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帝国主義日本の対外戦略

帝国主義日本の対外戦略

A5判 336ページ 上製
価格:6,160円 (消費税:560円)
ISBN978-4-8158-0707-8 C3033
奥付の初版発行年月:2012年08月

内容紹介

日本の経済人はなぜアジア太平洋戦争を阻止できなかったのか —— 長年の研究にもとづき、近代の植民地帝国の形成から、在華紡路線・満鉄路線の対抗をへて、盧溝橋事件へと至る歴史を丹念に跡付け、新たな全体像を描く。碩学による日本帝国主義史の決定版。


目次

序 章 帝国主義日本の歴史をどのように捉えるか

第1章 「日本型ブルジョアジー」 の系譜とエートス
     1 近世日本と近代日本をつなぐ 「商人的対応」
     2 近世商人の活動を支えた石門心学
     3 幕末維新期の石門心学 —— 近江商人と大倉喜八郎
     4 渋沢栄一と福沢諭吉に共通するもの
     5 「日本型ブルジョアジー」 のエートス

第2章 外資排除による産業革命と日清戦争
     1 「自由貿易帝国主義」 下における外資排除
     2 明治初年の外資侵入と明治政府の対応
     3 初期的な企業勃興と外資排除論の動揺
     4 産業革命の推進と外資排除政策の狭間で
     5 日中対立下の朝鮮社会の発展と甲午農民戦争
     6 内地雑居論争と 「軟弱外交」 批判

第3章 早熟的資本輸出と植民地帝国の形成
     1 「日清戦後経営」 論 —— 帝国主義転化と産業資本確立の関連
     2 朝鮮との貿易の進展と民間資本輸出の実行
     3 日露戦争への道 —— それは回避できたか?
     4 植民地帝国の構築とその初期の特質

第4章 第一次世界大戦への対応とその限界
     1 世界大戦の画期性と日本軍部による認識
     2 大戦期における日本経済の段階的発展
     3 軍需工業動員法の制定と総力戦体制の構築プラン

第5章 1920年代の対外膨張戦略 (1) 在華紡路線
     1 資本輸入国から資本輸出国への転換
     2 「軽工業主義」 か 「重工業主義」 か?
     3 綿紡績資本の中国一斉進出とその経営成績
     4 在華紡の活動と日貨ボイコットの関係

第6章 1920年代の対外膨張戦略 (2) 満鉄路線
     1 満鉄の経営多角化と対外交渉
     2 民間ブルジョアジーによる満州投資の特徴
     3 満蒙領有論 (石原莞爾) と満蒙放棄論 (石橋湛山)
     4 満州事変への動きと柳条湖事件

第7章 満州事変への日本ブルジョアジーの対応
     1 柳条湖事件直後の財界諸団体の反応
     2 「満蒙時局懇談会」 でのブルジョアジーの意見の対立
     3 対日経済絶交運動の深刻化と上海事変
     4 紡績ブルジョアジーのエートス

第8章 準戦時体制下における対外膨張
     1 満州事変期における高橋財政
     2 日印会商と満州問題
     3 植民地工業化と満州開発
     4 華北への侵略の拡大

終 章 帝国主義日本の挫折
      —— 「政治的資本主義」 の末路


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