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飼う

生命の教養学13
飼う

A5判 256ページ 並製
定価:2,400円+税
ISBN978-4-7664-2537-6 C0045
奥付の初版発行年月:2018年07月 / 発売日:2018年07月中旬
発行:慶應義塾大学出版会  
発売:慶應義塾大学出版会
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内容紹介

ペットから体内微生物まで
愛と支配のドラマティクス

▼慶應義塾大学の人気講座を書籍化。「飼う」ことを考える。
▼各分野の第一線で活躍する著名講師陣が執筆。

「生命」の意味を限りなく広く捉えていく「生命の教養学」。
「飼う」というキーワードは、意想外の広がりをもたらす。
今回の「飼う」の各論は、身近なペットと人との関係、養殖という食べ物、そして実験動物から古代ローマやナチズム、そして現代日本の人身売買まで見渡していく。さらに、人体の腸内の微生物の機能(ヒトは、微生物を飼っているのか、微生物に飼われているのか?)をあきらかにし、飼うことの倫理学を中心に置く。

著者プロフィール

赤江 雄一(アカエ ユウイチ)

慶應義塾大学文学部准教授。1971年生まれ。リーズ大学大学院博士課程(Ph.D.)。専門は西洋中世史(宗教史・文化史)。共著に『知のミクロコスモス-中世・ルネサンスのインテレクチュアル・ヒストリー』(中央公論新社、2014年)、『はじめて学ぶイギリスの歴史と文化』(ミネルヴァ書房、2012年)などがある。

上記内容は本書刊行時のものです。

【著者】
光田達矢(みつだ たつや)
慶應義塾大学経済学部専任講師。1976年生まれ。ケンブリッジ大学歴史学部博士課程(Ph.D.)。専門は、ドイツと日本における食と動物の近代史。主要論文に“Entangled Histories: German Veterinary Medicine, c. 1770-1900”, Medical History 61(2017)などがある。

濱野佐代子(はまの さよこ)
帝京科学大学生命環境学部准教授。博士(心理学)。獣医師。臨床心理士。白百合女子大学大学院博士課程発達心理学専攻単位取得満期退学。専門は、発達心理学、人間動物関係学。著作に『日本の動物観』(共著、東京大学出版会、2013年)、『発達心理学事典』(分担執筆、日本発達心理学会編、丸善出版、2013年)などがある。

斉藤朋子(さいとう ともこ)
mocoどうぶつ病院院長、獣医師、NPO法人ゴールゼロ理事長。北里大学獣医学部卒業。東京都動物愛護推進員。

平岡 潔(ひらおか きよし)
株式会社フジキン ライフサイエンス創造開発事業部特任主査技術士(水産部門)。1967年生まれ。近畿大学大学院農学研究科水産学専攻修士(農学修士)。技術士(水産部門)取得。水産庁次世代型陸上養殖の技術開発事業委員(平成26年~28年)。

纐纈雄三(こうけつ ゆうぞう)
明治大学農学部農学科教授。1952年生まれ。米国ミネソタ大学大学院(Ph.D.)。専門は、応用獣医学、動物繁殖学。著作に、『ブタの科学』(朝倉書店、2013年)、『日本農業技術体系34. 養豚経営におけるベンチマーキング』(農文協、2015年)などがある。

下田耕治(しもだ こうじ)
慶應義塾大学医学部動物実験センター長、教授。1954年生まれ。北海道大学卒業。専門は、実験動物学。

奈良雅俊(なら まさとし)
慶應義塾大学文学部教授。1959年生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程単位取得。専門は、倫理学。著作に、『入門・倫理学』(共著、勁草書房、2018年)、『シリーズ生命倫理学 第12巻 先端医療』(共著、丸善出版、2012年)などがある。

大谷 哲(おおたに さとし)
東海大学文学部特任講師(2018年4月より)。1980年生まれ。東北大学大学院文学研究科博士後期課程修了。専門は、古代ローマ史。訳書に、ロバート・ルイス・ウイルケン著、大谷哲ほか訳『キリスト教-千年史(上下巻)』(白水社、2016年)がある。

