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会計と会計学のレーゾン・デートル

慶應義塾大学商学会商学研究叢書22
会計と会計学のレーゾン・デートル

A5判 304ページ 上製
定価:3,000円+税
ISBN978-4-7664-2491-1 C3034
奥付の初版発行年月:2018年02月 / 発売日:2018年02月中旬
発行:慶應義塾大学出版会  
発売:慶應義塾大学出版会
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在庫あり

内容紹介

会計が拘るべきもの、守るべき構造しくみは何か?
会計が果たすべきこと、担うべき機能やくわりは何か?

会計の実践・研究は、企業活動を取り巻く経済社会の変動によって常に変化を迫られ、とくに1990年代のいわゆる「会計ビッグバン」以降、会計基準の国際的調和化(harmonization)、時価評価の導入、株主資本主義の拡大といった数々の激変にさらされてきた。
また、こうした変化は、激しい利害対立と学説上の論争を引き起こし、「何のための/誰のための会計か?」さらには「会計学は何の役に立つのか?」といった本質的問い掛けを呼び起こす。
本書は、こうした学問・実践の両面に対する問い掛けを受け、この30年ほどにわたる会計制度改革と論争の流れを鳥瞰し、その主要論点を取り上げながら、変容する会計制度・会計学の意味と意義、そして今後の行方を論じる。

著者プロフィール

友岡 賛(トモオカ ススム)

慶應義塾大学卒業。
慶應義塾大学助手等を経て慶應義塾大学教授。
博士(慶應義塾大学)。

著書等 (分担執筆書の類いは除く。)
『近代会計制度の成立』有斐閣、1995年
『アカウンティング・エッセンシャルズ』(共著)有斐閣、1996年
『歴史にふれる会計学』有斐閣、1996年
『株式会社とは何か』講談社現代新書、1998年
『会計学の基礎』(編)有斐閣、1998年
『会計破綻』(監訳)税務経理協会、2004年
『会計プロフェッションの発展』有斐閣、2005年
『会計士の歴史』(共訳)慶應義塾大学出版会、2006年
『会計の時代だ』ちくま新書、2006年
『「会計」ってなに?』税務経理協会、2007年
『なぜ「会計」本が売れているのか?』税務経理協会、2007年
『会計学』(編)慶應義塾大学出版会、2007年
『六本木ママの経済学』中経の文庫、2008年
『会計学はこう考える』ちくま新書、2009年
『会計士の誕生』税務経理協会、2010年
『就活生のための企業分析』(編)八千代出版、2012年
『ルカ・パチョーリの『スムマ』から福澤へ』(監修)慶應義塾図書館、2012年
『会計学原理』税務経理協会、2012年
『歴史に学ぶ会計の「なぜ?」』(訳)税務経理協会、2015年
『会計学の基本問題』 慶應義塾大学出版会 、2016年
『会計の歴史』税務経理協会、2016年(改訂版、2018年)

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

緒  言
謝  辞
引用について


序章 会計と会計学
 会計と会計学/『会計発達史』における会計学/近代会計学の父ルカ・
 パチョーリ/会計に固有のもの,あるいは会計の特徴

  第1部 会計が拘るべきもの――守るべき構造しくみは何か

第1章 複式簿記への固執と未来指向の否定
 [単式簿記→複式簿記]の否定/複式簿記/複式簿記の前の簿記/会計
 責任/スチュワードシップ

第2章 公正価値会計という行き方
 現在価値は時価なのか/[原価vs.時価]と種々の会計システム/「測
 定属性」/[原価vs.時価]と種々の会計システム(続)/取得原価会
 計の短所と,しかし,それが支持されてきた事訳/現在価値の擡頭/
 公正価値/公正価値ないし現在価値と情報の有用性

第3章 取得原価会計の存在理由
 取得原価主義会計論/取得原価会計の論拠/アカウンタビリティ説/会
 計企業経験記録説/貨幣(名目)資本による損益計算説/収支計算によ
 る損益計算説/客観性としての原価説/取得原価会計の必然性ないし存
 在理由/実現主義と名目資本維持/名目資本維持の性格と意義

第4章 収益費用アプローチ,取得原価主義,そして名目資本維持
 会計をして会計たらしめているもの/収益費用アプローチ/取得原価主
 義/名目資本維持

第5章 発生主義の存在理由
 発生主義と現金主義/現金主義と清算/発生主義と現金主義(続)/実
 現と対応/もたらしたもの,もたらされたもの

第6章 減価償却思考確立の胚胎と逡巡
 固定資産の認識/減価償却の意義/「depreciation」/複会計システ
 ム/取替法と廃棄法/漸うか

第7章 会計の構造的枠組みの境界
 問題の所在/粗筋/純資産の部の導入/中間独立項目と資本直入項目/
 曖昧さの排除/純利益と包括利益

  第2部 会計が果たすべきこと――担うべき機能やくわりは何か

第8章 財務会計論の前提としての株式会社論
 株式会社の要件と起源/「株式会社」と「joint-stock company」/ロ
 シア会社/ジョイント-ストック・カンパニーと株式会社/会計が行わ
 れる状況

第9章 債権者保護と株主の責任
 株主と経営者の関係/債権者保護と利害調整/有限責任制と債権者保
 護/利害調整機能における計算/情報提供の意義/利害調整機能への集
 約

第10章 財務会計と管理会計
 山桝を取り上げることについて/「会計」の定義と会計学の対象/二つ
 の会計における疑義/財務会計と管理会計/「財務」概念の拡大の可能
 性

第11章 簿記の機能と会計との関係
 山桝説/計算は簿記か/簿記と財務諸表の作成/「簿記」の定義の意
 義/複式簿記と単式簿記

第12章 近代会計成立史論の展開
 近代会計の成立プロセス/イギリスと鉄道/イギリス会計史論の先駆/
 固定資産と複会計システムと減価償却/オランダ,そしてイギリス/
 会計法制度(会社法会計制度)/会計プロフェッションと会計学

第13章 会計士監査史論の展開
 通説/簿記監査/英米の異同/財務諸表の規則準拠性/専門的判断

結 章 公正性と客観性
 会計の意義・目的と公正性/「公正性」概念論/「公正性」概念論の先
 駆/[公正性vs.有用性]/公正性と客観性/取得原価と客観性/客観
 性の相対性/エピローグ


文献リスト
索  引
著者紹介


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