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日中終戦と戦後アジアへの展望

日中戦争の国際共同研究6
日中終戦と戦後アジアへの展望

波多野 澄雄:編著, 久保 亨:編著, 中村 元哉:編著
A5判 320ページ 上製
定価:4,200円+税
ISBN978-4-7664-2486-7 C3031
奥付の初版発行年月:2017年11月 / 発売日:2017年11月上旬
発行:慶應義塾大学出版会  
発売:慶應義塾大学出版会
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在庫あり

内容紹介

▼日中戦争をとらえなおす国際共同研究シリーズ第6巻。

▼1945年の日中終戦のグローバルなインパクトとその遺産を、
・終戦にともなう国際秩序の再編と戦後構想の展開、さらに東アジアに与えた影響、
・日中戦争を通じた中国の変容と、戦後中国の政治経済の再建に与えた影響、
・中国の辺境と東南アジア地域がどのように変化したか、
 という側面から、日本・中国・台湾・韓国・英国の研究者が多角的に分析する。

著者プロフィール

波多野 澄雄(ハタノ スミオ)

国立公文書館アジア歴史資料センター長、筑波大学名誉教授。
1947年生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学、博士(法学)。専門分野は日本外交史。主要著作に、『太平洋戦争とアジア外交』(東京大学出版会、1996年)、『歴史としての日米安保条約』(岩波書店、2010年)、『国家と歴史―戦後日本の歴史問題』(中央公論新社、2011年)など。

久保 亨(クボ トオル)

信州大学人文学部教授。
1953年生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士課程中退、修士(社会学)。専門分野は中国近現代史。主要著作に、『戦間期中国〈自立への模索〉―関税通貨政策と経済発展』(東京大学出版会、1999年)、『戦間期中国の綿業と企業経営』(汲古書院、2005年)、『シリーズ中国近現代史(4) 社会主義への挑戦:1945-1971』 (岩波新書、2011年)、など。

中村 元哉(ナカムラ モトヤ)

津田塾大学学芸学部教授。
1973年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了、博士(学術)。専門分野は中国近現代史、東アジア国際関係論。主要著作に、『戦後中国の憲政実施と言論の自由1945-49』(東京大学出版会、2004年)、『講座東アジアの知識人5―さまざまな戦後』(共著、有志舎、2014年)、『対立と共存の日中関係史―共和国としての中国』(講談社、2017年)、など。

上記内容は本書刊行時のものです。

(※掲載順)
【執筆者】
戸部良一(とべ・りょういち)
帝京大学文学部教授。
1948年生まれ。京都大学大学院法学研究科博士課程単位修得退学、博士(法学)。専門分野は日本近現代史。主要著作に、『ピース・フィーラー―支那事変和平工作の群像』(論創社、1991年)、『日本陸軍と中国―「支那通」にみる夢と蹉跌』(ちくま学芸文庫、2016年)、『逆説の軍隊』(中公文庫、2012年)、など。

裴京漢(べ・きょんはん) 
新羅大学史学科教授。
1953年生まれ。ソウル大学博士課程修了。専門分野は中国近現代政治史。主要著作に、『蔣介石研究―国民革命期における軍事政治の台頭過程』(ハングル、一潮閣、1995年)、『孫文と韓国―中華主義と事大主義の交錯』(ハングル、ハヌル出版社、2007年)、『汪精衛硏究―近現代中国民族主義の屈折』(ハングル、一潮閣、2012年)、など。

加藤聖文(かとう・きよふみ)
人間文化研究機構国文学研究資料館研究部准教授。
1966年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程修了。専門分野は日本近現代史・東アジア国際関係史・歴史記録学。主要著作に、『満鉄全史―「国策会社」の全貌』(講談社選書メチエ、2006年)、『「大日本帝国」崩壊―東アジアの1945年』(中公新書、2009年)、『満蒙開拓団―虚妄の「日満一体」』(岩波現代全書、2017年)、など。

