
     4 古代、ビザンティンにおける印章と刻印のメタファー
     5 西洋盛期中世における印章と刻印のメタファー

第10章 「顔と顔とを合わせて」
       —— 13世紀イギリス写本における聖顔と祈念
     1 はじめに
     2 メディアとしての聖顔
     3 13世紀イギリス写本におけるヴェロニカ
     4 ヴェロニカの祈禱文と祈念の構造
     5 聖顔における可視性と不可視性

第11章 ヴェロニカと印章
       —— 《グルベンキアン黙示録》 の一挿絵をめぐって
     1 はじめに
     2 挿絵とベレンガウドゥスによる註解
     3 印章 —— 父と子と神の僕を結ぶもの
     4 ヴェロニカ —— イコンとナラティヴ
     5 おわりに —— ヴェロニカがもたらすヴィジョン

結 論


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