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理論と実際最新 人工心肺 [第四版]

最新 人工心肺 [第四版] 理論と実際

B5判 296ページ 並製
価格:6,600円 (消費税:600円)
ISBN978-4-8158-0681-1 C3047
奥付の初版発行年月:2011年10月

内容紹介

人工心肺・体外循環について、病態生理学的な基礎的事項から具体的操作手順などの応用面までもれなく解説した、定評あるテキストの最新版。標準的開心術の章やキーワード・復習問題の増補など、初学者へのさらなる配慮も加えた。医師・臨床工学技士・看護従事者必携。


目次

第1章 人工心肺開発の歴史
   1 欧米 —— 研究開発から臨床例に至るまで
   2 本邦 —— 研究開発から臨床まで
   3 開心術のための低体温法の歴史
      (1) 全身表面冷却法と体外循環による冷却法 (2) 選択的脳灌流冷却法
   4 人工肺のディスポーザブル化、企業化
      (1) 気泡型肺のディスポーザブル化 (2) 膜型肺のディスポーザブル化、企業化
   5 血液ポンプの研究開発
      (1) ローラーポンプ (2) 遠心ポンプ (3) 人工心肺の循環補助、呼吸補助に対
      する応用

第2章 血液ポンプ
   1 人工心肺装置の血液ポンプ
   2 ローラーポンプ
   3 遠心ポンプ
   4 拍動流ポンプ
   5 軸流ポンプ

第3章 人工肺
   1 気泡型人工肺
      (1) 気泡型人工肺の基本構造 (2) 初期の気泡型人工肺 (3) 気泡型人工肺の
      ディスポーザブル化
   2 フィルム型人工肺
      (1) スクリーン型人工肺 (2) 回転円板型人工肺
   3 膜型人工肺
      (1) ガス交換膜 (2) 膜型人工肺の構造

第4章 人工心肺の構成回路ならびに生体との接続
   1 人工心肺回路
      (1) 基本回路構成 (2) ポンプチューブおよび回路接続チューブ (3) 貯血槽 (4)
      動脈フィルター (5) 熱交換器 (6) 体外循環中の限外濾過および血液浄化 (7)
      心内還流血および出血回収のための吸引方法
   2 生体との接続
      (1) 抗凝固剤 (2) 動脈側送血カニューレ (3) 静脈側脱血カニューレ (4) MICS
      と送脱血カニューレ
   3 低侵襲手術の補助手段
      (1) 強制脱血 (2) VAVDの問題

第5章 標準的開心術
   1 胸骨正中切開
   2 心膜開放、心膜つり上げ
   3 カニュレーション
      (1) 送血路 (2) 脱血路
   4 人工心肺操作の開始
   5 心臓のベンティング
   6 心筋保護液注入ラインの確立
      (1) 順行性心筋保護 (2) 選択的冠灌流 (3) 逆行性心筋保護
   7 心停止
   8 大動脈遮断解除
   9 人工心肺の離脱
      (1) 心機能の回復、リズムの回復 (2) 呼吸の再開 (3) 空気抜き (4) 体温
      (5) 離脱手技

第6章 体外循環とモニター
   1 人工心肺側モニター
      (1) 送血温、脱血温 (2) 送血圧 (3) 貯血槽レベル (4) 補助脱血と陰圧モニ
      ター (5) pH、Po2、Pco2
   2 生体側モニター
      (1) 心電図 (2) 動脈圧 (3) 中心静脈圧、左房圧 (4) 体温 (5) 連続心拍出
      量、混合静脈血酸素飽和度 (6) 尿量 (7) 血液ガス分析 (8) ヘマトクリット値、
      電解質値 (9) 活性化凝固時間 (10) 術中エコー検査 (11) 脳・神経系循環の
      指標としてのモニター

第7章 体外循環の適正灌流量・血液希釈
   1 生体の酸素需要と灌流量
   2 灌流量と臓器循環
   3 血液希釈/低体温と灌流量
      (1) 血液希釈 (2) 血液希釈と低体温