浜井和史(はまい・かずふみ)
帝京大学学修・研究支援センター准教授。
1975年生まれ。京都大学大学院文学研究科博士後期課程指導認定退学、博士(文学)。専門分野は日本近現代史、日本外交史。主要著作に、『復員関係史料集成』全12巻(ゆまに書房、2009-2010年)、『海外戦没者の戦後史―遺骨帰還と慰霊』(吉川弘文館、2014年)、「『英霊の凱旋』から『空の遺骨箱』へ―遺骨帰還をめぐる記憶の形成」『軍事史学』第51巻第2号(2015年9月)、など。

吉見崇(よしみ・たかし)
東京大学大学院総合文化研究科学術研究員。
1983年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了、博士(学術)。専門分野は中国近現代政治史。主要著作に、「戦後中国における検察改革の試み 1945~1947年」『中国―社会と文化』第27号(2012年)、「中華民国国民政府の五院制と司法行政部の帰属問題―訓政期における司法権の独立をめぐって」『アジア研究』第60巻第1号(2014年)、「中国国民党政権による検察改革 1938-1945年」『歴史学研究』第927号(2015年)、など。

金子肇(かねこ・はじめ)
広島大学大学院文学研究科教授。
1959年生まれ。広島大学大学院文学研究科博士課程後期単位取得退学、博士(文学)。専門分野は中国近現代史。主要著作に、『近代中国の中央と地方―民国前期の国家統合と行財政』(汲古書院、2008年)、『中国議会100年史―誰が誰を代表してきたのか』(共著、東京大学出版会、2015年)、「抗米援朝運動と同業秩序の政治化―上海の愛国業務公約を素材に」『歴史学研究』923号(2014年)、など。

水羽信男(みずは・のぶお)
広島大学大学院総合科学研究科教授。
1960年生まれ。広島大学大学院文学研究科博士課程後期単位取得退学、文学修士。専門分野は中国近代史。主要著作に、『中国近代のリベラリズム』(東方書店、2007年)、『中国の愛国と民主―章乃器とその時代』(汲古書院、2012年)、『アジアから考える―日本人が「アジアの世紀」を生きるために』(編著、有志舎、2017年)、など。

アーロン・W・ムーア(Aaron W. Moore)
マンチェスター大学東アジア歴史学部講師。
プリンストン大学大学院博士課程修了。専門分野は中国近代史、日中関係史。主要著作に、“From Individual Child to War Youth: The Construction of Collective Experience among Evacuated Japanese Children during WWII,” Japanese Studies, 36(3)(2016). “Reversing the Gaze: The Construction of “Adulthood” in the Wartime Diaries of Japanese Children and Youth,” In S. Frühstück, & A. Walthall eds., Child's Play: Multisensory Histories of Children and Childhood in Japan and Beyond (Berkerley: University of California Press, 2017).

呉啓訥(ご・けいとつ)
中央研究院近代史研究所副研究員。
1963年生まれ。国立台湾大学博士課程修了。専門分野は近現代中国政治史、中華人民共和国史。主要著作に、「民族自治与中央集権」『中央研究院近代史研究所集刊』第65期(2009年)、「民族識別政策的歴史線索和政治面向」余敏玲編『両岸分治―学術建制、図像宣伝与族群政治』中央研究院近代史研究所(2012年)、 “Caught between “Opposing Han Chauvinism” and “Opposing Local Nationalism”,” Jeremy Brown and Matthew D. Johnson eds., Maoism at the Grassroots: Everyday Life in China’s Era of High Socialism (Cambridge: Harvard University Press, 2015).

藤井元博(ふじい・もとひろ)
防衛省防衛研究所戦史研究センター研究員。
1986年生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科後期博士課程単位取得退学。専門分野は東洋史。主要著作に、「重慶国民政府軍事委員会の「南進」対応をめぐる一考察―「中越関係」案を手がかりに」『史学』82巻4号(2014年1月)、「重慶国民政府による広西省の統制強化と軍事機構―桂南会戦を中心に」『歴史学研究』919号(2014年6月)、など。

