大学出版部協会

 

 日本の心身観をさぐる「腹の虫」の研究

「腹の虫」の研究 日本の心身観をさぐる

A5判 526ページ 上製
定価:6,600円+税
ISBN978-4-8158-0698-9 C3047
奥付の初版発行年月:2012年05月

内容紹介

「虫が知らせる」 「虫の居所が悪い」といった表現の根底には、日本特有の 「虫」 観がある。心と身体、想像と現実のはざまに棲み着いた 「虫」 の多面的な姿を、かつての医学思想、文芸作品、民俗風習などを横断的に読み解くことで明らかにし、日本の心身観を浮彫りにしたユニークな研究。


目次

はじめに

  第Ⅰ部

第1章 言葉を発する 「虫」 —— 「応声虫」 という奇病
     1 「応声虫」 の事例
     2 創作文芸に見る 「応声虫」
     3 医書の 「応声虫」 論
     4 「応声虫」 とは何か —— 精神医学的検討

第2章 「虫」 の病と 「異虫」
     1 「虫証」
     2 姿を現す 「異虫」 たち
     3 顕微鏡の登場とその波紋
     4 顕微鏡による 「異虫」 の観察

第3章 「諸虫」 と 「五臓思想」
     1 「諸虫」
     2 「五臓思想」
     3 「離魂病」
     4 「五臓」 と 「虫」

第4章 「虫の居所」 —— 「腹の虫」 と 「胸の虫」
     1 「腹の虫」 と 「胸の虫」
     2 「癪」 —— 「腹」 と 「胸」 の病
     3 「癪の虫」
     4 「虫の居所」 としての 「腹」 と 「胸」

第5章 「疳の虫」
     1 文芸作品の 「疳の虫」 とその周辺
     2 医家による見解
     3 「疳」 の病症変遷 —— 「疳」 と 「労」
     4 「疳」 と 「労」 の 「虫」 像

第6章 「疳の虫」 の民間治療
     1 江戸時代の 「疳の虫」 の治療法
     2 「虫封じ」 の民俗誌
     3 現代の 「虫封じ」
     4 「虫封じ」 の社会における意味

  第Ⅱ部

第7章 「虫」 病前史 —— 「鬼」 から 「虫」 へ
     1 「霊因」 と医の領域
     2 「鬼」 と 「尸」
     3 「伝尸」 と 「伝尸虫」

第8章 「虫」 病の誕生
     1 室町・戦国期の日記と 「虫」 所労
     2 わが国特有の 「虫」 病
     3 「胸虫」 から 「積虫」 へ

第9章 「虫」 観・「虫」 像の解体と近代化
     1 「脳・神経」 学説とその影響
     2 「虫」 の発生思想とその変容
     3 近代医学と 「虫」 病の解体

第10章 教科書と近代文学に見る 「五臓」 用語と 「脳・神経」 表現
     1 初等教育用教科書に見る心身観
     2 近代文学に見る 「脳・神経」 と 「虫」
     3 消え去ることのない 「腹の虫」

おわりに


一般社団法人 大学出版部協会 Phone 03-3511-2091 〒102-0073 東京都千代田区九段北1丁目14番13号 メゾン萬六403号室
このサイトにはどなたでも自由にリンクできます。掲載さ>れている文章・写真・イラストの著作権は、それぞれの著作者にあります。
当協会 スタッフによるもの、上記以外のものの著作権は一般社団法人大学出版部協会にあります 。