第8章 低体温体外循環法
   1 表面冷却を用いた単純低体温法
   2 体外循環と低体温法
   3 低体温と生体の変化
   4 低体温と酸素代謝
   5 低体温と酸塩基平衡
      (1) 酸塩基平衡 (2) アルファ・スタット法とpHスタット法
   6 超低体温の病態生理
      (1) 循環器系の変化 (2) 中枢神経系の変化 (3) 出血傾向
   7 超低体温循環停止法の安全限界

第9章 体外循環の病態生理
   1 血行動態の変動
      (1) 臓器循環 (2) 脳血流 (3) 肺血流 (4) 腎血流 (5) 肝臓・消化管の血流
   2 血液の変動
      (1) 血液希釈 (2) 血液損傷 (3) 血球成分の変化
   3 凝固線溶の変動
      (1) ヘパリン (2) プロタミン (3) 活性化凝固時間 (4) 血液因子の活性化 (5)
      Biosurface 回路
   4 酸塩基平衡の変動
      (1) 酸塩基平衡の緩衝系 (2) 低体温と酸塩基平衡 (3) 体外循環における酸塩
      基平衡
   5 電解質の変動
      (1) カリウム (2) ナトリウム・カルシウム (3) 水分バランス
   6 内分泌の変動
      (1) カテコールアミン (2) 下垂体前葉ホルモン (3) バゾプレッシン (4) レニン-
      アンジオテンシン-アルドステロン系 (5) ナトリウム利尿ペプチドファミリー (6) 糖
      代謝 (7) 脂質代謝 (8) 副腎皮質ホルモン (9) 甲状腺ホルモン (10) 体外循
      環中の各種血中ホルモン値の変動
   7 免疫系の変動
      (1) 液性免疫の変動 (2) 細胞性免疫の変動

第10章 心筋保護法とその注入回路
   1 心筋保護法とは
   2 低温化学的心筋保護法
   3 各種心筋保護液
      (1) 晶質液性心筋保護液 (2) 血液併用心筋保護液
   4 心筋保護法の実際
      (1) 注入経路 (2) 注入量 (3) 注入間隔 (4) 注入圧 (5) 注入温度 (6)局
      所冷却 (7) Terminal warm blood cardioplegia (8)Initial warm blood induction
      (9) Warm or Tepid blood cardioplegia (10) 再灌流
   5 心筋保護液注入システムと注入回路
      (1) 心筋保護液注入システム (2) 注入回路
   6 新生児・乳児期開心術時の心筋保護
      (1) 心筋保護に影響を与える未熟心筋の特殊性 (2) 新生児・乳児期早期の心
      筋保護法の実際
   7 名古屋大学医学部附属病院における心筋保護法の変遷

第11章 人工心肺操作の実際
   1 準備
      (1) 術前準備 (2) 人工心肺回路の組み立て
   2 充填液
   3 適正灌流量と灌流条件
   4 体外循環開始
      (1) 人工心肺開始直前 (2) 体外循環開始
   5 冷却灌流
   6 完全体外循環
   7 完全灌流中の循環管理
      (1) 平均動脈圧 (2) 中心静脈圧 (3) 血液ガス (4) 電解質 (5) ヘマトクリット、
      ヘモグロビン (6) 活性化凝固時間 (7) 尿量 (8) 計時・記録
   8 体外循環中の注意点
      (1) 動脈圧 (2) 血液の確保 (3) 吸引 (4) ベント回路 (5) 尿量 (6) 電源コード、
      回路など
   9 復温灌流
   10 大動脈遮断解除
   11 体外循環離脱
   12 体外循環停止後の処置
   13 体外循環の記録

第12章 人工心肺操作の安全管理とトラブルシューティング
   1 人工心肺準備・操作の安全管理
   2 トラブルシューティング
      (1) 送血圧異常 (2) 脱血不良 (3) 人工肺の酸素加不良 (4) 送血回路への
      気泡誤送 (5) ベント回路からの気泡誤送 (6) 心筋保護回路への気泡誤送 (7)
      脱血回路への気泡誤送 (8) 送血ポンプの停止 (9) 回路内の血液凝固 (10) 体
      外循環終了後の回路内血液凝固