王文隆(おう・ぶんりゅう)
中国国民党中央文化伝播委員会党史館主任。
1976年生まれ。国立政治大学博士課程修了。専門分野は中国現代史、中華民国外交史。主要著作に、『外交下鄉,農業出洋―中華民国農技援助非洲的実施和影響(1960-1974)』国立政治大学歴史学系(2004年)、「天津事件と日英中関係―抗日分子の裁判権をめぐって」『軍事史学』第43巻3・4号(2008年)、「台湾中学地理教科書的祖国想像(1949-1999)」『国史館学術集刊』第17号(2008年)、など。

張連紅(ちょう・れんこう)
南京師範大学歴史系教授。
1966年生まれ。南京大学博士課程修了。専門分野は中国近現代史。主要著作に、『幸存者調査口述』(上中下)(江蘇人民出版社、2006年)、『南京大屠殺全史』(上中下)(南京大学出版社、2012年)、『南京大屠殺研究―歴史与言説』(上下)(江蘇人民出版社、2014年)、など。

【訳者】
丸田孝志(まるた・たかし)
広島大学総合科学研究科教授。
1964年生まれ。広島大学大学院文学研究科博士課程後期単位取得退学、博士(文学)。専門分野は中国近現代史。主要著作に、『革命の儀礼―中国共産党根拠地の政治動員と民俗』(汲古書院,2013年)、『戦時秩序に巣喰う「声」―日中戦争・国共内戦・朝鮮戦争と中国社会』(共著、創土社、2017年)、など。

李仁哲(り・じんてつ)
(台湾)東呉大学推広部非常勤講師。
1982年生まれ。筑波大学大学院人文社会科学研究科博士課程修了、博士(学術)。専門分野は近代日中関係史。主要著作に、「汪兆銘南京国民政府参戦問題に関する一考察」『東アジア近代史』第16号(2013年)、「抗日戦争の新たな歴史像の模索」『戦時期中国の経済発展と社会変容』(翻訳、慶應義塾大学出版会、2014年)、「无条件投降与日本」「辨析桐工作」『日本学者笔下的二战史』(翻訳、東方出版社、2017年刊行予定)、など。

柳英武(りゅう・えいぶ)
筑波大学人文社会科学研究科研究員。
1971年生まれ。筑波大学大学院人文社会科学研究科博士課程修了、博士(国際政治経済学)。専門分野は東アジア国際関係史。主要著作に、「東アジアにおける近代条約システムの形成―1899年中韓通商条約の締結とその国際的意味」『筑波大学国際公共政策論集』第31号(2013年2月)、『東アジアにおける近代条約関係の成立』(龍渓書舎、2015年)ほか、訳書に潘洵著『重慶大爆撃の研究』(岩波書店、2016年)、など。

土肥歩(どい・あゆむ)
青山学院大学非常勤講師・東京大学大学院総合文化研究科学術研究員。
1983年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了、博士(学術)。専門分野は中国近現代史。主要著作に、『華南中国の近代とキリスト教』(東京大学出版会、2017年)、「ミッション史料からみる珠江デルタ支流域の地域社会」『東洋史研究』第75巻第3号(2016年12月)、『南洋』と『地域社会』をむすぶキリスト教」『歴史評論』第765号(2014年1月)、など。

目次

『日中戦争の国際共同研究』(第6巻)に寄せて

総論 日中終戦と戦後アジアへの展望   編者

  第1部 日中終戦と戦後構想

第1章 太平洋戦争末期における日本の対中和平構想   戸部良一
 はじめに
 一 重慶「政治」工作
 二 小磯内閣の対中和平案
 三 南京政権への「信義」
 おわりに

第2章 戦争末期の日中戦争と日ソ関係
――「日中ソ」提携構想をめぐって   波多野澄雄
 はじめに
 一 国共関係の変化と対ソ政策
 二 重光外相と「容共」問題
 三 日中ソ提携構想
 四 もう1つの和平論
 五 広田・マリク会談と日中ソ提携構想
 おわりに

第3章 韓国臨時政府の本国帰還問題に対する中国国民政府の対応
――終戦前後における東北アジア国際秩序再構築の一側面
裴京漢(丸田孝志訳)
 はじめに
 一 戦争終結前の国民政府の対韓国政策構想
 二 戦後韓国臨時政府の本国帰還問題と国民政府の立場
 おわりに

