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 取次と書店の関係から読み解く日本の出版物流通システム

日本の出版物流通システム 取次と書店の関係から読み解く

A5判 上製
定価:3,700円+税
ISBN978-4-7985-0151-2 C3325
奥付の初版発行年月:2015年03月 / 発売日:2015年03月中旬

内容紹介

 本書は、九州大学人文科学府の出版助成制度の適用を受けて出版されたもので、筆者の博士学位論文をベースとした学術書です。なお、筆者の博士論文は2009年度九州大学大学院人文科学府長賞の大賞を受賞しています。
 本書では日本の出版物流通業を事例として,流通システムの空間構造が中間業者(取次会社)と小売業者(書店)の間の「垂直的企業間関係」によってどのような影響を受けているのかを地理学の視点から分析しています。私たちにとってなじみ深い紙の本や雑誌の流通について、取次会社や書店に対する丁寧な聞き取り調査に基づいて議論が展開されており、その意味で本書は資料的な価値も有していると言えるでしょう。
 

著者プロフィール

秦 洋二(ハタ ヨウジ)

〈略 歴〉
1976年 広島県生まれ 
九州大学文学部人間科学科地理学専攻卒業,九州大学大学院文学研究科史学専攻地理学専修修士課程修了,九州大学大学院人文科学府歴史空間論専攻地理学専修博士課程単位修得退学
2009年 九州大学大学院人文科学府歴史空間論専攻地理学専修博士課程修了 博士(文学)
九州大学大学院人文科学研究院専門研究員,九州工業大学情報工学部非常勤講師,西南学院大学国際文化学部非常勤講師,東筑紫短期大学ファッションビジネス学科非常勤講師などを経て,流通科学大学商学部講師
2014年 流通科学大学商学部准教授 現在に至る
〈主要業績〉
『小商圏時代の流通システム』古今書院,2013(分担執筆)

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

はしがき

序 章 流通システムを空間的視点から研究する意義

第1章 流通システムの空間構造と「垂直的企業間関係」
1 日本の流通業の変化
2 流通システムの空間的側面に関する研究の系譜
3 流通システムにおける「垂直的企業間関係」の性質
4 垂直的企業間関係に関する既存研究
1) 商学における垂直的企業間関係に着目した研究
2) 地理学における垂直的企業間関係に着目した研究
5 垂直的企業間関係を扱った既存研究の到達点と残された課題

第2章 日本の出版物流通業界の特徴
1 日本の出版物流通の構造的特徴
2 日本の出版物流通の制度的特徴
3 出版物の商品特性

第3章 帳合書店の分布状況からみた取次会社間の競争
1 卸売業者の商圏に関する研究
2 研究の方法
3 日書連名簿の集計結果からみた書店業界の動向
4 各取次帳合の分布とその特徴
5 取次会社間のシェアの変化要因
6 北海道における帳合別の書店出店状況
7 小 結

第4章 雑誌物流システムの空間特性とその変容
1 物流システムの改革とパワーシフト
2 日本の雑誌流通の特徴
1) 雑誌流通の構造的特徴
2) 雑誌の商品特性
3) 雑誌流通における制度的特徴
3 雑誌物流システムの特性とその変容
1) 雑誌物流の送品システム
① A社の送品システム
② 九州地区における共同配送の事例
2) 返品部門の合理化
① A社における返品の集約化
② 九州地区における雑誌返品の合理化
4 雑誌物流システムと小売チェーンの物流システムの比較
1) 配送方式にみる雑誌物流システムの特徴
2) 雑誌物流システムにおける生産・物流拠点立地の空間特性
3) 他業種と比較した出版物流通業の特徴
5 物流システムの空間特性からみた流通のパワーシフト

第5章 取次会社との関係からみた書店チェーンの立地展開
――福岡県を事例として――
1 小売チェーンの台頭と垂直的企業間関係
2 1990年代の福岡県における書店の立地変化
3 帳合関係からみた書店立地動向
1) 取次帳合と兼業率および店舗形態の関係
2) 福岡県の書店チェーンの事例
3) 書店チェーンの店舗立地と帳合との関係
4) 2000年以降の福岡県の書店立地状況
4 流通革新と川下へのパワーシフトの関係について

第6章 結 論

参考文献
あとがき
索 引


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