第13章 乳幼児の人工心肺操作
   1 乳幼児の特徴
      (1) 生理学的特異性 (2) 解剖学的および病態的特異性
   2 乳幼児体外循環の必要条件
   3 乳幼児体外循環の方式
      (1) 脱血方法 (2) 送血方法 (3) 術野吸引およびベント (4) 限外濾過回路
   4 乳幼児体外循環の実際
   5 超低体温循環停止
   6 無輸血体外循環
      (1) 無輸血の目的 (2) 無輸血体外循環の実際 (3) 無輸血体外循環中の希
      釈安全限界 (4) 術後の安全下限Hb値 (5) 無輸血達成率
   7 体外循環における血液濾過
      (1) 体外循環初期充填血液に対する血液濾過 (2) 体外循環中の血液濾過
      (3) 体外循環後の血液濾過
   8 低圧持続吸引方式の体外循環

第14章 胸部大動脈手術の体外循環
   1 大動脈の解剖
   2 体外循環を必要とする胸部大動脈疾患
   3 上行大動脈置換術
      (1) 送血 (2) 脱血 (3) 中心冷却~循環停止 (4) Open distal anastomosis
      (5) 体外循環再開
   4 弓部置換術
      (1) 正中切開からの弓部全置換術 (2) 左後側方開胸による弓部置換術 (3) 左
      前側方~腋窩開胸による弓部置換術
   5 下行大動脈置換術
      (1) 大腿静脈-大腿動脈バイパス法 (2) 左房脱血-大腿動脈送血
   6 胸腹部大動脈手術
      (1) 体外循環の動脈送血ラインの側枝からの灌流 (2) 選択的分枝灌流 (3) 冷
      却腎灌流

第15章 大動脈内バルーンパンピングと補助循環
   1 大動脈内バルーンパンピング
      (1) 歴史 (2) 構造 (3) IABPの原理と血行動態的効果 (4) IABPの適応と禁
      忌 (5) バルーンカテーテルの挿入 (6) バルーンのインフレーションとデフレー
      ション (7) IABP挿入患者の管理 (8) 合併症 (9) IABPからの離脱 (10)
      IABPから、補助循環・補助人工心臓への移行

   2 PCPS
      (1) PCPSの定義 (2) PCPSの適応 (3) PCPSの装着、管理、離脱 (4)
      PCPSの問題点
   3 V-A bypass、IABP、および遠心ポンプによる心臓バイパス
      (1) V-A bypass (2) 体外循環離脱困難とV-A bypass
   4 呼吸不全に対するECMO
      (1) ECMO (2) 新生児呼吸不全に対するECMO (3) 乳幼児の補助循環とし
      てのECMO (4) 成人に対するECMO

第16章 補助人工心臓
   1 補助人工心臓の定義
   2 補助人工心臓の分類と特徴
      (1) 体外設置型補助人工心臓 (2) 埋め込み型補助人工心臓
   3 補助人工心臓の適応・装着・離脱
   4 補助人工心臓の問題点と展望
      (1) 補助人工心臓の問題点 (2) 補助人工心臓の展望
   5 人工心臓管理技術認定士

第17章 体外循環をめぐる諸問題
   1 体外循環に際しての血液節減と自己血輸血
      (1) 出血量の減少 (2) 人工心肺回路充填量の低減化 (3) 成分輸血 (4) 自
      己血の術前保存 (5) 体外循環開始前の自己血採取 (6) 人工心肺回路の無
      血充填 (7) 人工心肺回路残存血の再投与 (8) 自己血回収装置
   2 人工心肺回路、人工肺の表面処理
      (1) 血液異物面反応 (2) 生体適合性 (3) 抗血栓性材質 (4) ヘパリンコー
      ティング (5) その他のコーティング

第18章 人工心肺の最近の進歩と問題
   1 脳合併症
   2 生体適合性
   3 拍動流
   4 安全装置の改良、開発

付録1 関心術に用いられる主な注射薬
付録2 開心術に用いられる主な輸血、成分輸血
付録3 臨床工学技士国家試験問題 第1回~第23回


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