第4章 国共内戦下の戦後日中提携
――支那派遣軍と国民政府   加藤聖文
 はじめに
 一 ポツダム宣言受諾と「対支処理要綱」
 二 支那派遣軍と国民政府の接近
 三 日本人の留用と送還
 おわりに

第5章 台湾における日本人墓地および遺骨の処理問題   浜井和史
 はじめに
 一 復員・引揚げ時における遺骨処理
 二 戦後における日本人墓地および遺骨の状況と日本政府の対応
 三 日本人墓地および遺骨をめぐる日台交渉とその帰結
 おわりに
 
  第2部 中国の変動

第6章 戦後中国における憲政への移行と警管区制   吉見 崇
 はじめに
 一 警管区制と自由・憲政
 二 上海市警察局が主張する警管区制 
 三 アメリカ型の警察制度としての警管区制 
 四 警管区制をめぐる対立のゆくえ
 おわりに

第7章 戦後中国の税政と工商同業公会
――上海の貨物税制度を素材に   金子 肇
 はじめに
 一 戦後上海の貨物税制度――1946年「貨物税条例」を対象に
 二 貨物税稽徴業務と工商同業公会の反発
 おわりに

第8章 1940-50年代の中国経済と日中関係   久保 亨
 はじめに
 一 大戦終結前後の中国経済と日中経済関係――1940年代
 二 1950年代の貿易構造と対外依存症
 三 対外依存症克服の努力――1940-50年代
 四 1950年代の日中経済関係
 おわりに

第9章 国民党政権と南京・重慶『中央日報』
――戦時から戦後にかけての自立化傾向   中村元哉
 はじめに
 一 制度と政策から見た南京・重慶『中央日報』
 二 ジャーナリズム学と南京・重慶『中央日報』の人事
 三 国民党政権と南京・重慶『中央日報』社論
 四 『中央日報』の経営自立化への道程
 おわりに

第10章 リベラル派知識人の国際情勢観
――1945年前後を中心に   水羽信男
 はじめに
 一 国際情勢認識(1)――政治的な側面
 二 国際情勢認識(2)――思想的な観点から
 おわりに

第11章 錯綜する願い
――国民政府教育部に寄せられた学生の手紙から
アーロン・W ・ムーア(李仁哲訳)
 はじめに
 一 若者の動員と国民党の革命的伝統
 二 中断された生活――教育部への陳情
 おわりに――浪費された資源と失われた青春

  第3部 東南アジアの変動

第12章 戦争・民族・国家
――抗戦前後における雲南土司の苦境と選択:1942-1952
呉啓訥(藤井元博訳)
 はじめに
 一 苦境と伝統のつながり
 二 保家、保族のための抗戦参加
 三 切迫した危機の消失と旧来の苦境の再来
 ――国民政府および土司の選択と妥協
 四 新たな主人との対面
 ――人民共和国成立期における歴史的慣性と最終的な転換
 おわりに

第13章 重慶国民政府のビルマ国境政策と軍事占領 1942-1945
藤井元博
 はじめに
 一 ビルマ反攻以前における重慶政府の国境問題意識
 二 民族問題への波及
 三 土司をめぐる中英間の対立
 四 再占領と管轄権をめぐる議論
 五 イギリス植民地側から見た国境問題
 おわりに

第14章 日中終戦前後の国民政府と東南アジア
――重慶当局の戦後ラオスに対する構想および実践を中心に
王文隆(柳英武訳)
 はじめに
 一 三・九クーデタ(仏印処理)前の中華民国とラオスの関係
 二 中泰回廊開拓の構想
 三 三・九クーデタ(仏印処理)より占領降伏まで
 おわりに

特論  南京大虐殺と難民の宗教生活   張連紅(土肥歩訳)
 はじめに
 一 南京大虐殺時期のキリスト教コミュニティ
 二 難民収容所における宗教活動
 三 難民のキリスト教認識の変化
 四 宗教の違いを超えて
 おわりに


あとがき   波多野澄雄・久保亨・中村元哉
編者・執筆者紹介/訳者紹介
索引


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