原 由利子(はら ゆりこ)
反差別国際運動(IMADR)事務局長(2016年11月まで)、人身売買禁止ネットワーク(JNATIP)運営委員。英国エセックス大学人権大学院卒業。創価女子短期大学、明治大学、津田塾大学、清泉女子大学非常勤講師。共著に『世界中から人身売買がなくならないのはなぜ』(合同出版、2010年)がある。

田野大輔(たの だいすけ)
甲南大学文学部教授。1970年生まれ。京都大学文学部卒業。専門は、歴史社会学、ナチズム研究。著作に、『魅惑する帝国――政治の美学化とナチズム』(名古屋大学出版会、2007年)、『愛と欲望のナチズム』(講談社選書メチエ、2012年)などがある。

福田真嗣(ふくだ しんじ)
慶應義塾大学先端生命科学研究所特任准教授。1977年生まれ。明治大学大学院農学研究科修了。博士(農学)。専門は、腸内環境制御学。著作に、『おなかの調子がよくなる本』(ベストセラーズ、2016年)などがある。2013年、文部科学大臣表彰若手科学者賞受賞。2015年、科学技術・学術政策研究所「科学技術への顕著な貢献2015」受賞。2017年、第1回バイオインダストリー奨励賞受賞。

目次

はじめに(赤江雄一)

Ⅰ ペットと人
 ペットしか見えない都市空間ができるまで 近代ヨーロッパにおける動
 物たちの行き(生き)場
  はじめに/18世紀ヨーロッパとペット蔑視/19世紀ヨーロッパと動
  物虐待防止運動/20世紀ドイツにおける動物保護思想の過激化(光
  田達矢)
 ペットとのコンパニオンシップから得られるもの
  ペット飼育の現状/ペットとの関係から得られるもの/動物介在介入
  (いわゆるアニマルセラピー)(濱野佐代子)
 ペットを飼うこと 地域猫と殺処分をめぐる現状
  ペットを飼うこと/犬猫の殺処分問題/ペットを守る法律について/
  地域猫とTNRについて(斉藤朋子)

Ⅱ 食べるために飼う、実験するために飼う
 チョウザメという食文化を作る戦略
  チョウザメという魚/チョウザメ養殖のビジネスプラン/「さかな」
  のビジネスプラン/「肉」のビジネスプラン/「キャビア」のビジネ
  スプラン/水産業の「飼う」(平岡潔)
 国際競争のなかでの日本の養豚生産の現状と諸問題
  役に立つ動物農業(畜産・養豚)/豚の養殖と肥育/養豚の生産シス
  テム/養豚生産での問題点としての福祉問題/農業動物の生と死/養
  豚の福祉問題/ヨーロッパにおける妊娠豚の飼育/アメリカでの養豚
  福祉/日本での養豚福祉(纐纈雄三)
 実験動物を「飼う」
  実験に使われる動物たち/実験動物と動物実験の定義/なぜ動物実験
  をするのか?/動物実験の根拠/飼育管理(下田耕治)

Ⅲ 動物を飼うこと
 飼うことの倫理学
  動物解放論以前/シンガーの動物解放論/動物に権利はあるか?/動
  物解放論以後/全体のまとめ(奈良雅俊)

Ⅳ 人が人を飼う
 古代ローマの奴隷 境遇の多様性と複雑性
  ローマ帝国とは/ローマにおける奴隷の境遇/多様で複雑な奴隷のあ
  りかた/古代ローマにおける奴隷とは?(大谷哲)
 日本人の人身売買を考える 問われていることは何か
  人身売買が意味すること/世界の人身売買/日本の人身売買の現状/
  日本政府の取り組みと課題/問われていることは何か?(原由利子)

Ⅴ 飼い飼われる共犯関係
 ナチズムにみる欲望の動員
  ヒトラーに従った「家畜」たち?/「民族共同体」/統合の焦点とし
  てのヒトラー/性的欲望の動員/「家畜」たちの暴走(田野大輔)
 「もう一つの臓器」腸内細菌叢の機能に迫る
  腸内環境と私たちの生命活動との複雑な関係/もう一つの臓器として
  の腸内細菌叢の機能/「茶色い宝石」が切り拓く、病気ゼロの社会
  (福田真嗣)


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